60年代末のリリースで、いつものように落ち着いたスタイルながら、少し若いカルチャーを意識したような雰囲気なんです(たとえばソフトな女性コーラスのあしらいなど)。「Caravan」と「Again」というスタンダードの間に自身のオリジナル曲「Lonely Is The Name」を挟むなど、本作でも自作メロディがふんだんに活かされています。いつも通りにトランペットは名手フレッド・モック。.
1968年に「Will You Be Staying After Sunday」のスマッシュ・ヒットを出している彼ら。このシングルはさらにファンキーさが増したナイス・ナンバー! B面は思いがけずドラマチックな展開のソフトサイケ! 両面ともに69年発表のアルバム「Will You Be Staying After Sunday」に収録されました。.
Deccaレーベルにあって独自の美学を追究する“Mood Jazz In Hi-Fi”シリーズの一枚。バレリーナと淡い水玉を組み合わせたアートワークにまず感服。イーストコーストきっての職人肌で、ギターを弾かさればおのずとクールなトーンがまろびでるサル・サルヴァドールがブラスセクションと融合。にぎやかにではなく、あくまでカラフルな色彩として。そのストイックなこだわりが演奏の喜びに結実しています。レアなステレオ!.
【曲目】Love Letters / Stella By Starlight / Autumn Leaves (Les Feuilles Martes) / Bella Notte / Theme From "The Medic" / Theme From "The Left Hand Of God" // Pearls On Velvet / Cornish Rhapsody / Kitten On The Keys / Ragging The Scale
「ディーン・マーティン・ショー」で見出されたガール・シンガー。10代でデビューした彼女のセカンド・アルバムです。恵まれた豊かな声量が素敵。ファーストよりも若干おしとやかになった感じですが、誰もが腰を抜かすのが最高のゴージャス・スイング「Night And Day」! こんなにファンキーなアレンジ、どうしましょう! 参りました! とにかく素晴らしいこのアレンジはピーター・マッツの仕事。.
収録曲・データ
【曲目】One / Together / Junk / Night And Day / Tea For Two / Circle ‘Round The Sun / I Don’t Know How To Love Him // Light Sings / After You’ve Gone / Be Happy / The Long And Winding Road / Close To You
【曲目】Love Me Tonight / Sweet Caroline / The Spinnig Wheel / Medley : Where Do I Go? 〜 Be In / Jean /Quentin’s Theme // Love Can Make You Happy / Good Morning Star Shine / Love Theme From Romeo And Juliet / My Cherie Amor / Yesterday, When I Was Young
ダンスが社交の場からディスコテックに移り変わる時期に制作された数々の若者ビート指南アルバム。匿名性のきわめて強いグループによる演奏ですが、メジャーから出ている作品はだいたい熟練のジャズマンたちが名を隠してやっていたりするもの。ときどき掘り出し物があります。手拍子ばっちり「If I Had A Hammer」など、いかがでしょうか? 曲間の送り溝はありますが、全曲ブランクなくつながるメドレー形式です。.
スウェーデンで長い活動を続けた女性シンガー、アン・クリスティン(後年はラストネームが省かれます)のデビュー・アルバム。当時23歳、ロック世代の彼女の歌声が刻まれています。ハスキーで低い彼女の声には凛とした意志を感じますね。キャロル・キング「You’ve Got A Friend」ボブ・ディラン「I’ll Be Your Baby Tonight」「Everybody’s Talkin’」などアメリカのSSWたちの曲も積極的にとり上げています。.
ジャズ・レジェンドというか、ジャズの生みの親と言ってもいいでしょう。サッチモことルイ・アームストロングの名演集。それも1940年前後、彼が自身のスタイルを完璧に確立していった時期のテイクを集めています。ジャズの世界にスキャットを持ち込んだ「West End Blues」は39年のヴァージョン、「聖者が町にやってくる」は38年のヴァージョン。どれも音質もいいですし、後年のサービス精神にあふれまくったテイクよりもペーソスが感じられてよいです。入門編として実はいちばんいいかも!.
多作で知られる彼のサード・アルバム。Decca移籍後の一作目です。フランク・レッサー作のタイトル曲、「Sixteen Tons」のような他人のヒット曲、テリー・ギルキソンやリー・ヘイズの書いたフォークソング、そして自作「Jump Up (In A Field Of Clover)」を歌っています。ジャンルをこんなに横断した選曲なのに世界にはいつも彼ひとりだけ。つくづく不思議なムードの孤独をまとった才人。ハープが効果的にアレンジに使用されています。.
モッドな気分をはらみつつエレガントにアレンジされたハープシコードとピアノによる新世代ラウンジ。いきなり一曲目がラロ・シフリンの「Theme From The Fox」だったりと、 選曲からも同時代のポップ・センスと並走しようという彼の意思がうかがえるように感じます。一味工夫を加えたアレンジが光ります。ストリングスがジャズワルツ風に6/8のビートを奏でる上をハープシコードが闊歩する「Norwegian Wood」に注目です。.
収録曲・データ
【曲目】Theme From The Fox / I Say A Little Prayer / Gpin’ Out Of My Head / Don’t Sleep In The Subway / Theme From The Valley Of The Dolls / The Life And Soul Of The Party // City Of Stone / The Look Of Love / People Get Ready / Sunny / Norwegian Wood
彼女は“オネエ”系60年代はすっぱ・ジャズ・スイング・ヴォーカルの最高峰。すべてが完璧なCapitol盤三枚の後にDeccaに移籍しての本作。ますます快調です。ファンキーな「Give Me The Simple Life」には完全KO。トリッキーなアレンジにも負けない、艶やかな歌声に惚れてしまいます。この後、結婚して渡英してしまうため、Deccaではこれが唯一のアルバムとなりました。.
収録曲・データ
【曲目】 Give Me The Simple Life / I’m The Lonesomest Gal In Town / Me And My Shadow / It Makes No Difference / There’s A Time And Place For Everything / Ain’t Nobody’s Business If I Do // What’s New ? / Something I Dreamed Last Night / I Finally Got A Break / Then I’ll Be Tired Of You / Love Is Only Love / I’ll Sing You One Song
【曲目】 You Let My Love Get Cold / Love You Didn’t Do Right By Me / Oh! No! / The Tavern / Wrong Wrong Wrong / The Gypsy With Fire In His Shoes // Do I Love You / Wrong Joe / Me / Johnny Guitar / I Belong To You / Autumn In Rome
父は映画「愛情物語」の主人公となったエディ・デューチン。戦前のカクテル・ピアノ・スタイルを確立した父が歩いた道すじを辿るかのようなスタイルで、ラウンジー且つムーディなピアノをダンスバンドと共に響かせます。後々にはロックやジャズをとりこんだヒップなピアノに転じますが、もはやすでに正確でくっきりとしたタッチがバッチリ。単なるムード・ピアノにとどまらない技量を披露します。みんな大好き「This Could Be The Start Of Something」が、可愛くていい感じ。.
収録曲・データ
【曲目】I Left My Heart In San Francisco / This Could Be The Start Of Something / A Fine Romance / I Concentrate On You / Whispering / Something’s Gotta Give // It Had To Be You / The Second Time Around / Mine / The Way You Look Tonight / What Kind Of Fool Am I? / From This Moment On
1955年に彼が放った「In The Jailhouse Now」は全米ナンバーワンを21週も記録した大ヒット。50〜60年代を通じてヒルビリー/カントリー界の大スターだった彼は、その軽快なスタイルでロカビリアンとしての魅力も発揮していました。本作はその「In The Jailhouse Now」を筆頭に、彼のビート・ナンバーをあらためてステレオ・レコーディングした作品。おおらかでヒップなロックンロールの源流です。.
かつてボブ・ディランの自伝の中で、彼には自分と通じる魅力を感じていた、と認められていたリック・ネルソン。ティーンアイドルとしてデビューしましたが、徐々にロックサウンドに傾斜し、70年代にはカントリーロックの名盤を残します。夏っぽいムードの本作でも、冒頭の「My Old Flame」みたいなスタンダードでもロックなセンスを感じさせます。甘いストリングスなどを排したソリッドな演奏は、ジミー・ハスケルの仕事。.
70年代にはソウル界のスターとして大成しますが、60年代のデビュー直後にはピアニストとしてインストをやることもあったレオン・ヘイウッド。彼の記念すべきデビュー・アルバムは、その両面の魅力を記録した傑作です。A面は歌もの。B面はオルガンを弾きまくるソウルジャズ・インスト。タイトル曲は自作の泣けるメロウソウル! 「Ode To Billy Joe」はつんのめるビートがかっこいいファンク・インストになってます! いよっ! ソウルの若武者!.
収録曲・データ
【曲目】Mercy, Mercy, Mercy / It’s Got To Be Mellow / Yesterday / I Can’t Stop Loving You / Nobody Knows You When You’re Down And Out / Tennessee Waltz // Ode To Billy Joe - Part 1 / Ode To Billy Joe - Part 2 / Cornbread And Buttermilk / Mercy, Mercy, Mercy / ‘Round Midnight
世界中の音楽を軽いラテン・センスで自分に取り込むラウンジ・ピアニスト、アーヴィング。このアルバムはイタリア関連の名曲集。まろやかなタッチの指さばきが情緒豊かなメロディを紡ぎ、ラテン・リズムと相まってオツな味を醸し出します。「Isle of Capri」なんか、結構ダンサブルにアレンジされてますよ。ジャケット、ナイス!.
ダイナマイト娘ブレンダ・リーの60sポップス・アルバム。「Call Me」や「Uptight」をソウルフルかつキュートに歌っています。ブレークが早かったため、意外とこういうポップス・ファンのツボを突いた選曲のものが少ないんですよね。マリアッチな感じでスキップする「What Now My Love」も絶品。タイトル曲もいいな。気持ちよく小躍り出来ます。.