一流のジャズドラマーにして名シンガー。60年代後半から思い切ってヴォーカリストにシフトした活動を開始。本作でもドラムは他人に任せています。もはやこれはジャズではなくソウルかも。ヴァン・モリソン「Moondance」リンダ・ロンシュタット(というかエリック・カズ&リビー・タイタスの)「Love Has No Pride」と冒頭の2曲で、もうノックアウト。続くソウルナンバー「I Wouldn’t Have You Any Other Way」も最高。味わいあります。さすがです。リチャード・ティー、ジョン・トロペイ、ビリー・バトラーらがバックアップ。.
60年代を通じてMOR界の大スターであったジョニー・マティス。同じような立場だったアンディ・ウィリアムスが、70年代に入ってさすがにリリースを減らす中、マティスは着実に作品を重ねます。シルキーな声で同時代の名曲をカヴァーしてゆくのですから、一度好きになったら、あの声であの曲を聴いてみたいという欲求が絶えなくなったのでしょうね。タイトル曲や「Summer Breeze」「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」など珠玉の選曲の好内容盤です。チェックの生地を使ったアートワークも秀逸。.
収録曲・データ
【曲目】Me And Mrs. Jones / Sweet Surrender / Summer Breeze / Corner Of The Sky / Happy / Soul And Inspiration〜Just One In My Life // Don’t Let Me Be Lonely Tonight / If I Could Reach You / Remember / You’re A Lady / I Was Born In Love With You〜Summer Me, Winter Me
ファンキーなギターリフからはじまる「Can She Do It Like She Dances」が最高のパシフィック・ファンク。ジミー・ディーはグアム島で活動したシンガーで、あの島のAOR的な世界観をほぼひとりで体現したと言っていいでしょう。リゾートならではの開放的で適度に下世話なムードと70年代から80年代に切り替わるサウンドが絶妙に交錯してます。アルバムは数枚確認されてますが、これがAORファンにはいちばんのおすすめです。.
【曲目】Put The Blame On Mame / Swinging On A Star / My Gal’s Come Back / Playing The Field / Heart And Soul / Love Is A Many-Splendored Thing // Honeysuckle Rose / Isn’t It About Time / Wishing / As Long As I Live / I Didn’t Know About You / But Not For Me
素晴らし過ぎるバカラック・カヴァー「What The World Needs Now Is Love」収録した作品として一部で人気の一枚です。プロデュースしたのは、ジミー・ワイズナー。他のジャズ歌手がポップなレパートリーに走る中、かたくなにジャズソングにこだわり続けた彼だけに、やるからには徹底的にカッコよくしたというところでしょうか。「Alfie」もしっとりと情感豊か。.
収録曲・データ
【曲目】 I've Gotta Be Me / Over The Sun / Play It Again, Sam / Alfie / What The World Needs Now Is Love // Baby Don’t You Quit Now / That Night / They All Laughed / A Lonely Place / Whoever You Are, I Love You / Theme From” Valley Of The Dolls”【Producer】 Jimmy Wisner 【Arranger】 Torrie Zito
ローリング・ストーンズやアレックス・チルトンが敬愛したルイジアナのブルースマンのファーストアルバム。ストーンズがとりあげた「I’m A King Bee」などの顕著なシンプルながら心の芯をとらえる曲作り、とことんまでダウントゥアースなサウンド、それでいてヴォーカルには力みががなりがない不思議な色気が漂います。デビュー直前のNRBQとも交友があったそうです。.
70年代にはソウル界のスターとして大成しますが、60年代のデビュー直後にはピアニストとしてインストをやることもあったレオン・ヘイウッド。彼の記念すべきデビュー・アルバムは、その両面の魅力を記録した傑作です。A面は歌もの。B面はオルガンを弾きまくるソウルジャズ・インスト。タイトル曲は自作の泣けるグッドタイムソウル! 「Ode To Billy Joe」はつんのめるビートがかっこいいファンク・インストになってます! いよっ! ソウルの若武者!.
収録曲・データ
【曲目】Mercy, Mercy, Mercy / It’s Got To Be Mellow / Yesterday / I Can’t Stop Loving You / Nobody Knows You When You’re Down And Out / Tennessee Waltz // Ode To Billy Joe - Part 1 / Ode To Billy Joe - Part 2 / Cornbread And Buttermilk / Mercy, Mercy, Mercy / ‘Round Midnight
【曲目】Roll Me Easy / Just This One Time / You Might As Well Smile / Wishing Now / About The Ocean // Ocean In My Eyes / The Moon's A Harsh Mistress / I Keep It Hid / Adoration / It's A Sin【Producer】Jimmy Bowen【Arranger】Jimmy Webb
まろやかな歌声と隠し持ったジャズフィーリングで1960年前後に人気を博した男性シンガー。このアルバムではビロードのような歌声の魅力を存分に味あわせてくれるミドルテンポ〜バラード集。「There’s A Small Hotel」あたりでのひそやかなスイング感、やっぱり素敵ですね。そして「Blue Velvet」。引き込まれます。.
【曲目】Change Your Mind / Are You With Me / Love All Your Blues Away / Stop Me From Starting This Feeling / Learn To Love Again // Willow Weep For Me / We'll Be Together Again / The Way You Look Tonight / It Never Entered My Mind
すぐれたジャズドラマーでありつつ、シンガーとしての魅力も味わい深い。グラディ・テイトを歌でプッシュしたのがゲイリー・マクファーランドのSkyeレーベルでした。その時代の名唱をまとめた歌のベスト・アルバム。洗練されたバッキングで歌われる名曲の数々、男の渋みにおぼれたいと思います。「Suicide Is Painless」は必聴。.
【曲目】Hooray / My Ship / The End Of A Love Affair / You’re Gone / I Fall In Love Too Easily / Meditation // Nature Boy / Lost In The Stars / Fools Rush In / Poor Butterfly / What Now My Love
ウィリー・ネルソンのレアな初期シングル! テキサスに拠点を置いていた当時28歳のネルソンがナッシュヴィルに移住した時期のシングルです。Libertyからシングルを数枚リリースしながらも、まったくヒットに恵まれていなかった時期で、「Mr. Record Man」というタイトルにも成功への願いが表れているように感じます。今となっては貴重なシングル!.
「Strangers In The Night」の全米大ヒットで、シナトラここにありを宣言した、その翌年のアルバムです。ネルソン・リドルとの名コンビでお送りする本作は、全曲“お月様”に関係する曲ばかりを集めた好企画。ビッグバンド、ストリングスを曲によって使い分けながら、ゆったりと月明かりに照らされている気分をミドル〜スロー・テンポで表現します。シナトラの歌う「Moonlight Serenade」って、いいもんですね。.
収録曲・データ
【曲目】Moonlight Becomes You / Moon Song / Moonlight Serenade / Reaching For The Moon / I Wished On The Moon // Oh, You Crazy Moon / The Moon Got In My Eyes / Moonlight Mood / Moon Love / The Moon Was Yellow
70年代に入ってどんどんコンテンポラリーなサウンドにアップデートしてゆくジョニー・マティス。このアルバムでもメロウソウルの巨匠ジーン・ペイジをアレンジャーに迎え、芳醇なグルーヴに身を任せています。なにしろこのシルキーな歌声は天からの授かりもの! 「Begin The Beguine」はフリオ・イグレシアスのカヴァーの元になったヴァージョン! 「As Time Goes By」のようなスタンダードもすごく気持ちよい仕上がりです。.