77年に74歳の生涯を閉じたビング翁がまさに死の直前まで録音していたUK制作アルバム。死期を予感していたかのように選曲は一年と季節の移り変わりを描き出したものばかり。人生という大きなカレンダーですね。ファンキーな「On The Very First Day Of The Year」でもバック負けしていない意地はさすが! 聴き終えると涙が出ます。.
不倫ラブソングの決定盤「Me And Mrs. Jones」で大ヒットを飛ばす以前のビリー・ポールです。ギャンブル&ハフのプロデュースで制作したセカンド・アルバム。ファーストがライヴ盤(これも傑作!)だったので、スタジオ盤としてはこれが初。彼はソウル一直線の人ではなく、ジャズにも目配りを見せていて、その混ざり具合が「Mrs. Robinson」や「Everyday People」の奇跡的にかっこいいカヴァーに結実しています。「Psychedelic Sally」「Windy」などキラー連発。「Me And Mrs. Jones」でしか彼を知らない人にこそ聴いてほしい凄いアルバム!.
収録曲・データ
【曲目】Ebony Woman / Mrs. Robinson / Windmills Of Your Mind / Everyday People // Let’s Fall In Love All Over / Windy / Psychedelic Sally / Traces / Proud Mary
クライヴ・デイヴィスがAristaの社長に就任した際、前身のBellから継続して契約したのはメリサ・マンチェスターとバリー・マニロウだけだったとのこと。その強い信頼に応えたバリーの最大のヒット作。なんといってもディスコ・サンバの名曲「Copacabana」収録なんですが、じつはこの曲は全米チャートでは8位が最高。全米ナンバーワンにはなってないのですね(アルバムから最大のヒットは「Can’t Smile Without You」で3位)。しかし、しっかり時代を超えました。.
詩人でありSSWであり、憂いを帯びた存在そのものが人を魅了する人間であり続けたロッド・マキューン(マッケン)。制作はStanyanプロダクションですが、発売はBuddahという一枚。自作あり、カヴァーありですが、SSWとしてのスタンスが色濃く出た作品といえます。しゃがれた声で「Help Me Make It Through The Night」とか聴かされたら、たまんなくなります。.
グラミー賞を獲得した共演盤「An Evening With George Shearing And Mel Torme」(1982年)以来、折に触れて共演盤を残してきた達人ふたり。85年レコーディングの本作は、シアリングのピアノとトーメの歌のみという組み合わせ。ふたりを邪魔するものは何もありません。音楽だけの愉悦。.
【曲目】I May Be Wrong / Talking Is A Woman / Sh-h The Old Man's Sleeping / Don't Forget To Say "No" Baby / Casanova Cricket / A Man Could Be A Wonderful Thing / Put Yourself In My Place / A Tune For Humming // That's A Plenty / Gonna Get A Girl / For Everyman There's A Woman / Ten To One It's Tennessee / Coney Island Washboard / Some Days There Ain't No Fish / The Monkey Song / Rogue River Valley
ジャケット通り、心地よいサマーセーターのような歌声。若き日のジョニー・マティスのアルバムの良さを最近どんどん再発見しています。ネルソン・リドル楽団のビッグバンド&ストリングスで、ゆったりとスイングするタイトル曲「I'll Buy You A Star」や「Ring The Bell」の堂々としたスインガーぶりに、聴き惚れるしかありませんね。.
収録曲・データ
【曲目】I’ll Buy You A Star / Stairway To The Stars / When My Sugar Walks Down The Street / Magic Garden / Smile / Oh How I Try // Ring The Bell / Love Look Away / Sudden Love / The Best Is Yet To Come / Warm And Willing / My Heart And I
イーディ・ゴーメの旦那様スティーヴ・ローレンスには、いい男であることは間違いないんですが、どこかおっとりした優男なイメージがつきまといます。でも、のびのびとスイングさせたら、そのおおらかさはスターそのもの。「There'll Be Some Changes Made」のようなアップテンポだけでなく「Speak Low」の大きなスケール感にもご注目を。アレンジャーはもちろん彼らの盟友ドン・コスタ。.
1970年代から90年代にかけて多くの作品を残したブラジル人シンガー・ソングライター。サンバのフィーリングを70年代にうまく発展させたタイプのMPB。アルバムの数も多いので、ブラジルではこうしたサウンドがもっとも受け入れられやすかったのかもしれません。熱狂的に盛り上がるというよりクールな質感を持ち合わせているのがいいです。「Banho De Cerveja」や「Odoia」をぜひ聴いてください。.
死後に発売された編集盤のひとつですが、チャップリン作の超名曲「Smile」を中央に据え、ムーディーからアップまで、心が澄み渡り、頬が緩むようなナンバーばかりを揃えていて、とても人気があります。まるで彼の長いキャリアを振り返るような、人間の魅力というものをじっくり味わえる一枚でもあります。ビッグバンド・スイング・ファンには「Day In Day Out」を。.
収録曲・データ
【曲目】 When You’re Smiling / Again / I Found A Million Dollar Baby / A Handful Of Stars / Day In, Day Out / Smile // Three Little Words / Let’s Fall In Love / Just You, Just Me / When My Sugar Walks Down The Street / With A Little Bit Of Luck
レックス・ジャスパーが率いるピアノ・カルテットをバックに、軽快にスイングするヴォーカルを聴かせます。さらっといなせなヴォーカルのスマートなこと。そしてピアノの響きのリリカルなこと。低域から中域まで過不足無くなめらかでおだやかなヴォーカルに、ひととき身をまかせましょう。ハワイアン・クラシックを4ビートジャズにした「My Little Grass Shack」なんて悶絶間違いなし。オランダのジャズ・シンガーの地元マイナー・レーベルからの好盤です。.
収録曲・データ
【曲目】Takin' A Chance On Love / I've Tried / Sweet And Charming / I'm Lost / Doodle Dee Do / Around The World // My Little Grass Shack (In Kealakekua Hawaii) / I'm Shadowing You / We're Still Together / Here Comes That Blues Again / The End Of A Love Affair【Vocal】EDDY DOORENBOS【Piano】LEX JASPER【Guitar】 WIM OVERGAAUW【Bass】JOHN CLAYTON【Drum】HANS BETHS【Arranged】【Leader】 Lex Jasper
ジョニー・ブリストルのプロデュース。スリリングなグルーヴということではマリーナ・ショウのカヴァーともタメを張る「Feel Like Makin' Love」を収録する74年作品。楽曲面でもジョニー・ブリストルが大半を提供していて、ブラックなプリAORともいうべきサウンドを成立させています。これぞ極上のスムース・ソウル。とにかく歌が上手い!.
収録曲・データ
【曲目】Woman, Woman / Sail On White Moon / It's Gone / House For Sale / Feel Like Makin' Love / Memories Don't Leave Like People Do / Strangers In Dark Corners / Wendy / The Heart Of A Woman / The Way We Planned It
ピアニスト、シンガー、そしてソングライターとして最上級の粋人。レジェンダリーなファースト・アルバム「Devil May Care」の再発盤がこちら。オリジナルのA面、B面を入れ替え、ジャケもボブの発売年の76年の姿にしてあります。 2018年に94歳で逝去した才人に、愛と哀悼と敬意を込めて。.
収録曲・データ
【曲目】Charles Yardbird Parker Was His Name/Yardbird Suite / Baltimore Oriole / I Don't Mind / Devil May Care / Midnight Sun / Johnny One Note // Old Devil Moon / It Could Happen To You / I Had The Craziest Dream / You're The Dangerous Type / Ow / Polka Dots And Moonbeams
【曲目】Each Time We Say:"Hello" / Love Is In My Dreams / Louise / Just To Prove My Love / Sad Leavin' // Deep In The Heat Of The Night / Daisy / What's New / Happiness Is Loving You / Wild Willies Marango
1960年代からスウェーデンで活動し、79歳の今なお現役というジャズ・シンガー。アルバムの数もかなり多いですが、82年の本作は全曲英語詞で、ジャズ・スタンダードだけでなくジョン・レノンやスティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョンなども採り上げたことで、北欧ジャズの括りを越えたクロスオーヴァー的な妙味も生まれているという一枚。「Bird Of Beauty」は演奏もスリリング! ジョン・レノン「Woman」はじわりと心に染みます。.
収録曲・データ
【曲目】If I Were A Bell / Smile Again / Bird Of Beauty / Imagine / On A Clear Day // Time After Time / Goodbye Yellow Brick Road / Woman / Rocket Love / Just In Time
オズモンド・ブラザースのヤングなコーラスも最高なスパイラル・ステアケース「More Today Than Yesterday」のカヴァーを収録した傑作。A面を「Ballads」サイド、B面を「Not So Ballads」サイドに分けて、69年当時のヒット曲を気持ちよく歌っています。アル・キャップスの思いきりのいいアレンジが全体にハツラツとして瑞々しいフィーリングを与えています。最高!.
収録曲・データ
【曲目】My Cherie Amour / You Are / Yesterday I Was Young / Love Theme From Romeo And Juliet / Quentin’s Theme // Good Morning Starshine / Sweet Caroline / Get Together / More Today Than Yesterday / Put A Little Love In Your Heart / Aquaris〜Let The Sunshine In