たとえばキング・ハーヴェストの「Dancing In The Moonlight」とかと並ぶ70年代ブルーアイドソウルの名曲として名高い「How Long」収録のアルバム。ほとんどの曲を書いたポール・キャラックの資質が全開で、あらためてそのソウル度数の高さに驚いているところです。知的なユニットになってしまう前のスティーリー・ダンとも通じる部分も発見。.
ファーストアルバムの中心人物だったアル・クーパーが脱退し、カナダからブルーアイドソウル系ヴォーカリスト、デヴィッド・クレイトン・トーマスを迎えて新生を図ったセカンドアルバム。このメンバー変更が大正解でした。カヴァーされまくった「Spinning Wheel」や「You've Made Me So Very Happy」など大ヒット連発。彼らがカヴァーするローラ・ニーロ「And When I Die」も今聴くと新鮮です。.
アヴェレージ・ホワイト・バンドやゴンザレスと並ぶUKブルーアイド・ファンクの名グループ。これがファースト・アルバムです。イギリス白人によるフィリーソウルへの憧れ。しかし、さすがUK歴戦のメンバーというか、リズムは重たく、乾いていて、そのソリッドな感じがサウンドに独自の魅力を与えています。A-1「Use Your Imagination」かっこいいですねえ。.
収録曲・データ
【曲目】Use Your Imagination / Little Girl / That's Enough / Rise And Shine // Without Me / Do It Right / Angel Love / Happy Birthday / Feelin' Good
モッズ定番「You Can’t Sit Down」収録! フィラデルフィアのブルーアイドソウル・グループ、ザ・ダヴェルズ。そこから独立したレン・バリーが「1-2-3」を全米大ヒットさせたタイミングでリリースされたダヴェルズ時代〜独立直後のソロ曲のベストアルバムです。便乗盤ですが、若き日の彼の足跡を知るには最適な1枚。.
収録曲・データ
【曲目】Hearts Are Trump / Don’t Come Back / Havin’ A Good Time / Lockin’ Up My Heart / Save Me Baby / Miss Daisy De Lite // Little White House / Jim Dandy / Bristol Stomp / You Can’t Sit Down / Betty In Bermudas / 36-22-36
その全盛時のライヴでは、花道に彼の汗を浴びるために女性ファンが詰め寄ったという英国きってのダイナマイト・ソウルシンガー。男臭いけどすかっとした、後腐れゼロの歌声の魅力はいまもばっちり伝わります。ここでもタイトル曲や「If I Promise」あたりの男気が“さすが”。なにしろバカラックも「007」も認めた表現力ですから!.
もともとアトランタのローカル・グループだった若者たちを、デニス・ヨストの美声でバディ・ビューイ&ジミー・コブの楽曲を聴かせるためのプロジェクトにしたというのが、クラシックス・フォー。さらにデニスの存在を前に押し出した時期のアルバムです。B.J.トーマスにも通じる味わいの良質ポップス/ブルーアイドソウルが詰まっていますよ。「We Miss You」や、そのB.J.も歌った「Most Of All」など聴かずに済ますのは惜しいです。.
ジェリー・ロスがプロデュースした東海岸系の素晴らしいブルーアイドソウル・バンド! スカ的なリズムを採り入れた「I've Been Hurt」「May I」がヒット曲です。オリジナルより軽快な仕上がりな「Soulful Strut」や、猛烈なグルーヴの「Touch Me」(ドアーズ)、グリニッチヴィレッジ系シャッフルの超名曲「Are You Ready For This」あたりは、ダサいルックスを裏切る出来映えです!.
「Ain't Nothin' But A House Party」で有名なフィリーのソウルグループとは同名ですが、こちらはニューヨークの白人たち。しかもこちらのほうがキャリアは前。66年に2枚だけシングルをリリースして解散しています。プロデュースはジョン・ハモンドとチャーリー・カレロ。ノーザンソウルなA面、フォークロック/ソフトロックなB面、個性がバラバラなのが60年代らしさでもありました! 両面ともすごくいい曲です!.
【曲目】Bye Bye Now, My Sweet Love / Takin' Me Back / It's Really You / We Believe In Love / Maybe I'm Right // I Can Hear Love / Set The Minstrel Free / Magic Still Runs Through Your Head / Capital Shame / Easier For You
1963年の全米ナンバーワン「Sugar Shack」の大ヒットでポップス史に名を残すグループ。ワンヒットワンダー的なイメージですが、67年にこのアルバムのタイトル曲でもある「Bottle Of Wine」が全米9位に。活動歴も1950年代末からで意外と長いのです。ブルーアイドソウルとソフトロックの狭間にある立ち位置。いい曲多くてびっくりです。.
もともとはジェリー・ロスの後押しでデビューしたブルーアイド・ソウル・グループ。2枚あるアルバムは何故かどちらも「The Mob」というグループ名のみ。自分たちのサウンドを体現したタイトルはグループ名だけという自負があるんでしょうか。本作が4年ぶりのセカンドにしてラスト。プロデュースはボーンズ・ハウ。デビュー当時よりもぐっとメロウ度ファンク度ともに増した音になってます。ネッド・ドヒニーの「Get It Up For Love」やバリー・マン作「When You Get Right Down To It」などカヴァーも最高。.
収録曲・データ
【曲目】All The Dudes Are Dancing / Get It Up For Love / S.Y.A. / Hot Music / Rock And Roller // Can't Stop This Love Song / When You Get Right Down To It / Magical Lady / Just One Good Woman / Who's Foolin' Who?
「ふられた気持ち」以前。黒人たちが彼らのあまりのソウルフルな迫力に「お前たちのことを認めたぜ、ブラザー!」(すなわちライチャス・ブラザーズの語源)と叫んでいた時代のアルバムです。これがセカンド・アルバム。レイ・チャールズがふたりいるような「This Little Girl Of Mine」のモーレツさにぶったまげますね! こんな時代の彼らこそ、今体験されるべき!.
収録曲・データ
【曲目】Baby, What You Want Me To Do / My Tears Will Go Away / Fannie Mae / I Just Want To Make Love To You / Something's Got A Hold On Me // This Little Girl Of Mine / Try To Find Another Man / Night Owl / Bring Your Love To Me / For Your Love
ラスカルズの中心だった彼のソロ3作目。Bearsvilleでの前2作でのロックっぽさに比べ、素直にホワイトソウルに近づいた傑作です。ウィル・リー、スティーヴ・ジョーダンら、NYのスタジオミュージシャンが作り上げる、都会的なグルーヴが全編を覆う心地良い一枚。「Good To Have Love Back」「Castles In The Air」や「Dancin’ The Night Away」あたりの爽快なAORサウンドに心奪われます。60年代から真性ブルー・アイド・ソウルを歌い続けてきた彼の豊潤な音楽センスと歌声は、やはり無視できません。.
【曲目】Sailfish / Still I Wonder / You / Lookin' For A Girl / Get It Straight // I Know You're In There / Sonya / I Can't Leave The City / All The Time / Faded Satin Lady
1971年の全米4位の大ヒット「Don't Pull You Love Out(恋のかけひき)」で知られるトリオ。ソングライター・コンビのランバート&ポッターが目指した70年代型Dunhillサウンドの理想はおそらく彼らにあったと思います。目立つヒット曲がないためスルーされがちなセカンド・アルバムですが、タイトル曲をはじめ男のせつなさをグッドメロディに落とし込んだ最高のブルーアイドソウル・ナンバー多数です。「明日に架ける橋」と「君の友だち」のミックスカヴァーもいい!.