ブラジリアン・フィーリングにあふれた高速フュージョン・ジャズや、ジャジィでファンキーなヴォーカル・ナンバーを身上とする女性グループ。パーカッシヴな演奏力はやはり圧倒的。ギル・スコット・ヘロン作のA-1「Willing」から一気に煽られます。続くタイトル曲のクールな4ビートも爽快! メロウなボッサ・チューン「Heaven Is In Your Mind」で感動的にフィナーレを迎えるライヴ・アルバム。.
収録曲・データ
【曲目】Willing / Call It Jazz / Show Me The Way / Step By Step / Wild Women Don't Get The Blues // Greeting Song / Loving Song / Golden River 〜 Golden Dream / Too Bad / Heaven Is In Your Mind
どことなくラーガ的な響きもあるギターの鉄弦サウンドがガボール・ザボにも似た印象。しかし、あちらがクリード・テイラーなら、こちらの育ての親はロバート・マージー(アンディ・ウィリアムス、イーディー・ゴーメなど)。そのせいか、かなりポップなアプローチになっています。それが軽く見られた時代もあったのでしょうが、今ならむしろOK! 「For Once In My Life」や「Watch What Happens」の解釈、最高だと思います。ポップスファンのツボを心得た選曲もたまりませんね!.
収録曲・データ
【曲目】Fly Me To The Moon / When Sunny Gets Blue / They Can’t Take That Away From Me / Here’s That Rainy Day What Kind Of Fool Am I / The Shadow Of Your Smile // Stormy Glad Rag Doll / On The Street Where You Live / Watch What Happens / So Rare / For Once In My Life【Producer】Robert Mersey 【Arranger】Robert Mersey
「Windmills Of Your Mind」のジャズ・ファンクなアレンジでいきなり目を覚まされる70年のソウル・ジャズ盤。ドン・セベスキーの前面アレンジで、ソウルジャズ・モードの御大ガレスピーが気持ち良く吹きまくります。タイトルの「Cornucopia」とは、ギリシャ神話でいう「豊穣の角」のことなのだそうです。.
「My Cherie Amour」「I Was Made To Love Her」をヒットさせていた成人直前期のスティーヴィー・ワンダーをカヴァーしたソウルジャズ盤。ジョー・サンプル、デヴィッド・T ・ウォーカー(ギターソロ結構あり)といったメンバーがサポート。「My Cherie Amour」はフルートでスピリチュアルに。まだクリエイターとしての真価を発揮しはじめる前、60年代末の選曲でもスティーヴィーらしさが感じられるから凄いですね。.
収録曲・データ
【曲目】Nothing’s Too Good For My Baby / Never Had A Dream Come True / I’d Be A Fool Right Now / My Cherie Amour / You Met Your Match // Ain’t No Lovin’ / I Was Made To Love Her / Angie Girl / Ain’t That Askin’ For Trouble
Blue Noteのニュースターとして60年代を過ごしてきたフレディ・ハバードのAtlantic移籍作。痛快なソウルジャズ・ナンバーとなったタイトル曲が象徴的なグルーヴィーなアルバムです。レイ・バレットの参加でA面ではブーガルー味が強調されているのもポイント。B面はBlue Note時代を彷彿とさせる鮮烈なソロの応酬が聴けます。.
ハービー・マンを筆頭にロイ・エアーズ、ソニー・シャーロック、ミロスラフ・ヴィトゥス、ブルーノ・カーというエッジーな布陣でのレコーディング。このメンバーで当時来日もしていますね(ロイ・エアーズがリーダー作を日本で吹き込んでいます)。ドノヴァンの「There Is A Mountain」からグルーヴィーで最高です。.
67年のモンタレー・ジャズフェスで全米デビューを飾ったヨーロッパ出身の天才ジャズ・ヴァイオリニスト。ジョージ・グランツ、ドラマー、ダニエル・ユメールらヨーロッパ組と録音した本作の注目トラックはブレントン・ウッド「Gimme Little Sign」! あのグッドタイミーなソウルナンバーを異種格闘技ばりの手腕でポップジャズ化しました! 「With A Little Help From My Friends」のアレンジも凄い!.
収録曲・データ
【曲目】With A Little Help From My Friends / 3 + 2 = 1 / California / Gimme Little Sign // Pata Pata / Pebble Beach Walk / Pacific Drove / Fort Ord Canon
カル・ジェイダーとはひと味違うグルーヴィーなソウルジャズ・ヴィブラフォンをプレイしたジョニー・リトル。この曲をこんなにかっこよくやるの?とうれしくなってしまうA-1「Tenderly」から、スピーディーでファンキーなオリジナル「Just A Little Bit Of Holiness」「Gwink」へと一気になだれこみ。有名プレイヤーはいませんが、充実したレギュラーコンボでの演奏は最高! 音圧も高い!.
バックのミュージシャンはノー・クレジットながら、小粋さとファンク・テイストが上手く組み合わさったナイスな一枚に。基本はピアノ・トリオ+パーカッションの編成。あのバリー・マン&シンシア・ワイルの名曲「ふられた気持ち」がこんなにファンキーなアレンジになるなんて! 続く「Mean Old Frisco Blues」も快調そのもの。ベースとドラムがもしも前作と同じ奏者だったら、チャック・レイニー、ビリー・コブハムという若手の凄腕ですぜ!.
50年代から双頭トロンボーン・コンビとして折にふれてデュオ作をリリースしてきた名手ふたりがCTIに残したチェンバー/ソウルジャズの傑作です(オリジナルリリースは1968年)。アレンジはドン・セベスキーと彼ら自身で、室内楽的なストリングスを大胆に配しています。「Never My Love」のソフトファンクなアレンジが素晴らしいです。.
バディ・リッチなどにもひけをとらない歴戦のジャズ・ドラマー、ルイ・ベルソン。彼が60年代後半にProject 3に残したファンキー・ビッグバンド・アルバムです。まずは「Ode To Billy Joe」のクールなかっこよさをどうぞ! 確かなスティックさばきがビッグバンドにあたえるシャープなクサビみたいなビート感がたまんないです!.
収録曲・データ
【曲目】I Remember Bird / Shuffle Off To Broadway / The Eel / The Oracle Speaks / 2 X 5 +16 // Ode To Billy Joe / My Very Own Person / Breakthrough / The Moments Of Trugh / The Look Of Love / Just Like That
するどく伸びる痛快なトーンで人気を博したトランペッター、メイナード・ファーガソンのColumbia移籍盤。ドン・エリスの成功例を手本にしたのか、ロック・ナンバーを大胆にジャズ化しています。しかも本作はキース・マンスフィールドやケニー・ホイーラーをアレンジャーに迎えたイギリス録音。その分、演奏のソリッドさが増しています。ジェームス・テイラー「Fire And Rain」ローラ・ニーロ「Stoney End」など、そそる選曲。.
エレクトリックなラウンジ・ジャズ番外盤! モー・コフマンは白人版ローランド・カークというか、二本のサックスを同時に吹く技(!)を持っているのですが、ここではそれに加え電気フルートも使用。電気椅子に座ったジャケットは、現代ならアウトかも。「Soul Finger」「James Brown's Bag」(後者はJBに捧げたオリジナル曲)などの痺れるファンクに、ホレス・シルヴァーの名曲「Song For My Father」カヴァーの電撃的格好良さ! 参りました(感電)。オリジナル曲「Funky Monkey」もグレイト。.
Columbiaに移籍してラテン・ソウルのエッセンスとポップス的なセンスを絶妙に融合させたサウンドを作り始めたモンゴ。相棒マーティ・シェラーはもちろん、ヒューバート・ロウズも加えたコンボでの快調な演奏。本作はポップス・カヴァー主体ではなく、モンゴをはじめメンバーの自作曲中心でオリジナリティも冴え渡ってます。歌ものもいつもより多い印象。ジョビンの「Estrada De Sol」のカヴァーがクール!.