突然変異的に素晴らしいオーシャンディスコ「Shimmie-Doo-Wah-Sae」で話題を呼んだ、ナイスなセンスのブリティッシュ名脇役ロッカーのサードアルバムです。ツボを押さえたポップセンスと、ツボからはみ出すやんちゃ心が生んだ、ロックの歴史には載らない名盤。タイトル曲もミディアムテンポで踊れてサイコウ!.
Shimmie-Doo-Wah-Sae.
Be Bop 'N' Holla.
Rhythm ‘N’ Jazz.70'sUKポップ大名盤「Second Flight」のUS盤。ヒットシングル「January」をA-1に配置し、ジャケットもUK盤とは異なる異色なイラストに。でもこのUS盤で実現した「Bad To Me」「You're Devotion」「You’re My No.1」と続くB面の流れがいいんですよ! イギリスからしか生まれえない純正UKハーモニー・ポップは一度はまると中毒になりますね。インスト曲「55° North 3° West」も気持ちが高揚します! かっこいいリフと突き抜けるように気持ちよいシンセ・グルーヴ!.
Bad To Me.
January.
55° North 3° West.クリフ・リチャードのバックで出発したシャドウズが発展したデュオに、新たにブルース・ウェルチが参加。オリヴィア・ニュートン・ジョンのソングライターとして成功するジョン・ファーラーが在籍。その存在は大きく、作品の質をぐっと押し上げてくれます。フォーキーなだけでなく、ハーモニーポップ〜ビートルポップなアプローチまで多彩! ジョージ・ハリスンっぽい「Lady of The Morning」や、アコースティック・メロウな「Thank heaven I’ve Got You」など、聞き捨てならない名曲揃い。ジャケはヒプノシスです!.
Lady Of The Morning.
Thank Heavens I’ve Got You.
Black Eyes.ストーンズの60年代のアルバムのなかでも語られにくい存在かもしれません。しかし、このアルバム、ある意味で、もっともブリティッシュな香りがします。US盤なので「Let’s Spend The Night Together」が1曲目で、「Yesterday’s Paper」を挟んで「Ruby Tuesday」。この導入で、UK盤とはずいぶん印象が変わります。US初期プレスは音が太い印象。「Yesterday’s Paper」もボトムがずんずんきます。.
Let’s Spend The Night Together.
Yesterday’s Paper.
Ruby Tuesday.ボウイにとって運命的なヒットとなったこの曲は2回シングルカットされています。こちらのカップリングは1973年。ジギー・スターダストの役割を終え、新たなキャラクターに移行する時期でしょうか。69年リリースのシングルでは短くエディットされていましたが、ここでは5分5秒とほぼ全尺収録です(その分音圧は低めですが)。.
Space Oddity.
The Man Who Sold The World.元アニマルズという肩書きがいらないほど本国イギリスではソロ・パフォーマーとしての名声が定着していたアラン・プライス。ロンドンのロイヤリティシアターで行なったコンサートを2枚組で収録したライヴ盤です。なんとこれ、テレビ中継もされたんだそうですよ。いろいろと名曲は多いんですが、「Simon Smith And The Amazing Dancing Bear」そして「Poor People」が続けて演奏される瞬間にはアドレナリンがあがりました!.
Simon Smith And The Amazing Dancing Bear.
Poor People.
In Times Like These.ポール・マッカートニー直系のポップ・センスと、ジョン・レノン的な繊細さを兼ね備えた才人。70年代後半に大ブレイクしますが、ハンブルバムズとスティーラーズ・ホイールの間に発表されたファースト・ソロは、まさに珠玉という言葉がふさわしいSSWアルバムです。パワーポップとパブロックの隙間に咲いたこの花、けれん味もなく、素敵です。.
Mr. Universe .
Make You, Break You.
New Street Blues.ロイ・ウッドに敬礼! ポップスに対する敬愛を架空のオールディーズバンドの姿を借り、存分に発揮。ロックンロール+スペクターな内容、メロディ、なんと音質の悪さ(!)にまでこだわり、しかも、彼の仕事と確実にわかるコーラスアレンジと、くすぐられまくりの大傑作! フェイクだからこそ愛をストレートに告白出来るというのが、ひねくれ者の真理! ゴッドフリー・ダニエルやマザーズの「Ruben & The Jets」好きには絶対に推薦!.
You Got Me Runnin’.
Crazy Jeans.
This Is The Story Of My Love (Baby).80年代のソロ作がAORファンに人気で、オリヴィア・ニュートン・ジョンの作曲家/プロデューサーとしても成功したジョン・ファーラーが元シャドウズのハンク・マーヴィンと組んだSSWデュオ。アメリカのフォーキーなサウンドをベースとしていて、ランバート&ナッティカム、CSNY、ギャラガー&ライルあたりに通じるサウンド。でも、性根はイギリス生まれのくすみと、ほどよく暖かい感じ。ちょいビートル風味もあり。.
Music Makes My Day.
Love Oh Love.
Help Me Onto Your Wagon.第二期アニマルズのラストアルバム。この時期のメンバーにはズート・マネー、アンディ・サマーズ(のちにポリスに加入)らが参加。アメリカのヒッピー/サイケ・ムーヴメントに強く影響を受けたドラマチックなサウンドで、新しい時代のR&Bを模索していました。LP2枚組の本作は、まさにそのコンセプトの最終地点。コンセプチュアルであるというより、時代を荒々しく削り取ったような雰囲気が濃厚です。.
River Deep, Mountain High.
Ring Of Fire.
Gemini - The Madman.スキャフォルドがヒットさせた「Thank U Very Much」をもうちょっとブリティッシュビート風に寄せてカヴァーしたシングルです。奇しくもビートルズのレーベルと同じ名前だったせいか、これ1枚でキャリアを終えたグループでした。B面なんてナイスなソフトポップなのに。.
Thank U Very Much.
Your Heart Is Free Just Like The Wind.シアトリカルなグラムロックといえば彼ら。あらためて聴くと、グラムというより同時代のキンクスがやっていたようなロックオペラ的世界にも近いんですよね。リーダーのスティーヴ・ハーレイのクセの強いキャラクターも含めて、日本では結構な人気がありました。これがファーストアルバム。邦題は「美しき野獣の群れ」でした。.
Hideaway.
Muriel The Actor.
Crazy Raver.ニッキー・ホプキンス、ジョン・マーク(マーク=アーモンド)らが在籍していた英国ロックの名盤。ジャケットの少し黄昏た雰囲気が見事に彼らの音を表していると言えるでしょう。一聴してホプキンスの音とわかる手数の多いピアノやオルガンが、軽やかにアルバム中を跳ね回っています。派手さはないものの、少し幻想的な風情もある味わい深さが格別の1枚です。オリジナル・リリースは1969年で、メンバーの知名度が上昇したのであらためて再発された盤です。.
Dealer.
Jenny.
Sweet Francesca.「Lola」の大ヒットでアメリカのポップチャートにも返り咲いたキンクスが続けてリリースしたシングルは、なんともコミカルで皮肉たっぷりな類人猿の歌! これをヒットさせてしまうんだから、さすがレイ・デイヴィス! のちにカリプソ・タッチでセルフカヴァーもしてましたね。モノラルミックスです。.
Apeman.
Rats.10ccから分裂し、初期は自ら開発したエフェクト装置「ギズモ」を駆使した実験的な音像の作品をリリース。やがては映像作家として80年代屈指のクリエイターとなってゆきます。そんな彼らの分裂後最初のヒット作。ポップさとストレンジさを絶妙に共存させ、10ccのアナザーサイドを見事に発展させました。.
An Englishman New York.
Mugshots.
Get Well Soon.ジェフ・ベック・グループが参加したファンキーなタイトル曲にはゾクゾク! 「Sunshine Superman」など大ヒットを連発していた時期でもあり、このアルバムでもドノヴァンは、ドリーミーな吟遊詩人ではなくフォーキーでサイケデリックなロックミュージシャンです。グッドタイミーな佳曲「I Love My Shirt」もお忘れなく! ドノヴァンはイギリス人ですが、この時期はUS Epic盤がオリジナルです。.
Barabajagal.
I Love My Shirt.
Superlungs My Supergirl.元ハード。そして70年代後半、ライブ盤「Frampton Comes Alive」で全世界を席巻した彼が、事実上のセカンドソロとしてリリースしたアルバム。バンド名義になっています。当時まだフランプトンは23歳。若い情熱を巧みなソングライティングで表現しています。キーボードで参加しているのは、のちにイアン・デュリー&ザ・ブロックヘッズのメンバーになるミッキー・ギャラガー。彼の音色、とてもよいです。.
All Night Long.
Don’t Fade Away.
Do You Feel Like We Do.カート・ベッチャー&ブルース・ジョンストンのプロデュース(カートはエンジニアリングも手掛けています)。ジョージ・カヤナスの相棒であったフィル・ピケットがバンドを離れていた時期に制作されたアルバムということもあって、ふたりの才人の手引きは心強かったでしょう。オーヴァー・プロデュースにならず、セイラーらしさがちゃんとある一枚に。でもコーラス・アレンジやディスコ趣味にはカート・ベッチャーの気配が。USでの発売はありませんでした。.
Stay With Me Now.
Romance.
My Girl (She Knows What To Do).ボビー・ウーマック、チャーリー・ワッツ、イアン・マクレガン、ニッキー・ホプキンス、カーマイン・アピスら豪華メンバーがバックアップした1981年作。メンフィスソウル+AORな「Fountain Of Love」最高ですね! 傑作セカンド「Now Look」お好きな方はぜひ! ストーンズのメンバーとしても定着した時期ですので、もちろんロックンロールナンバーもバッチリです。.
Fountain Of Love.
Redeyes.
1234.ロッド・スチュワート「セイリング」のオリジネーターとしても有名な彼らですが、イギリス的なくもりとウェストコースとへの憧れをうまく調和させたサウンドは、どの作品でも安定のよさ。時代を反映してシティポップ感覚を増してきた本作も、とてもいいのです。すごくおしゃれなわけじゃないけど気が利いてて、70年代ポップス好きの琴線に触れるのです。.
Dark Powers.
Something’s Burning.
Slipstream.ジョージ・ハリソンが自らのレーベルDark Horseで送り出した男性デュオ。ジョージがプロデュースし、全面的にバックアップしているのでバックアップメンバーはやたら豪華ですが、内容はギャラガー&ライルなどが好きな人に最適の秋色サウンド。ポップさとスワンプ色の入り交じってほろ酔いです。.
Gravy Train.
China Light.
Elly-May.ご存じイギリスのひねくれ系ロックバンドの名作。ドリーミーなセカンドアルバム「Friendliness」が人気ですが、このサードも良いですよ。パイロット的なポップ性を身につける一方で、南米的メロディが印象的な大名曲「The Road To Venezuela」なんかがあったり。もっと見直し、聴き直されるべき1枚。.
Fundamentally Yours.
The Road To Venezuela.
Pinafore Days.プラスティック・ペニーは1960年代後半のイギリスで活動したフォークロック/ソフトロック・グループ。2枚アルバムを残し、こちらがファースト。第二期マンフレッド・マンや「Village Green」期のキンクスにも通じるフォーキーなサウンドと、重たくうねるサイケデリアが共存。その混ざり合いがイギリスっぽいです。アソシエイションやビートルズ、ディランをまっすぐにカヴァーする若さも好感。.
Everything I Am.
Strawberry Fields Forever.
Mrs. Grundy.デカダンス的なムードで今なおカルト人気を誇る才能です。毒気に満ちたルパート・ホルムズとでもいうようなシアトリカルな世界観が展開されています。これはセカンド・アルバム。くすんだディスコポップ「Top Ten Sexes」あたりは今聴くとまたすごくいいですね。.
Top Ten Sexes.
Lullaby.
Casting For Love.オールドタイムなコメディ色が強かったファーストから、一気にポップに。名前から「ドゥーダー」も外されました。そしてソングライター、ニール・イネスのビートリーな作曲才能が大胆に開花した傑作が詰まっています。ロジャー・ラスキン・スピア作のクレイジーなナンバーで、アメリカのロックマガジンの名前にもなった「Trouser Press」も収録です!.
Beautiful Zelda.
Hello Mabel.
Trouser Press.オリジナルはブルース・スプリングスティーン。それをイギリスのマンフレッド・マンズ・アース・バンドがファンタジックなブリティッシュ・ポップとしてリメイク! 70年代にFENなどラジを通じてこの曲を知った人も多いのでは。3分38秒のシングルエディットです。.
Blind By The Light.
Starbird No.2.繊細な歌心が長く支持されている名作ファーストに続くセカンド。近未来を舞台に、いかにも英国人らしいSFコンセプチュアルな感覚を前面に押し出したモダンポップSSW作品。マーク・ワーツが70年代にSSWモードで出したソロアルバムあたりに近い感じもあります。モダンポップ・ファンは注目を。「Under The Boardwalk」カヴァーには驚き。.
Amanda In A Silver World.
Under The Boardwalk.
Solitary Sing Song.簡単に言うと、ボンゾ・ドッグ・バンドとリヴァプール・シーン、スキャフォルド周辺人脈によるポエトリーと音楽のユニット。彼らの結成を記念してリヴァプールとロンドンで行なわれたライヴをパッケージしたファーストアルバム。英語がわからなくても、この磁場から発せられる強烈なギャグ臭気は感じ取れますし、ニール・イネス、ズート・マネーらが取組んだ音楽も面白いです。「Short Blues」どれくらい短いか、是非試聴を。Aラスではイネスがボンゾ時代に発表した「Humanoid Boogie」がライヴで聴けます。.
Interruption At The Opera House (Part 1).
Short Blues.
Humanoid Boogie.Manticoreはプログレの雄ELPのレーベルですが、この人にはそういう匂いはほとんどありません。これ以前にRCA、B&Cからソロ作3枚をリリース。軽やかさのなかに英国的なくぐもりと繊細さを持つ音楽性を育んできました。プロデュースがピート・シンフィールドとグレッグ・レイク、イアン・マクドナルド、イアン・ウォーレス、メル・コリンズ参加とELPというより歴代のキング・クリムゾン人脈の関わりが大きいですね。ひ弱な「My Girl」カヴァーがいいです。UK盤とはジャケ違い。.
Brighter Day.
Lover’s Cabaret.
My Girl.1969年にアンブローズ・スレイドとしてデビュー。下町派グラムロックとでもいうべき音楽性でイギリス人に愛されました。この曲が初の全英ナンバーワンですが、アメリカではトップ100にかすりもせず。憎めない、すごくいい曲なんですよ。.
Coz I Love You.