ハンガリー生まれのジャズ・ギタリストとして60年代にフランス録音のアルバムを二枚残しているこの人。実はもともとの手習いはヴァイオリンでした。Flying Dutchmanの傍系としてボブ・シールが立ち上げたレーベルで、NYの腕利きたちとモダンなバックで録音した本作は基本がエレクトリック・ヴァイオリン。でも機械的じゃない、なまめかしくて色っぽい音です。一曲ギター。タイトル曲「I Love You」の見事なボッサに時を忘れそう。.
ファーストアルバム。リチャード・ティー、ウィル・リー、スティーヴ・ガッドらNYのトップ・ミュージシャンたちを従えて、ナイーヴな青年の心模様を描き出しています。タイトル曲あたりの都会的なグッドタイム感も人気の秘密です。ジョン・ピザレリみたいなスイング・ナンバーB-3「Straighten Up And Fly Right」も最高! .
収録曲・データ
【曲目】'71 / Regina / So Many Sides / As The Time Flies // Complicated Times / I Know, You Know / Straighten Up And Fly Right / Parents / Shining In You
【曲目】I’m Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter / I’ll Never Smile Again / Any Time / Smile / Seems Like Old Times / Bye Bye Blues // Sing, Sing, Sing / I Can’t Give You Anything But Love / Coquette / I’ll Be Seeing You / Charmaine / The Sheik Of Araby
Sing, Sing, Sing.
I’m Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter.
隠れアコースティックスイング名盤。アコギ1本でスイングするジャジーなナンバー「It's A Sin To Tell A Lie」が最高です。往年のポップスファンは「馬場こずえさん!」と叫んでるかもしれませんね。タイトル曲も最高のインスト。そして黒人ブルーススインガー、ルイ・ブルーイも参加した「Mama Don't Allow It」も最高にスイング。名曲「City Of New Orleans」で知られる愛すべきSSWがスイング心全開で挑んだ快作です。.
収録曲・データ
【曲目】Door Number Three / Blue Umbrella / This Hotel Room / Spoon River / Jessie's Jig (Rob's Romp, Beth's Bounce) // It's A Sin To Tell A Lie / I Can't Sleep / Moby Book / Lookin' For Trouble / Mama Don't Allow It
カナダ人とレバノン人の間に生まれたアンディ・キム。セルフタイトルのアルバム。通算では4枚目にあたります。「Baby I Love You」や「Rock Me Gently」のヒットを持つポップ系シンガー・ソングライターで、当時はすごく人気がありました。エキゾチックな風貌と歌のうまさをいかしたフォーキーポップ。「Sunshine」を聴いてください。.
ジョニー・キャッシュの伝記映画「Walk The Line」にも、幼少時代の彼女がいましたね。成長してオキャンなパブロック/ロッキンカントリー姐ちゃんに。付き合っていた(そして結婚もした)ニック・ロウのプロデュース&全面協力で、バックはロックパイル。すかっとした女パブロック外伝!.
収録曲・データ
【曲目】Cry / Madness / Baby Ride Easy / Bandit Of Love / I'm So Cool / Appalachian Eyes // Ring Of Fire / Too Bad About Sandy / Foggy Mountain Top / That Very First Kiss / Too Drunk (To Remember) / Too Proud
【曲目】My Heart Is A Hobo / Like Someone In Love / It Could Happen To You / Suddenly It’s Spring / It’s Always You / What Does It Take // Aren’t You Glad You’re You / All This And Heaven Too / Just My Luck / When Is Sometime / Imagination / Humpty Dumpty Heart
4チャンネルステレオ盤。60年代を通じてMOR界の大スターであったジョニー・マティス。同じような立場だったアンディ・ウィリアムスが、70年代に入ってさすがにリリースを減らす中、マティスは着実に作品を重ねます。シルキーな声で同時代の名曲をカヴァーしてゆくのですから、一度好きになったら、あの声であの曲を聴いてみたいという欲求が絶えなくなったのでしょうね。タイトル曲や「Summer Breeze」「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」など珠玉の選曲の好内容盤です。.
【曲目】Brilliant Colors / Cowboy / The New Life Out There / Morning Girl // Midsummer Night / Little Sparrow / The Last Time I Saw Jacqueline / Morning Girl, Later
【曲目】Bette Davis Eyes / Jessie's Girl / Take A Chance On Me / Hit Me With Your Best Shot / Leader Of The Pack // Queen Of Hearts / Whip It / Heartbreaker / Hold On Tight / Losing You (I Really Wanna Lose You)
50年代から女優として活躍するポリー・バーゲン。シンガーとしてのアルバムはColumbiaというイメージですが、本作はPhilipsに移籍後の第一弾。女優でもある彼女の生き方になぞらえたアルバム・タイトルのようです。楽曲も映画や舞台から有名になったものを中心にしています。歌声は少し円熟味を増した感じですが、アレンジ的にはモダンさもあって。ボッサな「The Continental」や、シャープなビッグバンド・アレンジの「Cheek To Cheek」が最高です!.
パンチの効いた歌声で50年代に人気を博したR&B娘ルース・ブラウンが、ストリングスとともにしっとりと女心を歌った一枚。おてんばぶりはすっかり影を潜め、リチャード・ウェスがアレンジした繊細な管弦にエスコートされています。それでも「Why Don’t You Do Right」では彼女らしい肝っ玉もしっかり披露。真夜中にあたしの女心聴いてちょうだい、って感じです。.
たとえばキング・ハーヴェストの「Dancing In The Moonlight」とかと並ぶ70年代ブルーアイドソウルの名曲として名高い「How Long」収録のアルバム。ほとんどの曲を書いたポール・キャラックの資質が全開で、あらためてそのソウル度数の高さに驚いているところです。知的なユニットになってしまう前のスティーリー・ダンとも通じる部分も発見。.
【曲目】Little Jazz Bird / The Wine Of May / There’s A Lull In My Life / I’ll Only Miss Him When I Think Of Him / How Is Your Wife / Self Defence Waltz // Cliches / Spring In Manhattan / Songbird / Our Love Rolls On / When The End Comes
なめらかでシルキー、そしてソウルフルな歌声はいつも爽快です。時代がディスコ/16ビートに移行していくこの時期は、まさに今こそ聴いていただきたいのです! 流麗でせつなくて。数々の名カヴァーを生んだ「You're The Song」(トニー・リヴァース&ケン・ゴールド作)やボズ・スキャッグス「We’re All Alone」のカヴァーが最高。アレッシー、テディ・ランダッツォら、ソングライターのセレクションにも目が行き届いてます。プロデュースはボブ・ゴーディオ。70年代のフランキー・ヴァリにじつは駄作無し。.