AORファンにはその昔は入手困難盤として知られていたシアトルのバンドのファースト。AOR+オーシャンブリーズなテイストはこの土地の特徴でしょう。「Fly Away」や、泣メロにやられる「You Never Told Me You Loved Me」ジャジーな「Idle Days」ミディアム・アップで情感たっぷり盛り上がるオーシャンメロウ「Six Feet Lower」など、コーラスも効いてるし、聴き所多すぎの隠れ名盤! とってもいいセンス。.
ウィリアム・D・スミスなんかと並ぶソフィスティケイテッド・ブラックAORの逸品です。ヴォーカルも黒っぽくなりすぎず、いい感じ。ギター・カッティングとメロウなエレピが絡み合った「Pride And Joy」イントロ部における焦らし方は、実にいやらしく、まさに悶絶もの。歌とともに昇天です。マイケル・センベロ、ジェームス・ギャドソンらがバックアップ。.
前作に続きデイヴ・グルーシンのプロデュース。AOR〜フュージョンとブラコンをつなぐ存在として評価された彼女。アッパーなファンク「People Make The World Go 'Round」など、このアルバムではぐっとブラコンに接近し始めた感じです。それでも、タイトル曲をはじめ、エレピの浮遊感が印象的なメロウチューンは相変わらずの良さ。アップも良いですが、しっとりとしたミディアム・テンポの楽曲が絶品なのです。.
収録曲・データ
【曲目】I Try / People Make The World Go Round / Angel Of The Night / Rainbow Child (Little Pas) // What I Wouldn't Do (For The Love Of You) / The Feelin's Love / Love To Last / The Voyage
イギリス録音の「雨に微笑みを」の大ヒット後、再びアメリカに腰を据えた時代の傑作。長年の作詞パートナーであるハワード・グリーンフィールドと70年代以降を共に歩んだフィル・コディとのコンビネーションは円熟の領域。しかし、リー・リトナーらが参加したサウンドは若々しいシティポップ。タイトル曲の疾走する16ビートにビックリ! 「Born To Be Bad」もポップス好きにはたまりません。こんなにポップスでいいんだ! うれしい気持ちになります。未配信アルバムです。.
収録曲・データ
【曲目】All You Need Is The Music / Candy Kisses / Should've Never Let Her Go / Sad, Sad Story / Tillie The Twirler / Love Keeps Getting Stronger Every Day /Born To Be Bad / What A Surprise / You Can Hear The Love / City Boy
移籍第一弾。全米1位に輝いた「素直になれなくて(Hard To Say I’m Sorry)」と「Love Me Tomorrow」(22位)という二大ヒットを収録。デヴィッド・フォスターのプロデュースのもとブラスロック的な伝統が後退し、ピーター・セテラを前面に押し出す演出が行われた作品でもありました。「素直になれなくて」はAORバラードというより80年代バラードの王道を作った曲ですね。.
もともとカントリー畑のバンドだった彼ら。1978年にヒット曲「Kiss You All Over」でジャンルをクロスオーヴァーし、それ以降の作品にはメロウな佳曲が必ず数曲入っています。本作でいえば「Destiny」や「Being In Love With You Is Easy」など。ジャケット・デザインに恵まれていないところがあって、本作ももっと知られていいはず。.
心優しくせつないAORのひな形のような作品。カーラ・ボノフ・バンドのキーボード&ギタリストだったクリス・モンタンのソロ。何の気なくさらっと歌うちょっと無骨な歌声も含めて、この時代にしか生まれ得なかったと思います。本国より日本のほうが話題になったかも。今も密かに愛し続けているファンも多いはず。「Is This The Way Of Love」でデュエットしているのはカーラではなくローレン・ウッドですが、やっぱりいい曲ですね。.
シティボーイから転じてディスコボーイとして成功を手にしたポール・ジャバラ。これが彼のサードにして全面的にディスコに転じた分岐点作品。ダンスビートがメドレーで続くA面でもメロディメイカーぶりは健在。B面には、かつてポールが作品を提供したドナ・サマーがゲスト参加。Bラス「Just You And Me」は、AORファン泣かせのメロウチューン!.
デヴィッド・フォスターが作曲・プロデュースを担当したクリスタルAOR「Now And Forever」を収録。AORファンはこれだけでも買いな1枚です。実力派シンガーだけあって、80'sなサウンドになっても、貫禄充分の歌声を聴かせる彼女。透明感たっぷりのバラードB-3「When You’re Gone」も美しい出来です。.
収録曲・データ
【曲目】Now And Forever / Who’s Leaving Who / My Life’s A Dance / Call Us Fools / On And On // Heartaches / Reach For Me / When You’re Gone / You Never Know / Gotcha
「Brother To Brother」と共に、彼の代表作に上げられることの多い81年作。AORにカテゴライズこそされていますが、サウンドクリエイターとして30年余も孤高の存在で有り続ける人です。周囲のミュージシャンとの交流も少なく、いかにも孤高と評するのがふさわしいのに、作り出す音楽はメインストリームのど真ん中。それも気合い充分で、その迫力はすごい。白人・黒人の双方の音楽を、高い場所でまとめ上げて独自のブルーアイドソウルです。.
60年代後半にソロデビューした当初はソフトロック。70年代前半に「Hushabye」のリメイクをヒットさせ、70年代後半からメロウなハイトーン・ヴォイスをいかしたAORシンガーとして復活。メロメロな「Hey There Lonely Girl」、きらびやかに跳ねる「Sherry」のリメイク2曲が最高のアルバム。ポップスファンも泣かせる極上のブルーアイド・メロウAORです。.
【曲目】One Sweet Night / Wings Of Love / Do Listen To / Campanas De Invierno (Bells Of Winter) // Window Of A Child / Angel Of Mercy / Lovin' You / Hallelujah / Countin' The Days
【曲目】Live Wires / God's Love (Is What The World Needs) / Not Now Doesn't Mean Never / Walking With My Father / Oh My Livin' Brother // Soul'd Out / A Shield About Me / Can't Make It Without You, Lord / You Got Me Through / Soul'd Out - Reprise
彼女はエリック・カズと珠玉のバラード「Love Has No Pride」を共作した才女。当然、その自作版を収録しています。実はこれ、セカンド・アルバム。ファーストはアナログでは今も激レア状態が続いてます。本作にはアル・クーパーやハース・マルチネスとの共作も収録しました。キュートな歌声が醸し出す、アンニュイな華やかさが魅力。「Kansas City」のレイジーなカヴァーが隠れた逸品です。そういえば最初の旦那さんはレヴォン・ヘルムで、今はドナルド・フェイゲン夫人なんですよね。.
収録曲・データ
【曲目】Fool That I Am / Kansas City / Can This Be My Love Affair / The Night You Took Me To Barbados In My Dreams / Love Has No Pride // Yellow Beach Umbrella / Can't Believe You're Mine / Miss Otis Regrets / Wish I Could / Darkness 'Til Dawn
タガログ語を交えた「We’re All Alone」に打たれました! フィリピンの人気シンガー、リコ・J・プノ、77年のアルバムです。甘く都会的なAORサウンドと、フィリピン・シンガーならではの独得の色気があります。力強い地声とファルセット、英語とタガログ語の組み合わせがじつにエモーショナルな効果を生み出しています。ダンサブルとかDJ向けとはまた違い、むしろヴィンテージソウル/チカーノソウルなどに近い感覚です。.
インドネシア出身の彼が、オランダで発表した4作目。ダンスフロアーを意識したA面、スティーヴィー・ワンダーの影響深いメロウネスが光るB面という構成。80年代に日本で紹介された当時は「Tears For The Stars」や「Ev’rybody Feel The Groove」が人気でしたが、今だったらメロウな「Temptation’s Stronger」や「Days Can’t Stay Forever」がぐっと来たり。ジャジィなコード使いなど、高度な内容を感じさせますし、ハワイやフィリピンAORとも共通する匂いも。.
収録曲・データ
【曲目】 Ev’rybody Feel The Groove / Tears For The Stars / Wake Up / Lorraine // Jakarta / Temptation’s Stronger / The Rain / May Please Stay / Days Can’t Stay Forever / You Are My Sunbeam
UKブルー・アイド・ソウル・シンガー、ジェス・ローデンのセカンドにして傑作。伊達男な感じがアルバム全体に漂うメロウAORなアルバムです。幕開けの「Misty Roses」極上カヴァーの美しさ。ホーンが心地良い「In Me Tonight」の洒脱なグルーヴ・チューンにも昇天必至。一時の人気も落ち着いた今、改めて聴くとさらに楽しめるようになりましたね。.
日本ではファラ・フォーセットの後を継いだ「チャーリーズ・エンジェルズ」出演とCMでブレイク。そのイメージのせいで軽く見られがちですが、彼女の歌手としての実力は本物。だって彼女は、あのジョシー&プッシーキャッツ(アニメ)で歌の吹き替えを担当してたくらいなんですから。デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンも参加。作家陣にはバリー・マン&シンシア・ワイルがいたり。みんな彼女の実力はわかってたと思いますよ。ロネッツ「Walking In The Rain」のカヴァーは最高です。.