メキシコ出身、英国で録音したレコードによって知名度上げたピアニスト、ペペ・ハラミジョが、マニュエルこと英国のアレンジャー、ジェフ・ラヴ率いるスタジオオーケストラと初共演した作品。広がりのあるソフトラテン/ポピュラーに交えて、「Up-Up And Away」などポップヒットも含む心憎い編曲が施されています。静かでなめらかな響きが、印象的です。4チャンネル盤。.
収録曲・データ
【曲目】High Noon / Maybe / Papaya / To Be The One You Love / Look Around / Madrid // Cumana / Canadian Sunset / Johnny Guitar / Santa Gallura / Soledad / Up-Up And Away
ものすごく乱暴な言い方をすれば、ビートルズの「Penny Lane」一曲から多大な影響を受けて発展したバンドがあるとしたら……。スタックリッジはそんな愛すべきバンドでした。10ccやセイラーといった同時代のUKポップ・バンドよりも、もう少し都市の郊外に暮らしているような雰囲気と言えばいいでしょうか。本作は彼らのサード。つつましくもキャッチーで絶妙にひねくれたポップソングが並んでいることでは、他の作品に引けは取りません。変拍子インスト「Rufus T. Firefly」も最高なんです。UK盤とは曲順違い。.
針を落とした瞬間からファンクのリズムがあふれ出すコールド・ブラッドの74年盤。紅一点の女性シンガー、リディア・ペンスを前面に出し、スティーヴ・クロッパーのプロデュースでスタジオミュージシャンを大幅に導入。ある意味、バンドとしてのアイデンティティの危機なのですが、作品としては従来にない聴きやすさとメロウさ。フリーソウルの定番としてフロアで重宝されました。「Simple Love Life」「Come Back Into My Life Again」もいい曲!.
スタン・ケントンに見いだされ、人気歌手となってソロ・デビューした美人歌手。ブロードウェイ・ミュージカルからのナンバーを楽しいラテンタッチにアレンジして歌ってしまおうというナイス企画アルバム。胸弾むいいソフト・ラテンタッチのアレンジです。ハープシコードやストリングスを上品に使ってみせるのはアーニー・フリーマンのナイス仕事! 「Come Back To Me」素敵です。.
収録曲・データ
【曲目】 Do I Hear A Waltz? / Long Ago / Come Back To Me / Here’s That Rainy Day / He Touched Me / Love Theme From “The Sandpiper” // Gimme Some / What Did I Have That I Don’t Have? / Run For Your Life! / Tell Me More / Cast Your Fate To The Wind
シアトルの南、ワシントン州オリンピア在のSSWのプライベート作品で、録音はシアトルです(バンドにはマーティン・ルンドなど、あのパパーヤ周辺の人脈も参加)。74年から書きためられた曲には青春の甘い香り。B面ではジャズ風味が濃厚になります。「Too Much Thinkin'」「Someday」でのジャジーな展開にイチコロ。一度聴いたら忘れられない、永遠の(誰も知らない)名作。.
収録曲・データ
【曲目】Jamie / Woman I Love / You Can Go If You Want / Without Love / Gray Cloudy Days // Wish I Could Sail Away / Too Much Thinkin' / Someday / Just A Dream / A Song To Me
【曲目】 I Remember You / You Brought A New Kind Of Love To Me / When Sunny Gets Blue / Nothing But The Best / I Feel So Smoochie / I’m Gonna Live Till I Die // The Best Is Yet To Come / I’ve Got You Under My Skin / Slightly Out Of Tune ( Desafinado ) / My Shining Hour / By Myself / Get Out Of Town
【曲目】My Love Is All I Know / You Got To Ride / The Good Love / My Name Is Love / Cold Back On Me // Studio Song / Baby Don't You Go / Northwoods Man / Come On Down / Mad Mad Me / The Road Song
60年代半ばからのティファナ・ブラスは要チェックです。バート・バカラックがA&Mに加入したこともあってサウンドがぐっと洗練されます。本作でもバカラック(というよりロジャニコで有名)の「Don't Go Breaking My Heart」の疾走系マリアッチ・テイストと、冒頭を飾る「Our Day Will Come」が最高。昼のビールみたいな名作!.
収録曲・データ
【曲目】 Our Day Will Come / Mexican Road Race / I Will Wait For You / Bean Bag / The Wall Street Rag / The Work Song // Mame / Blue Sunday / Don’t Go Breaking My Heart / For Carlos / Freight Train Joe / Flamingo
【曲目】An Improvisation On "Liebestraum" / Yours Is My Heart Alone / An Improvisation On "None But The Lonely Heart"" / I'll See You Again / An Improvisation On "My Heart At They Sweet Voice" / An Improvisation On The Fibich "Po me" // Warsaw Concerto / An Improvisation On Chopin's "Nocturne In E-Flat" / An Improvisation On "Dance Of The Sugar Plum Fairy" / Favorite Themes From Tchaikovsky's Sixth Symphony ("Pathetique") / Favorite Themes From Greig's A Minor Piano Concerto / "One Fine Day" (From Madame Butterfly)
Libestraum.
I'll See You Again.
Favorite Themes From Tchaikovsky's Sixth Symphony.
ハイファイで「Home Grown」と言えば70年代後半のハワイアン・コンテンポラリー集というイメージですが、じつはこの地元音楽家支援の運動はアメリカ本土でも各地で行われています。こちらは77年サンディエゴ版。ハワイ風のシティポップからカントリーソングまで(電子音楽まで!)、さまざまなスタイルが同居しているのが土地の豊かさを感じさせますね。A-1のメイン・セイル「My Home In La Jolla」がもう絶品!.
西海岸から登場した70年代ノーザンソウルの名グループ。アルバムはどれも高いレベルの完成度。コーラスが売りなのにいきなりインスト曲を推薦してしまいますが、アルバムタイトル曲「A Taste Of...」(「You’re Not Here With Me」のインスト)で、最高に素晴らしい出来。バリー・ホワイトばりの空高く舞い上がるグルーヴに、さらにメロウな味付けが施されています。オリジナル曲も充実。「What Does It Take」のカヴァーも最高! いいところだらけです!.
【曲目】Enlloro (Voodoo Moon) / Dolores, My Own / La comparsa / Frenesi / Andalucia / Maria La-O // Adios / Poinciana / You Belong To My Heart / Green Eyes / Come Closer To Me / Perfidia
【曲目】Lover / Baby Won’t You Say You Love Me / Manhattan / With A Song In My Heart / You Must Have Been A Beautiful Baby / It’s Magic // You’re My Girl / Heart And Soul / There Will Never Be Another You / Dream A Little Dream Of Me / I Love You Much Too Much / I’ll Walk Alone
冒頭「From This Moment On」から腰を直撃のビッグバンド・ラテンです。ヴェテラン女性ヴォーカリスト、レナ・ホーン。スケールの大きな歌が得意な彼女に、ずばりハマった最高のラテン・アルバム。ストレートなラテン・ジャズからボサノヴァまで、一気に駆け抜ける痛快な一枚。カリブ風の味付けの効いた「Island In The West Indies」が、隠れた粋トラックだと思います。シャープなアレンジはショーティ・ロジャース。.
収録曲・データ
【曲目】From This Moment On / Take Me / Night And Day / Old Devil Moon / More / My Blue Heaven // Cuckoo In The Clock / Meditation / By Myself / Island In The West Indies / Ours / Falling In Love With Love
お茶の間向きテレビ放送で大変な人気を誇った音楽家、ローレンス・ウェルクが送り出したアメリカン・スウィートハートな4姉妹。あどけなさと落ち着きを兼ね備えたラブリーなハーモニーが特徴です。当時の人気ポップソングを歌ったオリジナル盤。ベスト盤ではありません。「Harbor Lights」「Tumbling Tumbleweeds」などをミルト・ロジャースのアレンジでとても優雅に歌います。柔らかいハーモニーにとろけそう。「You Are My Sunshine」がスウィンギーでGood!.
収録曲・データ
【曲目】Among My Souvenirs / Mississippi Mud / Repeat After Me / Forever And Ever / Mexicali Rose / Harbotr Lights // Melody Of Love / Tumbling Tumbleweeds / Choir Of Angels / You Are My Sunshine / Now Is The Hour / A Little Street Where Old Friends Meet【Arranger】Milt Rogers
「ウェストサイド物語」のナタリー・ウッドと「サウンド・オブ・ミュージック」のクリストファー・プラマーが共演した映画「サンセット物語」。少女が銀幕の世界でスターの座をつかむストーリーにアンドレ・プレヴィンがスコアをつけました。ナタリー・ウッドが劇中で歌う「You’re Gonna Hear From Me」にはスクリーンテスト版、映画版(劇中の設定)があったり、華やかさだけでない独創的なスコアもあり、よく考えられたサントラです。.
ジャズ/ソウル・シーンにあって優美かつ革新的なストリングス・アレンジを手掛けてきた黒人アレンジャー、ジョニー・ペイトを起用した意欲作。フィル・ウッズのなめらかでよく歌うサックスも快調ですが、とにかくペイトのアレンジがすさまじい! ヤング・ラスカルズの「How Can I Be Sure」で爆発をしてみせるストリングス、これはありえない! 綿密に計算されているはずなのに、どこまでもスリリング。.
ヴァン・ダイク・パークスが裏ジャケのライナーを書いていることでも知られるシンガーの西海岸スワンプ・アルバム。ジム・ケルトナーら豪華セッションメンにサポートされたサウンドは、ぐっとアメリカの懐深くへ潜っていくよう。重心の低いグルーヴとオーケストレイションが見事合体した「Wherefore And Why」が素晴らしい! バーバンク色も濃厚ですし、のちにヴァン・ダイクの親友となるニルソン的な香りもほのかに。.
フィリーソウルの屋台骨を半世紀以上にわたって支え続け、2019年にキャリアを終了したオージェイズ。70年代は彼らの絶頂期。フィリーのしゃれたサウンドに身を任せていても歌から気骨が伝わってくるのが彼らのよさです。盟友ギャンブル&ハフ、新世代の才能マクファーデン&ホワイトヘッド、そして彼ら自身のプロデュース。「We’re All In This Thing Together」はサヴァンナ・バンドのフィールもあってすごくいいです。.
イギリスの新世代ロカビリアン。若くてさわやかなプレスリーみたい。本国での大ヒット曲「You Drive Me Crazy」は最近日本でもCMで使われてましたね。現代版プレスリーみたいな感じ(歌声はだいぶ線が細いですが)で、プレスリーに歌わせてみたかったカヴァーとか、いいんですよね。アーマ・トーマスの「It’s Raining」とか、NRBQの「Don’t She Look Good」とかね。.
60年代に「You We're On My Mind」の大ヒットを飛ばした彼らのラストアルバム。1977年のリリースだけにサウンドはアーシーになってはいますが、美しいコーラスに彩られたソフトロック調ナンバーをこの時代に丁寧に作っていることに、まずビックリ! 全体的にもポップス度の高い作品になっています。深いエコーがかけられ、どこか神聖な雰囲気もありますね。ハーパース・ビザールのラスト作にも通じる隠れた名作です。ぜひ!.