ステッペンウルフのリード・シンガー。バンド解散後にリリースしたソロ・アルバムです。生粋のアメリカン・ロックの担い手のように思われてますが、実は彼はドイツ生まれのカナダ育ち。憧れと野心がステッペンウルフのサウンドをドライブさせていたんですね。このアルバムでは自作曲以外にパトリック・スカイの曲をとりあげるなど、フォーキーなスワンプ・サウンドを表現しています。.
Many A Mile.
Walk Beside Me.
Two Of A Kind.かつてはヤングアイドル。60年代後半からぐっとスワンプ〜グッドタイミーなサウンドに接近。自作曲を積極的に盛り込み、レベルの高い名作を残しています。同時代の流行に敏感だったのでしょう。本作も基本はスワンプですが、彼なりにイギリスのグラムロックの影響を取り込んだ作品ともいえます。ジャケでのギターの持ち方がモロソレです。その感覚で聴くと発見多し。「Nighttime Lady」のような自作の名曲も。.
Nighttime Lady.
Are You Really Real?.
Garden Party.ナッシュビル、LAの二カ所で、当時の考えうる最高のセッション・ミュージシャンを使って録音された完全無欠のスワンプ・アルバムです。男ふたりの野趣と哀感がにじむアメリカの懐に抱かれてください。プロデュースは初期ビーチボーイズやフレッド・ニールでおなじみ西海岸の重鎮ニック・ヴェネット。この人の手掛けたフォーキーな作品には、ざらっとした独特の肌触りがありますね。.
Power Failure.
Evinrood.
Dancer.Vanguardですでにフォーキーな夫妻デュオとしてキャリアを重ねていたイアン&シルヴィアを、カナダの若手ミュージシャンたちがバックアップ。どうせならバンドを名乗ってしまえばいいじゃん。そして、その若きメンバーにエイモス・ギャレットにN.D.スマート二世が参加していたのです。ウッドストックで作り上げたかっこいいスワンプ名盤。トッド・ラングレンのAmpex専属プロデューサー時代の仕事のひとつでもあります。.
Love What You’re Doing Child.
Trucker’s Cafe.
Crazy Arms.テキサス出身のデルバート・マクリントンとグレン・クラークがLAで結成したデュオ。期待を裏切らないセカンド作です。スワンプ・サウンドで有名な彼らですが、素朴なSSWのような雰囲気の曲もあってなかなか多岐に渡った音づくり。ざっくりと男臭く胸の内を語ります。前作に比べ少し洗練も。とはいえ大地に染み込むような大らかな音楽は不変。それが彼らの醍醐味です。.
Oh My.
Too Much.
Sidewalk Diploma.Shelterレーベルでの傑作「In God We Trust」に人気の面でこそ劣りますが、内容は文句なし。サウンド面ではややザックリした感触が後退していますが、その分、曲の良さ、歌心が前面に出てきています。彼がすぐれたソングライターであることを実感できる印象は、本作でもまったく変わりなしです。.
She's A Friend Of Mine.
Look What The Years Have Done.
The Train Don’t Stop Here No More.レアな4チャンネル盤。彼のファーストとセカンドはローリング・ストーンズのイメージとはまったく違うファンキーでハッピーなグッドタイム・ロック! NRBQのファンにもオススメといっていい名盤です。ストーンズでは実現出来なかったファンキーでグッドタイミーな愛すべき趣味人の姿がこのファーストにあります。最高にポップなロックンロールアルバムです。ジャケのダサさにダマされちゃダメ。.
I Wanna Get Me A Gun.
Mighty Fine Time.
It’s A Wonder.スワンプロックの名盤! 若くしてやさぐれ、しかし詩情と優しさもむせかえっていて。渋さだけでは語れないスワンプの世界を象徴するような1枚です。ダニエル・ムーア、ドナルド・ダック・ダン、アル・ジャクソン、スティーヴ・クロッパー(エンジニア)、ダニー・ワイス、メンフィス・ホーンズ……、参加メンバーの名前を連ねるだけで、場末の酒場の臭いが立ちこめてきそう。当時まだ20代だろうに。.
Sigmund’s Blues.
Lucinda.
People Together.Dunhill産スワンプSSW、畢生の名盤です。一曲目の「May 16,+75」を聴くと、何とはなしに“ひとりザ・バンド”といったフレーズが頭に浮かびます。粘っこいゴスペル感覚だけでなく、メロディアスなポップ感覚も持ち合わせているのが根強い人気の秘訣かと。ジャケのデザインから立ち上るくすんだ気品はスワンプロックの鑑と思います。.
May 16, +75.
Ride Mama Ride.
C. Paul & Mabel.フォーキーソウルの名作「Evergreen」からのシングルカット曲ですが、この渋い良曲をリリースしているとは意外でした。タジ・マハールにも通じるようなレイドバックしたフィーリングが最高です。MG’sのオルガンでしか彼を知らない人にも再体験してほしいです。.
Mama Stewart.元パレード。ソロ時代のジェリー・リオペルは、アーシーなスワンプ系SSWとして活動しますが、この70年リリースのファーストアルバムにはまだ青さや憂いが見え隠れしていています。冒頭を飾る「We Can Go Distance」での心の揺れ、「Darlin Daughter」での渋いグッドタイム感など、あらためて評価を願います。いい曲作って歌ってるのです。.
We Can Go Distance.
Darlin Daughter.
Devil’s Song.「Silk Degrees」以前のボズ・スキャッグスは素通りしてるという人、結構少なくないでしょう。シティスワンプともいうべき音楽性は今聴いても古くないのに。浮遊感あふれるメロウグルーヴ名曲「Here To Stay」をぜひ! 彼の70年代のアルバムの中ではこれがもっとも売れなかったとか……。もったいない。.
Here To Stay.
Nothing Will Take.
Flames Of Love.ジェームス・バートン、ジム・ケルトナー、マックス・ベネットといった鉄壁の布陣が全面参加したサード・アルバム。この作品を過小評価してはいけません。ダン・ペンやマーク・ジェームスにも通じる男らしさと美しいメロディ。大声で歌って、大声で泣いて。胸を熱くして浸って下さい。ちなみにあの名曲「Son Of A Preacher Man」を作曲したのはこの人。メンフィスのスワンプ・マスターです。.
Wailin’ And Moanin’.
Miss Georgia Blue.
Cold In Memphis.「若くて気分屋」という名前の男性デュオ。といっても彼らの本名なのですが。渋さの中に粋な感覚が垣間見える良質のブリティッシュ・スワンプです。ミック・ムーディはこの後、ヘビメタ路線のバンドで活躍するのですが、それをまったく予想もさせない人間味あふれるサウンドです。ロニー・レインのファンにも推薦。.
I’ll Be Back.
Someone Else’s Door.
Too Young To Feel This Way.レオン・ラッセル・ファミリーとして活躍するギタリストのファーストアルバム。いわゆるスワンプロックのアルバムとしてはトニー・ジョー・ホワイトのファーストなどと並んで早い時期のリリースです。ブルースロック調のものからR&Bのカヴァーまで、重たく泥臭くやっています。「Something You’ve Got」は白眉。ドン・ニックスが曲作りにも関わるかたちで参加。.
Baby It’s You.
Something You’ve Got.
Lookin’ For My Baby.サードにして、事実上のラストアルバム。そして、オランダ盤のみで使用されたという別ジャケット(本来は裏ジャケットでモノクロ)……なのですが、ディスコグラフィーにも記載されていないUSプレスでのこのジャケットが存在したのです! ローラ・ニーロ「New York Tendaberry」の別ジャケと並ぶ、いやもっとレアかも? 内容は前二作よりもブリージーな自作に、ぶっといファンクインスト、子供コーラス付きのバラッドなど多彩さを見せた大傑作。.
She’s A Pain.
Where Am I Now (When I Need Me).
Keep Me Comin’.デレク&ザ・ドミノスのメンバーだった彼がダンヒルに残したスワンプ・ロックの名作です。事実上、ドミノスのサウンドの中核を成していた彼の魅力的な声が、全開になっています。また、豪毅なスワンプだけでなく、「A Game Called Life」のような、じわりとミスティックな作風でも、その才能の奥深さを感じさせてくれます。.
Where There's A Will There's A Way.
A Game Called Life.
The Scenery Has Slowly Changed.チャス・ホッジズ&デイヴ・ピーコック。またの名をチャス&デイヴ。彼らがオイリー・ラグスという名義で制作した唯一のアルバム。まるでイギリスのザ・バンド! しかし、ザ・バンドに憧れつつも、独特の軽みがあって。このアルバムの発売はアメリカのみで、本国イギリスでは発売されないというねじれ現象に。本作発表後、彼らは名義をチャス&デイヴに変更し、屈託のない愛すべき酒飲みロックを繰広げます。もちろん、名義変更後も良いのですが、本作は特別。本当に見かけなくなりました!.
Mailman Bring No More Blues.
Holy Cow.
Barefoot Days.ソロ名義でのセカンドアルバム。ジョー・コッカーとのマッド・ドッグス&イングリッシュマン・ツアーを大成功させ、自身もSSW/パフォーマーとして時代の寵児となった時期の傑作。60年代に彼が裏方として手がけたポップス仕事の凄さを考えれば、もっと早くにスターになっていてもおかしくなかった不世出の逸材。タルサ、マッスル・ショールズ、ロンドンを股にかけたレコーディング。メンバーも素晴らしい!.
The Ballad Of Mad Dogs And Englishmen.
Of Thee I Sung.
Alcatraz.スワンプ系ファンの間で人知れず語られてきた秀作。人気のわけはなんとなく素人くさいというか、いい感じにレイドバックした人柄に溢れた音楽のため。ドン・ニックス作「Rollin' in My Dreams」に始まり、彼の身の上話を聴いているような気がして、酒が進んでしまいます。.
Rollin’ In My Dreams.
I’m My Own Grandpaw.
I’ll Stand By You.もともとシカゴでサウンズ・アンリミテッドというガレージバンドを組んでいた若者たちが、おそらくザ・バンドなどの影響を強く受けてスタイルチェンジ。バンド名もルックスもがらりと変わってのデビューアルバムです。特に大きな成功はなかったのですが質の高い音楽性に支えられて70年代前半に5枚のアルバムを残しました。ソフトな持ち味の曲もとてもよいです。.
A Rectangle Picture.
You Finally Found Your Love.
Till The Sun’s Gone.エヴァリー・ブラザースが一時的に分裂してSSW的な作風に向かった時期。フィル・エヴァリーのソロ作はハイファイでもひそかに売れ続けている人気なんですが、ドンのほうには今ひとつ脚光が当たり損ねている気がします。本作は3年ぶりにリリースされたセカンド・ソロ。スワンプ色の濃かったファーストもよいですが、こちらはそこにぐっと漂泊的な気分を加えたレイジーな魅力があります。自作「Evelyn Swing」よくて悶絶しました。.
Evelyn Swing.
Warmin’ Up The Band.
Helpless When You’re Gone.チャス・ホッジズ&デイヴ・ピーコック。またの名をチャス&デイヴ。彼らがオイリー・ラグスという名義で制作した唯一のアルバム。まるでイギリスのザ・バンド! しかし、ザ・バンドに憧れつつも、独特の軽みがあって。このアルバムの発売はアメリカのみで、本国イギリスでは発売されないというねじれ現象に。本作発表後、彼らは名義をチャス&デイヴに変更し、屈託のない愛すべき酒飲みロックを繰広げます。もちろん、そっちだって良いのですが、本作は特別。オリジナル・リリース(1974年)から10年後の再発盤です。.
Mailman Bring No More Blues.
Holy Cow.
Barefoot Days.もともとお互いにソロとして成功する以前の69年4月に録音されていたセカンドアルバム。若き二人の音楽へのひたむきな情熱とずぶずぶの南部指向が結実した傑作です。本作が未発表になったことでマーク・ベノは一時期、音楽活動からリタイア。レオン・ラッセルはソロ・デビューへの道を進みました。それがこのアルバムに光を当てたのだから皮肉なものです。.
Tryin' To Stay Live.
Lady In Waiting.
Learn Now To Boogie.元パレード。ソロ時代のジェリー・リオペルは、アーシーなスワンプ系ロッカーとして活動します。90年代には彼のソロ作を聴いてびっくりしたソフトロックファンがたくさんいました。メジャーレーベルを離れ、スモールレーベルに移籍してのアルバム。自分のバンドを率いての演奏ですが、ライル・リッツ、ジム・ホーンらも手助け。自分のやりたいことをのびのびとやっていますね。.
So Young.
North Bound.
Easy Driver.もともとはヘッジ&ドナの名義で活動していた男女デュオ。レーベル移籍により名前をラストネームに変えたんですね。白人男性と黒人女性による西海岸産のピースフルなスワンプ。以前に比べてファンキーでソウルフルなナンバーが多いです。バックはキャロル・ケイ、エド・グリーンら達者です。.
Well I Never.
Got A Hold On Me.
Silver To Blue.チップ・テイラーがプロデュースとアレンジを担当した東海岸シンガー・ソングライター。優しさを底にはらんだカントリースワンプを展開しています。詩的な情感をたたえたタイトル曲は、そのチップの作品。レナード・コーエン「Bird On A Wire」、ジェシ・ウィンチェスター「Yankee Lady」なども採り上げています。.
Blackbird.
Yankee Lady.
Bird On A Wire.カナダ出身の黒人シンガー。彼自身は作曲はしないのですが、マインドは完全に70年代初めのタフな時代を生きるシンガー・ソングライターのようでした。本作がサードアルバムで、スワンプ色の濃い充実作。リズムはマッスルショールズ、ストリングスはデトロイトでの録音。全体のリミックスはメンフィスのテリー・マニングが手掛けています。.
The Bridge We Cross Over.
Don’t Lose Faith Me Lord.
Black Woman.イギリスを代表する渋味集団マクギネス・フリントがディランをカヴァーするという目的で、別名義で発表した作品集。プロデュースはマンフレッド・マン。のちにボブ・ディラン&ザ・バンドの「Basement Tapes」として発売(76年)になる作品が含まれていることが話題でした。ほのかに漂うイギリス風味やパブロックっぽさがまた良し。.
Open The Door Homer.
Don't You Tell Henry.
Eternal Circle.シンガー・ソングライターとして、また壮大なスワンプロック・ショーケースを展開するパフォーマーとして人気絶頂にあったレオンの3枚組ライブ盤からのシングルカットです。一瞬で空気を一変させる力がこの時期の彼にはありました。.
Roll Away The Stone.
Queen Of The Roller Derby.