バット・マグラス & ドン・ポッター名義で残した唯一のアルバムが記憶に鮮やかなの方も多いでしょう。これは1978年のソロ。冒頭「And Still Be Loving You」から芯の強さと透明感がじんわり染みます。「Everybody's Talkin'」や「How Can I Be Sure」など素直に歌いたい曲を歌うところにも好感。驚いたのは、あのロブ・ガルブレイスが作曲した「Tell Me With Your Eyes」! AORファンは必聴でしょう! 犬を抱いている白ジャケ。こちらの方がレアです。.
収録曲・データ
【曲目】And Still Be Loving You / Unchain My Heart / Gray Haired Young Man / Too Much Love / Everybody's Talkin // Tell Me With Your Eyes / Love Side / How Can I Be Sure / Over The Rainbow
男性シンガー、レックス・ラーソンと美女二人のコーラス。ブリージーな70年代型ウェストコーストポップの名作です。「Step By Step」の弾けるような明るさは太陽が燦々と輝く西海岸ならでは! 女性シンガーの独り、シェリー・フォックスの書く曲もとても良い出来です。プロデュースはエリック・ヤコブセン。ジェフ・ポーカロの参加にも密かに注目を。.
歴戦のUKロッカーがLAで録音したファースト・ソロ。これが意外や拾いモノ。歯切れの良いロック・サウンドに交えて顔を出すのが、たとえば「You」のような泣きのメロウ・チューン。グルーヴィーな「Talkin’ About It」もいいですね。メロディメイカーとしてのポップな資質を上手くシティポップ的にまとめたナンバーが注目。リー・スクラー、デヴィッド・ペイチ、ジム・ゴードン、エド・グリーンらが参加です。.
70年代のアンカにとって最大のヒットアルバム。自ら抜擢した黒人女性シンガー、オディア・コーツとのデュエット「(You’re) Having My Baby」(全米1位)「One Man Woman / One Woman Man」(7位)と大ヒットを連発し、新たなポップクリエイターとして自画像を塗り替えました。なにしろ曲も1曲を除いて自作なんですからすごい。超クール&メロウな「Love Is A Lonely Song」など初期AORとしての魅力もあり。.
50年代からポップ〜MORの秀作を残し続けるジャック・ジョーンズのAOR路線最高傑作! ジーン・ペイジのアレンジによる極上16ビートに優れたバラードなど全曲最高の出来です。「This Is It」「Here To Love You」のタイトな切れ味、ラヴァーズ名曲「Deja Vu」では大人の色気でさらにメロウに。ノーチェックで通り過ぎるのはあまりに損!.
クライヴ・デイヴィスがAristaの社長に就任した際、前身のBellから継続して契約したのはメリサ・マンチェスターとバリー・マニロウだけだったとのこと。その強い信頼に応えたバリーの最大のヒット作。なんといってもディスコサンバの名曲「Copacabana」収録なんですが、じつはこの曲は全米チャートでは8位が最高。全米ナンバーワンにはなってないのですね(アルバムから最大のヒットは「Can’t Smile Without You」で3位)。.
AOR/ブルーアイドソウルに欠かせないバックシンガーであったデヴィッド・ラスリーのセカンド。いまとなっては第プロデューサーとなったドン・ウォズの初期プロデュース作です。80s仕立てのドゥーワップ「Next Time」が最高! ティモシー・シュミットの「So Much In Love」と続けて聴きたいです。デジタルメロウな「Saved By Love」など、良い曲多し!.
収録曲・データ
【曲目】It's A Cryin' Shame (Sha La La La La) / Afterglow / Oh / Where Does That Boy Hang Out / Euripides Meets The Shangri-Las // Next Time / Saved By Love / Johnny Where Did Your Girlfriend Go / Don't Smile At Me ... I Already Know / Raindance
冒頭からたまりません、微妙に横揺れするこのメロウな16ビート「You're Good For Me」。南部のカントリー系白人音楽感覚を洗練すると、実はAORへと繋がってくる(たとえばロブ・ガルブレイスなど)ことを、証明する作品でもあります。かつて金澤寿和さん執筆「AORライト&メロウ」に掲載されて話題となった作品。改めて聴くと確かに良いです。.
収録曲・データ
【曲目】 You're Good For Me / Nobody's Hero / Don't Leave Me This Way / Take Me Down / Smooth Sailin' (Rock In The Road) // Jailbait / There's A Love / The Closer You Get / It Takes Love To Make Love / Let's Do It All Over Again
「AWB」「Cut The Cake」と並ぶ人気盤。「Love Your Life」「I'm The One」をサンプリングソースとして重用されたブレイクやリフを多く含みますし、ヒットした「Queen Of My Soul」や「Love Of Your Own」(ネッド・土樋ニー作)「Sunny Days」などのドリーミーなメロウグルーヴも最高。今は後者にゆったりと身を委ねたい気分。彼らの絶頂期です。プロデュースはもちろんアリフ・マーディン。.
収録曲・データ
【曲目】Overture / Love Your Life / I'm The One / A Love Of Your Own / Queen Of My Soul // Soul Searching / Goin' Home / Everybody's Darling / Would You Stay / Sunny Days / Digging Deeper
チャート上では連戦連勝だったカーペンターズも、このあたりからやや陰りが。しかし、音楽面ではすごくチャレンジしていたことがわかる作品なので、ぜひ聴いて欲しいです。スティーヴ・イートン作「ふたりのラヴ・ソング (All You Get From Love Is A Love Song)」は当時のスマッシュヒット。アルバム全体を通して彼らのメロウAOR路線としても楽しめる1枚かと!.
伝説のグループ、マジシャンズを結成してデビュー。60年代後半からは名ソングライターチーム、ゴードン&ボナーとして活動。本作はセカンドソロで、ジャック・ニッチェのプロデュース。甘くて切ないブルーアイドソウルアルバム。オリジナルはアラン・ゴードン名義で78年リリースですが、架空のソウルグループとして売ろうと判断されたのか、名義もジャケも曲も一部変更され再発されたのがこちらです。最高な70年代ソフトロック「How Can You Leave Her」収録はこちら。.
ジェイ・グレイドン・プロデュース。もちろんデヴィッド・フォスターも参加。隙もないほど完璧なAORサウンドが出来上がりました。ディオンヌとグレイドンの力量の高さに頭が下がります。一曲目「For You」から内容最高です。そう、このリフがグレイドンそのものなんですよねえ。ジョニー・マティスとの共演曲「Got You Where I Want You」もお見事です。.
スウィンギーなジャズコーラス・スタイルとAORテイストを同居させた清々しいカナダの3人組。ビリー・ジョエルの「New York State Of Mind」をオリジナルが霞むほど洒落っ気たっぷりジャジーに決めてみたり、Bラスのメドレーのシメでは「I Go To Rio」でダンサブルにせめてみたりと、最高にヒップ&クール! 軽くジャイヴをキメた「Jackson Five」(そんなタイトル!)もグレイト。.
収録曲・データ
【曲目】South Rampart Street Parade 〜 Crazy People, Medley / There's Always A Goodbye / New York State Of Mind / Jackson Jive / Backfield In Motion / Shine Sun Shine // Mona Lisas And Mad Hatters / Hold Tight (Sea Food Mama) / You Worked Yor Spell On Me / Jersey Bounce 〜 I Go To Rio, Medley
必殺の頭脳派メロディメイカー。卓越した音楽ドラマ作りの技にさらに磨きがかかってきたアルバム。くぐもったグルーヴがグッとくる「Deco Lady」や「Brass Knuckles」が今の気分でしょうか。やや地味な評価を受けがちな作品だですが、歌詞も含めての彼の凝りようはハンパじゃないです。ビートルズ「抱きしめたい」へのアンサーソング「I Don’t Want To Hold Your Hand」も注目。.
収録曲・データ
【曲目】Too Scared To Sing / Brass Knuckles / You Burned Yourself Out / Deco Lady / I Don't Want To Hold Your Hand // Rifles And Rum / Studio Musician / Everything Gets Better When You're Drunk / The Man Behind The Woman / The Place Where Failure Goes
16歳のころ、オーストラリアでクリス&ピーター・アレンを結成、20歳で香港公演に来たジュディ・ガーランドに才能を見いだされた彼。アメリカに渡り、ソングライターとして、そして自身もシンガーとしてキャリアを積みます。ほんのり甘くせつなくロンリーな曲を書く天才。NYの敏腕スタジオミュージシャンに囲まれて、街の暮らしを愛おしむような作品世界。一曲目の「Just A Gigolo」カヴァーから心温まる良作です。.
NY録音の70'sブリージーシティポップの隠れた逸品。本作は何と言っても「You've Come Over Me」! 涼風に吹かれるような傑作チューン! 甘酸っぱいラヴソング「Let's Get To Livin'」や、英国風ニッチポップな「Where Have They Gone」「Misery Loves Company」など、軽いフットワークも魅力です。.
UK出身ながら世界的な成功を手にしたブルーアイドソウル・バンドのAtlantic最終作。当時最先鋭の音作りを行なっていたバハマのコンパスポイントスタジオでのレコーディングで、歯切れのいい洗練されたサウンドを作り出しています。レゲエ風味アレンジの「Walk On By」や「When You’ll Be Mine」はアメリカよりもむしろイギリスでダンスヒットしました。もともと彼らの本国はイギリスなので凱旋的!.
AORの範疇に入る時代ですが、アコースティックなテイストの良さも失われていなくて。ギャラガー&ライルのヴァージョンも最高なA-1「I Wanna Stay With You」が最高です。ほのかに漂う良質なシティポップ感覚がとても魅力的。自前のバンド編成での録音ですが、アイアートやジャコ・パストリアスが要所で起用され、アクセントになっています。.