今のリスナーにはケニー・ヴァンスが在籍したグループと説明したほうがわかりいいかもしれません。ニューヨークのオールディーズを60年代ポップスに橋渡しした重要な存在。初期のホワイト・ドゥーワップ的な魅力から、よりビート感、ソフトロック感を増したサウンドへと移行してきた名作です。メンバー自作のタイトル曲や「Over The Mountain」などソフトロックのファンにも聴いてほしい曲もいっぱい!.
70年代前半のボズはアーシーさとシティ・ポップ・センスが交錯したサウンドを作り出しています。ジョニー・ブリストル・プロデュースの出世作「Slow Dancer」の前作にあたるのがこちら。サンフランシスコとマッスル・ショールズでのレコーディング。「Hello My Lover」からアラン・トゥーサンの「Freedom For Stallion」カヴァーにはニューオリンズ趣味の流れも。.
【曲目】Being Here With You / Drink My Water / Sweet Summer Music / Let's Talk Turkey / Foster's Frees / Turning In Space // Change / In A Stranger's Arms / Manual Dexterity / Promise Me The Moon / Good News【Bass】【Lead Vocals】【Backing Vocals】Paul Stallworth【Drums】Percussion】【Backing Vocals 】Jim Keltner【Guitar】【Lead Vocals】【Backing Vocals】Danny Kootch【Keyboards】【Synthesizer】【Backing Vocals】David Foster
英国ブルーアイドソウルの裏方として数々の名作を残すソングライター二人組の唯一にして最強メロウな1枚。フェンダーローズが甘く揺れるA-1「Let's Put Our Love Back Together」からして最高です。ブラウンスミスあたりが好きな人はピッタリ。夕暮れ時に聴いたらたまらない「Don't Go Away」もおすすめ。洗練された感覚にノーザンソウル流のハーモニーも冴える、これぞ逸品!.
AOR/ブルーアイドソウルに欠かせないバックシンガーであったデヴィッド・ラスリーのセカンド。いまとなっては第プロデューサーとなったドン・ウォズの初期プロデュース作です。80s仕立てのドゥーワップ「Next Time」が最高! ティモシー・シュミットの「So Much In Love」と続けて聴きたいです。デジタルメロウな「Saved By Love」など、良い曲多し!.
収録曲・データ
【曲目】It's A Cryin' Shame (Sha La La La La) / Afterglow / Oh / Where Does That Boy Hang Out / Euripides Meets The Shangri-Las // Next Time / Saved By Love / Johnny Where Did Your Girlfriend Go / Don't Smile At Me ... I Already Know / Raindance
スマッシュ・ヒットした「心の中まで(Hooked On A Feeling)」収録の68年作品。「雨に濡れても」で世界的に注目される直前で、アルバムとして注目されにくい時期の一枚ですが、チップス・モーマンの懐深いプロデュースが冴える隠れた名作と言っていいでしょう。渋味に溢れた「ハートに火を付けて」「煙が目にしみる」のカヴァーなど、じんわりと深く胸の奥まで染み入ります。.
収録曲・データ
【曲目】The Eyes Of A New York Woman / Mr. Businessman / Light My Fire / Gone / Hooked On A Feeling // Smoke Gets In Your Eyes / Four Walls / Sandman / I've Been Down This Road Before / I Saw Pity In The Face Of A Friend
UK出身ながら世界的な成功を手にしたブルーアイドソウル・バンドのAtlantic最終作。当時最先鋭の音作りを行なっていたバハマのコンパスポイントスタジオでのレコーディングで、歯切れのいい洗練されたサウンドを作り出しています。レゲエ風味アレンジの「Walk On By」や「When You’ll Be Mine」はアメリカよりもむしろイギリスでダンスヒットしました。もともと彼らの本国はイギリスなので凱旋的!.
ライチャス・ブラザーズをいったん解消してから彼が制作したソロ・アルバムは、熱心なライチャス・ファンの方々にしかあまり聴かれていないというのが実情でしょう。しかし、ハーブ・アルパートのプロデュースで、パリとロスにてレコーディングされたこのA&M盤を聴いて、心から今そのことを後悔しています。彼が歌う「We’ve Only Just Begun」のあまりに奥の深い表現力、ピアノだけをバックに始まる「ふられた気持ち」のドラマチックさ……。これぞMORの極北の表現かもしれません。素晴らしい!.
収録曲・データ
【曲目】A Song For You / Hung On You / Somewhere / We’ve Only Just Begun // You’ve Lost That Lovin’ Feeling / The Long And Winding Road / So Much Love / Damn Good Friend
1971年の全米4位の大ヒット「Don't Pull You Love Out(恋のかけひき)」で知られるトリオ。ソングライター・コンビのランバート&ポッターが目指した70年代型Dunhillサウンドの理想はおそらく彼らにあったと思います。目立つヒット曲がないためスルーされがちなセカンド・アルバムですが、タイトル曲をはじめ男のせつなさをグッドメロディに落とし込んだ最高のブルーアイドソウル・ナンバー多数です。「明日に架ける橋」と「君の友だち」のミックスカヴァーもいい!.
たとえばキング・ハーヴェストの「Dancing In The Moonlight」とかと並ぶ70年代ブルーアイドソウルの名曲として名高い「How Long」収録のアルバム。ほとんどの曲を書いたポール・キャラックの資質が全開で、あらためてそのソウル度数の高さに驚いているところです。知的なユニットになってしまう前のスティーリー・ダンとも通じる部分も発見。.
モッズ定番「You Can’t Sit Down」収録! フィラデルフィアのブルーアイドソウル・グループ、ザ・ダヴェルズ。そこから独立したレン・バリーが「1-2-3」を全米大ヒットさせたタイミングでリリースされたダヴェルズ時代〜独立直後のソロ曲のベストアルバムです。便乗盤ですが、若き日の彼の足跡を知るには最適な1枚。.
収録曲・データ
【曲目】Hearts Are Trump / Don’t Come Back / Havin’ A Good Time / Lockin’ Up My Heart / Save Me Baby / Miss Daisy De Lite // Little White House / Jim Dandy / Bristol Stomp / You Can’t Sit Down / Betty In Bermudas / 36-22-36
その全盛時のライヴでは、花道に彼の汗を浴びるために女性ファンが詰め寄ったという英国きってのダイナマイト・ソウルシンガー。男臭いけどすかっとした、後腐れゼロの歌声の魅力はいまもばっちり伝わります。ここでもタイトル曲や「If I Promise」あたりの男気が“さすが”。なにしろバカラックも「007」も認めた表現力ですから!.
【曲目】Bye Bye Now, My Sweet Love / Takin' Me Back / It's Really You / We Believe In Love / Maybe I'm Right // I Can Hear Love / Set The Minstrel Free / Magic Still Runs Through Your Head / Capital Shame / Easier For You
1963年の全米ナンバーワン「Sugar Shack」の大ヒットでポップス史に名を残すグループ。ワンヒットワンダー的なイメージですが、67年にこのアルバムのタイトル曲でもある「Bottle Of Wine」が全米9位に。活動歴も1950年代末からで意外と長いのです。ブルーアイドソウルとソフトロックの狭間にある立ち位置。いい曲多くてびっくりです。.
ラスカルズの中心だった彼のソロ3作目。Bearsvilleでの前2作でのロックっぽさに比べ、素直にホワイトソウルに近づいた傑作です。ウィル・リー、スティーヴ・ジョーダンら、NYのスタジオミュージシャンが作り上げる、都会的なグルーヴが全編を覆う心地良い一枚。「Good To Have Love Back」「Castles In The Air」や「Dancin’ The Night Away」あたりの爽快なAORサウンドに心奪われます。60年代から真性ブルー・アイド・ソウルを歌い続けてきた彼の豊潤な音楽センスと歌声は、やはり無視できません。.