いくら褒めても褒めたり無いブルーアイドソウルAOR大傑作「If I Were You」を収録。南部白人音楽が、スムースに黒人音楽と溶け合うことを実証しています。南部産AORの頂点を記録した作品。4人組のグループだったのですが、この時点で3人がバンドを去り、残ったバルデ・シルヴァがバンド名「トビー・ボー」を引き継いでいます。彼らのサードアルバムにしてAORファン必携作!.
70年代前半のボズはアーシーさとシティ・ポップ・センスが交錯したサウンドを作り出しています。ジョニー・ブリストル・プロデュースの出世作「Slow Dancer」の前作にあたるのがこちら。サンフランシスコとマッスル・ショールズでのレコーディング。「Hello My Lover」からアラン・トゥーサンの「Freedom For Stallion」カヴァーにはニューオリンズ趣味の流れも。.
「ふられた気持ち」以前。黒人たちが彼らのあまりのソウルフルな迫力に「お前たちのことを認めたぜ、ブラザー!」(すなわちライチャス・ブラザーズの語源)と叫んでいた時代のアルバムです。これがセカンド・アルバム。レイ・チャールズがふたりいるような「This Little Girl Of Mine」のモーレツさにぶったまげますね! こんな時代の彼らこそ、今体験されるべき!.
収録曲・データ
【曲目】Baby, What You Want Me To Do / My Tears Will Go Away / Fannie Mae / I Just Want To Make Love To You / Something's Got A Hold On Me // This Little Girl Of Mine / Try To Find Another Man / Night Owl / Bring Your Love To Me / For Your Love
ライチャス・ブラザーズをいったん解消してから彼が制作したソロ・アルバムは、熱心なライチャス・ファンの方々にしかあまり聴かれていないというのが実情でしょう。しかし、ハーブ・アルパートのプロデュースで、パリとロスにてレコーディングされたこのA&M盤を聴いて、心から今そのことを後悔しています。彼が歌う「We’ve Only Just Begun」のあまりに奥の深い表現力、ピアノだけをバックに始まる「ふられた気持ち」のドラマチックさ……。これぞMORの極北の表現かもしれません。素晴らしい!.
収録曲・データ
【曲目】A Song For You / Hung On You / Somewhere / We’ve Only Just Begun // You’ve Lost That Lovin’ Feeling / The Long And Winding Road / So Much Love / Damn Good Friend
1971年の全米4位の大ヒット「Don't Pull You Love Out(恋のかけひき)」で知られるトリオ。ソングライター・コンビのランバート&ポッターが目指した70年代型Dunhillサウンドの理想はおそらく彼らにあったと思います。目立つヒット曲がないためスルーされがちなセカンド・アルバムですが、タイトル曲をはじめ男のせつなさをグッドメロディに落とし込んだ最高のブルーアイドソウル・ナンバー多数です。「明日に架ける橋」と「君の友だち」のミックスカヴァーもいい!.
たとえばキング・ハーヴェストの「Dancing In The Moonlight」とかと並ぶ70年代ブルーアイドソウルの名曲として名高い「How Long」収録のアルバム。ほとんどの曲を書いたポール・キャラックの資質が全開で、あらためてそのソウル度数の高さに驚いているところです。知的なユニットになってしまう前のスティーリー・ダンとも通じる部分も発見。.
ファーストアルバムの中心人物だったアル・クーパーが脱退し、カナダからブルーアイドソウル系ヴォーカリスト、デヴィッド・クレイトン・トーマスを迎えて新生を図ったセカンドアルバム。このメンバー変更が大正解でした。カヴァーされまくった「Spinning Wheel」や「You've Made Me So Very Happy」など大ヒット連発。彼らがカヴァーするローラ・ニーロ「And When I Die」も今聴くと新鮮です。.
モッズ定番「You Can’t Sit Down」収録! フィラデルフィアのブルーアイドソウル・グループ、ザ・ダヴェルズ。そこから独立したレン・バリーが「1-2-3」を全米大ヒットさせたタイミングでリリースされたダヴェルズ時代〜独立直後のソロ曲のベストアルバムです。便乗盤ですが、若き日の彼の足跡を知るには最適な1枚。.
収録曲・データ
【曲目】Hearts Are Trump / Don’t Come Back / Havin’ A Good Time / Lockin’ Up My Heart / Save Me Baby / Miss Daisy De Lite // Little White House / Jim Dandy / Bristol Stomp / You Can’t Sit Down / Betty In Bermudas / 36-22-36
その全盛時のライヴでは、花道に彼の汗を浴びるために女性ファンが詰め寄ったという英国きってのダイナマイト・ソウルシンガー。男臭いけどすかっとした、後腐れゼロの歌声の魅力はいまもばっちり伝わります。ここでもタイトル曲や「If I Promise」あたりの男気が“さすが”。なにしろバカラックも「007」も認めた表現力ですから!.
もともとアトランタのローカル・グループだった若者たちを、デニス・ヨストの美声でバディ・ビューイ&ジミー・コブの楽曲を聴かせるためのプロジェクトにしたというのが、クラシックス・フォー。さらにデニスの存在を前に押し出した時期のアルバムです。B.J.トーマスにも通じる味わいの良質ポップス/ブルーアイドソウルが詰まっていますよ。「We Miss You」や、そのB.J.も歌った「Most Of All」など聴かずに済ますのは惜しいです。.
「Ain't Nothin' But A House Party」で有名なフィリーのソウルグループとは同名ですが、こちらはニューヨークの白人たち。しかもこちらのほうがキャリアは前。66年に2枚だけシングルをリリースして解散しています。プロデュースはジョン・ハモンドとチャーリー・カレロ。ノーザンソウルなA面、フォークロック/ソフトロックなB面、個性がバラバラなのが60年代らしさでもありました! 両面ともすごくいい曲です!.
【曲目】Bye Bye Now, My Sweet Love / Takin' Me Back / It's Really You / We Believe In Love / Maybe I'm Right // I Can Hear Love / Set The Minstrel Free / Magic Still Runs Through Your Head / Capital Shame / Easier For You
1963年の全米ナンバーワン「Sugar Shack」の大ヒットでポップス史に名を残すグループ。ワンヒットワンダー的なイメージですが、67年にこのアルバムのタイトル曲でもある「Bottle Of Wine」が全米9位に。活動歴も1950年代末からで意外と長いのです。ブルーアイドソウルとソフトロックの狭間にある立ち位置。いい曲多くてびっくりです。.
もともとはジェリー・ロスの後押しでデビューしたブルーアイド・ソウル・グループ。2枚あるアルバムは何故かどちらも「The Mob」というグループ名のみ。自分たちのサウンドを体現したタイトルはグループ名だけという自負があるんでしょうか。本作が4年ぶりのセカンドにしてラスト。プロデュースはボーンズ・ハウ。デビュー当時よりもぐっとメロウ度ファンク度ともに増した音になってます。ネッド・ドヒニーの「Get It Up For Love」やバリー・マン作「When You Get Right Down To It」などカヴァーも最高。.
収録曲・データ
【曲目】All The Dudes Are Dancing / Get It Up For Love / S.Y.A. / Hot Music / Rock And Roller // Can't Stop This Love Song / When You Get Right Down To It / Magical Lady / Just One Good Woman / Who's Foolin' Who?
ラスカルズの中心だった彼のソロ3作目。Bearsvilleでの前2作でのロックっぽさに比べ、素直にホワイトソウルに近づいた傑作です。ウィル・リー、スティーヴ・ジョーダンら、NYのスタジオミュージシャンが作り上げる、都会的なグルーヴが全編を覆う心地良い一枚。「Good To Have Love Back」「Castles In The Air」や「Dancin’ The Night Away」あたりの爽快なAORサウンドに心奪われます。60年代から真性ブルー・アイド・ソウルを歌い続けてきた彼の豊潤な音楽センスと歌声は、やはり無視できません。.