一流ジャズドラマーでありながら、非常に質の高いソフトヴォーカル・アルバムを残すグラディ・テイト。本当はヴォーカリストになりたかったんだそうです。「All Around The World」はブレイクありのファンク! 「Would You Believe」や「Sack Full Of Dreams」では、大人の苦みを帯びたクールで甘いヴォーカルに胸が締め付けられます。Skye時代の代表作です。当然、制作はゲイリー・マクファーランド。それにバーナード・パーディー、チャック・レイニーが演奏して悪くなるわけありませんよね。名盤!.
収録曲・データ
【曲目】The Windmills Of Your Mind / And I Love Her / Sack Full Of Dreams / Would You Believe // Work Song / A Little At A Time / T.N.T. / Don’t Fence Me In / All Around The World
NYハーレム、ソウルの殿堂アポロシアターのアマチュアナイトで勝ち上がった経歴を持つヤングソウルシンガー。出身はデトロイトで、切れの良いノーザンソウルを歌う資質があります。タイプとしては同時期に人気のあったブレントン・ウッドやディオン・ジャクソンの系譜。ダスティ、アレサでおなじみ「I Can’t Wait To See My Baby’s Face」には思わずのけぞります。最高!.
デヴィッド・アクセルロッドのプロデュースと、H・B・バーナムのアレンジ。このコンビがバックアップするようになってからのルー・ロウルズは、一気に表現がR&B化します。マディ・ウォーターズでおなじみ「I Just Want To Make Love To You」を歌わせるアイデアもすごい。「Dead End Street」はキンクスとは同名異曲。ソウル感覚で聴き通せます。.
ディープな歌声のポピュラーシンガー、アーサー・プライソック。70年代にも充実したアルバムをリリースしていることに注目してください。両面の頭がポップス曲で、A-1が「Hurt So Bad」B-1がゴフィン&キングの名曲「Hey Girl」。特に後者の甘茶なカヴァーにトロリ。自分の声の活かし方を知り尽くしたダンディ・シティソウル。.
収録曲・データ
【曲目】Hurt So Bad / It's Too Soon To Know / Love Makes It Right / Beneath My Woman / A Summer Love // Hey Girl / A Happy Kind Of Sad / You Won't Find Another Fool Like Me / Free The People / Make Him Let You Go
Philadelphia International所属時代のリリースとしてはもっともブルージーな方向に向かった1枚ですが、ポール・デイヴィス「I Go Crazy」の良カヴァーが入っています。これはAORファンも要注意。「ふられた気持ち」のドラマチックなカヴァーもあり。全編を通じて夜更に聴きたいムードです。.
3曲をデヴィッド・フォスターがプロデュース。ジェイ・グレイドンをはじめフォスター組のミュージシャンも参加したAOR路線作です。「Learning To Love Again」はフォスター節全開の甘いバラード。同じく、フォスターがアレンジした「Never Get To Know You」は爽快なメロディに心躍る最高のディスコチューン。ソングライターとしてのアンカの実力にもご注目ください。.
レコードの取り口にやぶれ少々。A-3「That’s Where My Brother Sleeps」、B-3「I Wish I Could Walk Away」など、時折細かいキズによるプチノイズある盤です(試聴サンプルは今回入荷商品から録音しています)。
「兄弟の誓い」「密の味」のセルフカヴァー。絶品!
Columbiaに残した名作「From Eden To Canaan」に先駆けること数年。Warner Bros.に残されていた、もう1枚の絶品ヴォーカルアルバム。アレンジャー、ピアニスト、ヴォーカリスト、プロデューサー…、数々の顔を封印し、ひとりのSSWとして自作に向かい合った静かな大人の一枚です。低く渋い声で、一瞬にして彼の世界に引き込まれます。ホリーズに提供した「兄弟の誓い」や、すでにスタンダード化していた「A Taste Of Honey」のセルフカヴァーも収録。しかし、こんなに渋いのにまだこのとき33歳だったとは…。.
収録曲・データ
【曲目】 Glory, Glory Hallelujah / Willoughby Grove / That’s Where My Brother Sleeps / Allegheny / Interlude / Where Are You Going? // Interlude / He Ain’t Heavy, He’s My Brother / Woman In The Window / I Wish I Could Walk Away / Rivers Of Time / A Taste Of Honey / Interlude
サイモン&ガーファンクルのリユニオンでNYのセントラルパークでの大コンサートを行う直前にリリースされたスタジオ盤。過去の栄光を追うのではなく、自身の歌声でキャリアを紡いできた彼の自身が、セルフポートレートのようなジャケットにも表れました。タイトル曲などジミー・ウェッブが陰影の深い3曲を提供。ギャラガー&ライルの「A Heart In New York」もすごくいいです。ダンサブルじゃなくても大人の音楽(AOR)は成立するという好例。.
グラディス・ナイト&ザ・ピップスのヒット曲「夜汽車よジョージアへ」の作者。ポップ・カントリー的なイメージですが、ちゃんと聴き返すとビックリ。ニック・デカロがたいてい弦をアレンジしていますし、デヴィッド・フォスター、マイケル・オマーティアン、ラリー・カールトンらメンバーも最強。さらにA-1「Misty Mississippi Morning」みたいなセンシティヴで最高泣ける曲もいっぱい! 「Living With A Shadow」も素晴らしい。.
全曲「お月様」ソングでまとめたメル・トーメの非常にオシャレな一枚。アレンジャーが「Fantastica」のラス・ガルシアという人選もお見事じゃないですか。一曲目「Swingin' On The Moon」からゴキゲン。ビロードのように美しい声で綴る月面ジャズ。かわいこちゃんが宇宙飛行士を気取るジャケットも素晴らしすぎます。.
収録曲・データ
【曲目】Swingin' On The Moon / Moonlight Cocktail / I Wished On The Moon / Moon Song / How High The Moon / Don’t Let That That Moon Get Away // Blue Moon / Velvet Moon / No Moon At All / Moonlight In Vermont / Oh, You Crazy Moon / The Moon Was Yellow
ハワイのショウビズ界の大物、ドン・ホーと師弟関係にあった男性シンガーです。片言日本語系の名曲として有名な「チョットマッテクダサイ」も収録です。ラウンジ・ヴォーカル・ポップとしての完成度はかなり高いですよ。クイ・リーにも通じる穏やかなスイング感が心地良い「Maunalani Hale」ノーザンソウル的な「Only The Strong, Only The Brave」(バカラック・カヴァー)もオススメ!.
ああ…「Rainy Night In Georgia」っていい曲ですね。トニー・ジョー・ホワイトのオリジナルも素晴らしいですが、男の哀しみをぐっとこらえて……なニュアンスはこちらの方に軍配。何とも意外な「Can't Take My Eyes Off You」の大人っぽいカヴァーなどもあったりして。じんわりソウルバラードにしているのですが、これがまた美味。.
【曲目】Look To Your Heart / Anytime-Anywhere / Not As A Stranger / Our Town / You, My Love / Same Old Saturday Night // Fairy Tale / The Impatient Years / I Could Have Told You / When I Stop Loving You / If I Had Three Wishes / I'm Gonna Live Till I Die
オーストラリア出身のシティボーイ系シンガー。本作は米国での2作目。ビージーズ「Fanny」や、バリー・マニロウ「涙色の微笑(Can’t Smile Without You)」など他人のカヴァーと自作曲が半々づつのレパートリー構成。いい曲があれば偏見なくとりあげます。ちょっと甘酸っぱいメロディを歌わせると、微妙な切なさを巧く表現してくれてるのです。70年代のニール・セダカやフィル・コディあたりが好きな方にはたまらないはず。.
Columbia以前のアンディ・ウィリアムスには円熟一歩手前の若さあり。クインシー・ジョーンズによる絶妙の編曲を得て、ひと味違うクラシック・シャンソン・アルバムとなりました。アメリカとフランスのミュージシャン合同によるパリ録音。「Let It Be Me」をうまくフレンチ風味でアレンジしていたり、アコーディオンやストリングスが響くムーディな仕上がりも素敵ですが、ここではジャズっぽいクインシーのアレンジが光るナンバーを。4ビートのウォーキングベースとフィンガースナッピンが気持ちいい「Under Paris Skies」なんて、いかが?.
収録曲・データ
【曲目】Under Paris Skies / Let It Be Me / April In Paris / Mademoiselle De Paris / I Wish You Love / Domino // I Love Paris / Mam’selle / Comme Si, Comme Ca / La Valse Des Lilas / Boom / Au Revoir, Paris
同時代のポップス/ロック・ヒットを歌うことを頑ななまでに拒み続けていたトニー・ベネット。ようやくアルバムの中で1、2曲歌うようになってきたのが60年代の後半でしたが、ついにこのアルバムで全面的にポップス解禁。あくまで自らの土俵で勝負を挑んでいます。ゆったりとスイングする「Here, There And Everywhere」が白眉。アレンジはピーター・マッツ。.
収録曲・データ
【曲目】MacArthur Park / Something / The Look Of Love / Here, There And Everywhere / Live For Life / Little Green Apples // Eleanor Rigby / My Cherie Amour / Is That All There Is? / Here / Sunrise, Sunset
自分の名前を冠した通算5作目のアルバム。チャート上では全米最高5位と、彼のアルバムとしてはもっともアメリカで上位まで達しました。一曲目の「I’m A Better Man」はバカラック&デヴィッド作、彼の声にとてもあった曲。メロディがマジカルでせつないです。「Gentle On My Mind」のファンキーさにも好感。69年のクリスマス・シーズンにシングル・リリースされた「Winter World Of Love」も素敵ですよ。.
4チャンネルステレオ盤。60年代を通じてMOR界の大スターであったジョニー・マティス。同じような立場だったアンディ・ウィリアムスが、70年代に入ってさすがにリリースを減らす中、マティスは着実に作品を重ねます。シルキーな声で同時代の名曲をカヴァーしてゆくのですから、一度好きになったら、あの声であの曲を聴いてみたいという欲求が絶えなくなったのでしょうね。タイトル曲や「Summer Breeze」「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」など珠玉の選曲の好内容盤です。.