ナッシュビル、LAの二カ所で、当時の考えうる最高のセッション・ミュージシャンを使って録音された完全無欠のスワンプ・アルバムです。男ふたりの野趣と哀感がにじむアメリカの懐に抱かれてください。プロデュースは初期ビーチボーイズやフレッド・ニールでおなじみ西海岸の重鎮ニック・ヴェネット。この人の手掛けたフォーキーな作品には、ざらっとした独特の肌触りがありますね。.
Power Failure.
Evinrood.
Dancer.リチャード・アルトマン監督の傑作「ナッシュヴィル」で助監督を務めたアラン・ルドルフが、LAを舞台に監督した音楽群像劇映画「Welcome To L.A.」。日本未公開な上にソフト化もされていない幻の作品ですが、これはキャスト的にも「ナッシュヴィル」のファンならどうしても見たい作品。サントラも「ナッシュビル」の作曲の中心だったリチャード・バスキンと、「I’m Easy」を自作してヒットさせたキース・キャラダインが担当した歌もの。都会人たちの陰影を描き出した名曲が多くて、あーこの映画見たい〜!.
Welcome To L.A..
City Of The One Night Stands.
The Best Temptation Of All.70年代前半のソウルシーンに見事な足跡を残した彼らのファーストヒット!(全米3位) ショービズっぽい下世話さを手放さずにきちんとかっこよさまで短い時間で持っていく、それってヒット曲の秘訣みたいなものです。初期ディスコ人気曲。シングルはモノラルミックス!.
Treat Her Like A Lady.
Over At My Place.一度見たら忘れられない感銘を残す奇想ファンタジー映画「まぼろしの市街戦」のUS盤サウンドトラック。音楽は名匠ジョルジュ・ドリリュー。トイピアノのような音がキラキラと、しかし悲しげに反復するA-2「The Twirling Waltz」を聴くと、すごく切なくなります。映画「フランシス・ハ」でもここからの「The Bicycles (La Bicyclettes)」「The Rest (Le Repos)」などが引用されていました。本国フランスではヒットしなかったこの映画ですが、60年代末からアメリカでベトナム反戦を掲げる若者たちの気分とマッチして名画座でロングランされるカルトシネマとなりました。.
The Twirling Waltz.
The Bicycles.
The Rest.アメリカン・ニューシネマの代表作「真夜中のカーボーイ」(カウボーイでは無いんです!)。スコア部分はジョン・バリーが担当。ニルソンが歌う主題歌「Everybody's Talkin'」でも知られています。ちなみにこの曲、アルバム「空中バレエ」とはヴァージョン違い。ソフトロックグループ、ザ・グループの楽曲が2曲「A Famous Myth」「Tears And Joys」収録。知ってました?.
A Famous Myth.
Midnight Cowboy.
Everybody's Talkin'.ポール・アンカのデュエット相手への抜擢がきっかけでデビューしたソウル界のシンデレラガール。ソロデビュー作となった本作はリック・ホールのフェイム・プロダクションでの制作。半数近くの曲をアンカが提供しているなど、アーシーなソウルフィーリングの中にもさわやかでポップなセンスが顔を見せています。それゆえフリーソウル全盛期にもかなり人気のあった1枚です。.
One Man Woman / One Woman Wan.
I’ll Just Keep On Loving You.
You Come And You Go.フリーソウルシーンでも評価の高かったマルチミュージシャン。デルフォニックスのバックなどを経て独立。ギター、キーボードを主体にマルチレコーディングを行い、リズム隊などを加えたサウンドです。声も含め、同時代のスティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせるスタイルですが、もっとメロウでダンス寄り。「Loving You Gets Better With Me」「Give Love A Try」など人気曲を収録。.
Loving You Gets Better With Me.
Give Love A Try.
I’ll Be Your Sunshine.1959年公開のクライムサスペンス映画「拳銃の報酬」(ロバート・ワイズ監督)のサウンドトラック。MJQが映画音楽を担当しています。作曲者としてピアノのジョン・ルイスの名を前面に出したクレジット。実際、クラシックの素養を持つルイスらしく管弦のあしらいも堂々としたもの。翌年、このスコアをMJQとして再演した盤が有名ですが、オリジナルはこちらです。.
Prelude To Odds Against Tomorrow.
Morning Trip To Melton.
Waiting Around The River.「アメリカン・パイ」の印象が強すぎるかもしれませんが、彼が素晴らしいフォーキー。歌もギターも抜群にうまいということを、この最高のライブ盤で知ってほしいと思います。人気絶頂で、おそらくバンドもついていただろうアメリカではなく、イギリスツアーでのギター弾き語りを収めたのがポイント。もちろん「アメリカン・パイ」もやってます。.
Magdalene Lane.
American Pie.
Vincent (Starry Starry Night).ウォーのハーモニカ奏者であり、中心人物として今も活動を率いるリー・オスカー。LAチカーノソウルのエッセンスを洗練させ、コンテンポラリーなソウルジャズ/フュージョンとして表現した初のソロアルバムです。チカーノたちの歴史を組曲として構成するなど、都会的なメロウさだけではない骨のある個性が魅力です。.
BLT.
Sunshine Keri.
Starkite.50年代の実験的スタイルこそ影をひそめたものの、ユーモラスなルックスとジェントルなツインピアノで長くアメリカ音楽界で人気を誇ったデュオです。本作はソフトロックエイジど真ん中でリリースされた1枚。スタンダードナンバーからバカラックまで、曲名に「LOVE」を持つものを集め、変わりゆく時代にも変わらぬ愛を表現しようとしています。.
The Look Of Love.
What The World Needs Now Is Love.
For Love Of Ivy.名匠シドニー・ルメット監督、マーロン・ブランド主演の映画「蛇皮の服を着た男」のサントラ盤です。クリード・テイラーの音楽的な参謀でもあったケニヨン・ホプキンスがサントラを担当。重厚なオーケストラ・スコアだけでなく、マーロン・ブランドの不良性に呼応したR&B的なビートナンバーもある(しかも、かっこいい)のが印象的!.
Bird Song.
Get Crazy.
High Pocket Blues.彼のように「American Pie」の全米No1ヒットなんて持ってしまうと、アルバムを聴いたこともないのに知ってると思いこんでしまうことも。そんな偏狭さを取り去って試聴してみれば、包容力のある大きなヴォーカルと優しく親しみやすいメロディに、深く揺り動かされるはずです。すごくいいアルバム。ぜひ試聴して下さい。とても暖かい気持ちになります。このアルバムのプロデューサーはAtlanticの切れ者ジョエル・ドーン。.
Wonderful Baby.
Crying In The Chapel.
La La Love You.60年代英国産のサイケデリック&エッチ映画「茂みの中の欲望」! そのUS盤サントラです。トラフィックがタイトル曲など3曲を担当し、さらにスティーヴ・ウィンウッドがトラフィック以前に在籍していたスペンサー・デイヴィス・グループも、より先に進んだトラックを提供! 「Looking Back」なんてウィンウッド不在期の彼らの魅力を再評価させるのでは? .
Here We Go Round The Mulberry Bush.
Am I What Was Or Was I What I Am.
Looking Back.フェアポート・コンヴェンションのツアー・サポートを通して注目を集めたことから、メンバーの協力を得て制作されたデビュー作。アメリカ的なホーボーっぽい資質と、イギリス人としてのトラッドへの愛情が垣間見える名作。英国的な“くもり”のかかった端正なヴォーカルは、いつもはるかな景色を見せてくれるのです。.
Sometimes.
Scarlet And Grey.
Nursery Tale.これがデビュー作。オリジナルは70年にマイナーレーベルからのリリース。あらためての再リリース盤がこちら(ジャケや曲目などは同一です)。彼を有名にした「American Pie」を収録するのは次作とはいえ、スマッシュヒットとなった「Castle In The Air」やペリー・コモが素晴らしい歌唱によって採り上げた名曲中の名曲「And I Love You So」を収録した本作。彼のいつもの作品と同様に、暖かく穏やかな響きに満ちていて、忘れがたい余韻を残すアルバムです。.
And I Love You So.
Castles In The Air.
Three Flights Up.もともとチルドレンドゥーワップとして出発した彼らを、見事にポップスの世界で生まれ変わらせたのはプロデュースとアレンジ、楽曲提供のテディ・ランダッツォでした。本作でも4曲を提供、そしてそれらの制作を手掛けています。ミュージカル「HAIR」からの「Easy To Be Hard」も見事なスウィートソウルに! ソフトロックの文脈でも聞いてほしい傑作です。.
Love That Dies.
You Bring Me Down.
Easy To Be Hard.「華麗なる賭け」「ロシュフォールの恋人たち」ほか、ルグランがサントラを手がけた4本の映画から楽曲をセレクト。一部は自身がリアレンジして再演しています。サリー・スティーヴンスが歌う「Ask Yourself Why」や、ノンクレジットながらクリスチャンヌ・ルグランや自身のスキャットコーラスとストリングス・アレンジが美しい「Souvenirs」はとても新鮮に響くはず。.
Ask Yourself Why.
Souvenirs.
Chanson D’un Jour D’ete.ブリジッド・バルドーとジャンヌ・モロー。フランスを代表する美人女優が共演し、「地下鉄のザジ」のルイ・マルが監督した破天荒なガールズ・コメディ映画。音楽は名匠ジョルジュ・ドリリューが担当。バルドーとモローのデュエット・ナンバーも3曲収録し、ヴァラエティに富んだサントラの内容もさることながら、とにかくこのジャケットからしてウルトラ・チャーミング! 昔からサントラ・ファンの間でも人気の落ちることの決してない一枚です。ステレオ盤!.
Paris, Paris, Paris.
Les Petites Femmes.
Maria Maria.ロイ・ウッドに敬礼! ポップスに対する敬愛を架空のオールディーズバンドの姿を借り、存分に発揮。ロックンロール+スペクターな内容、メロディ、なんと音質の悪さ(!)にまでこだわり、しかも、彼の仕事と確実にわかるコーラスアレンジと、くすぐられまくりの大傑作! フェイクだからこそ愛をストレートに告白出来るというのが、ひねくれ者の真理! ゴッドフリー・ダニエルやマザーズの「Ruben & The Jets」好きには絶対に推薦!.
You Got Me Runnin’.
Crazy Jeans.
This Is The Story Of My Love (Baby).数多くのヴォーカリストに採りあげられた名曲「What Are You Doing The Rest Of Your Life」オリジナル収録(歌はマイケル・ディーズ)でも知られるアルバム。しかし、もちろんオススメは、ファンキーな4ビートの上を思いつく限りの60年代ルグランなフレーズが次から次へとコラージュされるA-2「Collage」や、レイジーな口笛スイング「Whistle While You Swing」です。やられます。.
Collage.
Whistle While You Swing.
What Are You Doing The Rest Of Your Life.ビリー・ワイルダー監督、ジャック・レモン&ウォルター・マッソー主演という組み合わせによる映画「恋人よ帰れ! わが胸に」のサウンドトラック。ブラックユーモアにあふれる作品を、ジャズと本格オーケストラ両方の醍醐味を知るアンドレ・プレヴィンが音で味付けしています。レモンとマッソーのコンビが「おかしな二人」で大成功するのはこの2年後。.
You'd Be So Nice To Come Home To.
Waltz Of The Fortune Cookies.
Main Title.ウッディ・アレンが脚本を担当し、彼が映画界に転出するきっかけとなった作品です。映画はドタバタなコメディですが、このサントラはバカラックの映画音楽家としてのキャリアを前に推し進める役割を果たしました。スコアも素敵ですが、歌ものが充実。トム・ジョーンズが豪快に歌うタイトル曲、ディオンヌ・ワーウィックの名唱「Here I Am」。そして、マンフレッド・マンの「My Little Red Book」!.
What's New Pussycat?.
My Little Red Book.
Here I Am.60年代ベイシーの強力な1枚! 007映画の曲で遊びまくったアルバムです。ほとんど音頭かと思うくらいにパーカッシヴな「007」ビッグバンドカリプソ「Kingston Calypso」、そしてお馴染み「James Bond Theme」をとびきりヒップな4ビートで! 安易なアイデアではなく、懐の深さと尋常じゃないかっこよさを見せつけてくれます。.
Kingston Calypso.
James Bond Theme.
007.ご存じ「大脱走」! テーマ曲はなぜか日本ではCMソングとしてもここのところおなじみになってますね。エルマー・バーンスタインにとっても生涯を代表するサントラ仕事となりました。うわべだけの勇壮さだけでなく、不屈の人間たちのドラマをちゃんとにじませている名スコア。.
Main Title.
Premature Plans.
Finale.アラン・アーキン主演の映画「Popi(ふたりの天使)」のサントラ。大の大人がふたりの子供と繰り広げるコメディタッチの映画だったようです。ヴォーカル入り主題歌は、子どもソフトロックの名品です! 「On To Miami」はタイトル通りのヴァカンスナンバーです。ラテンタッチの曲もどこかとぼけてておかしいんですよ。.
Popi.
On To Miami.
Two Boys On A Beach.マカロニウェスタンの大スターとなったクリント・イーストウッドのアメリカ凱旋作「奴らを高く吊るせ」。テーマメロディはブッカー・T&MG’sのカヴァーでもヒットしました。あと、ウーゴ・モンテネグロがカヴァーしたアルバムをよく見かけるのでそっちがサントラと勘違いしている人も少なくないかも。こちらが正調盤です。.
Hang ‘Em High.
Rachel.
I’ll Get ‘Em Myself.パリを舞台にしたビリー・ワイルダーの傑作コメディ「あなただけ今晩は」のサウンドトラック。ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの素敵な演技を記憶にとどめていらっしゃる方も少なくないでしょう。アンドレ・プレヴィンはオーケストラ・スコア中心で、ときおりアコーディオンなどを交えてパリの下町の雰囲気を出しています。.
Main Title.
Meet Irma.
Juke Box : Let’s Pretend Love.言わずと知れたジョン・バリーがスコアを担当した最高にヒップなサントラ。高校時代の小西康陽さんが深く影響を受けた映画で、90年代に六本木でリバイバル上映もされました。監督はビートルズの「A Hard Day's Night」「Help」を手がけたリチャード・レスター。ヒロインのリタ・タッシンガムのチャーミングなルックスが時代を超えてましたね。.
The Knack (Main Theme).
Here Comes Nancy Now!.
And How To Get It.米国ポップ・エンタメ界を代表するおしどり夫婦。「Two On The Asile〜通路側席の二人」のタイトル曲通り、ミュージカルや映画からのナンバーを歌います。劇場でお会いしましょう、みたいな。アレンジは、彼らを若い頃から見守り続けているドン・コスタ。このコンビネーションにハズシ無しです! 「A Lot Of Livin'」の華やかさ「It's Love」のジャズ感覚など素敵! 晴れやかなイーディと甘やかなスティーヴの声の相性が、ホントいいんですよ。.
A Lot Of Livin'.
It's Love.
Two On The Aisle.