Blue Gooseレーベルで一、二を争う人気盤なのは、ロバート・クラムによる最高のアートワークゆえ。でも、ノスタルジックでユーモラスな自作のおとぼけジャズソングを歌う研究家兼ミュージシャン。他にはいない魅力なのです。どこかで聴いたことがありそうでどこにもないオリジナルソングで、自分だけの擬似過去を作り上げる情熱! こりゃクラムも惚れるでしょう! ゴリラをテーマにした「Never Oh Never Whatever You Do, Sing A Gorilla Song」なんか底抜けすぎて最高!.
What Is The Use Of Calling Me San?.
Never Oh Never Whatever You Do, Sing A Gorilla Song.
フレンチ・ホルン奏者としてジャズのフィールドで活躍したデヴィッド・アムラムの、ひねくれシティポップSSWアルバム。マーティン・マル的ユーモアとボブ・ドロウ的洒脱をケニー・ヴァンス風にまとめた! そんな奇跡があるのです。スイング「Little Momma」や、メロウに揺れながら物語を綴る「The Professor And The Panhandeler」は大穴!.
【曲目】Bing Bang Boomerrang / Johnson Rag / Runnin’ Wild / Just Foolin’ Around / Happiness Is A Thing Called Joe / Sing Sing Sing / Don’t Get Around Much Anymore / Second Avenue Scene / Tarantula / Lullaby In Rhythm / One Cook O’clock Jump / Good Night, Sweetheart
曲者揃いのメンバーでピンと来た方もいるかも。CommandやTimeレーベルを中心に、ラウンジジャズの逸品に活躍し続けた東海岸のセッションミュージシャンたちの、にぎやかでかわいくて面白いスタンダードジャズのリメイクです。裏ジャケに記載されたクレジットからすると総勢20人以上が集合。「It's All Right With Me」のハンパじゃないかっこよさなど、手を出さずにおくのはもったいない!.
【曲目】I'll Remember You / Rain, Rain Go Away / Yes, It’s You / Kamakani Ka’ili Aloha / Goin’ Home / Ain’t No Big Thing // Na Ali’l / The Days Of My Youth / All I Want To Do / If I Had It To Do All Over Again / Get On Home / No Other Song
きちんとジャズの世界で生きてきたアレンジャーがロックの心を持ってしまった。パット・ウィリアムスのこの時期の作品を聴くと、そんな感想を持ってしまいます。「Get Back」「青い影」「River Deep - Mountain High」などロックのカヴァーを採り上げた本作。リズムの暴れ方は確実に“ロック”です。とりわけニルソンの「Don't Leave Me」は秀逸!.
収録曲・データ
【曲目】Get Back / I Will Wait For Love / Son Of A Preacher Man / Whiter Shade Of Pale / Joy, Joy // Don’t Leave Me / River Deep - Mountain High / Cathrine / Ponteio / Variations On An Autumn Theme
デビューはNormanレーベル(GNPの前身)。大きく知名度を上げることになるDecca移籍後の初リリースがこのアルバムです。ピアノトリオ+パーカッションという4人編成で、ラムゼイ・ルイス・トリオのライバル的な演奏をダイナミックに繰り広げます。ソウル・ジャズ/ラテンジャズの域にとどまらないスケールの大きなグルーヴ。「I Didn't Know What The Time It Was」そしてタイトル曲にしびれてください!.
収録曲・データ
【曲目】Kilimanjaro / I Left My Heart In San Francisco / Secretly / I Didn't Know What Time It Was // My Favourite Things / My One And Only Love / Ramblin' Rose / You Came A Long Way From St. Louis
【曲目】Under Paris Skies / Don’t Wake Me Up / C'est Si Bon / The Touch / If You Love Me, Really Love Me / Comme Ci, Comme Ca // Domino / Cherchez La Femme / My Place / If You Go / Dance With Me / I Wish You Love
クリスタルなサウンドと伸びやかな歌声でAORファンにも人気のCCMシンガー。キース・トーマスのプロデュースによる本作は、この時代らしいからっとしたサウンドと爽やかなコーラスワークの噛み合いが印象的。「Thank You」や「Gimme What It Takes」などポップでシティなナンバーが光ります。バラード曲の胸を打つ哀愁感もよいです。.
収録曲・データ
【曲目】Jesus On Our Side / Gimme What It Takes / Farther And Higher / Jesus Drawing Me / The Net Of Peter // Thank You / The Only Story / You Just Talk To Me / Run To The Battle / Back In The Furnace / For Every Man
ハリウッドで活躍していた日系人アレンジャー、タク・シンドーのアルバムです。Capitolでは「Brass And Bamboo」(こちらも傑作)に続く2作目。この時代の彼の作品はジャズ味が強くて面白い! ハリウッドからみたオリエンタルな気分を、琴や和太鼓などをまさにアクセントとして巧みにアレンジしています。「Chattanooga Choo Choo」「Cherokee」などを収録。美しい「It’s So Peaceful In The Country」を試聴に追加しておきました。.
すでに1961年からモータウンでシングルはリリースしていた彼らですが、ファースト・アルバムに漕ぎ着けたのは64年。A面1曲目に収録の「The Way You Do The Things You Do」が全米11位のスマッシュヒットになったことのご褒美としてのリリースだったのかも。もちろんこの後はモータウン屈指の人気グループになっていくのですが、ドゥーワップ的な初期の録音も含め、彼らの前史をまとめたと言える選曲も興味深いです。.
ヴィブラフォン奏者テリー・ギブスのラテンアルバム。この人は題材や楽曲のセレクトがいつもワクワクさせてくれます。このアルバムも「Hallelujah, I Love Her So」「Our Day Will Come」などいちいち気が利いてます。うれしいのがマンシーニの「I Love You And Don't You Forget It」。オリジナルもパーカッシヴでかっこいい曲ばかり。音の粒立ちも最高。影の主役はフルートのジェローム・リチャードソン、パーカッションのウィリー・ボボでしょう!.
収録曲・データ
【曲目】Hallelujah, I Love Her So / Our Day Will Come / I Love You And Don’t You Forget It / Mr. Something Else / Serenata / El Reigo // Days Of Wine And Roses / What Kind Of Fool Am I? / Kick Those Feet / Tenderly / If Ever I Would Leave You / Happy Baby
Arista第2弾。Capitol〜Blue Thumb時代に比べ、いまいち評価が低いのは納得できません。メロウ&ファンキー度は抜群、大人の遊び人をあえて演じてみたようにジャズとAORの間を行き来するこの頃の彼は最高なんです。「Sing A Song For A Sucker Like You」でノックアウト! 「Charlie's Blues」もクール…。この”粋な軽さ”がたまりません!.
初期はクルーズ・ファミリー名義で活動していたCCM人気グループ。80年代に入って名前を短くし、エイティーズサウンドに対応してきました。このアルバムも多様なスタイルですが、やはりファミリーならではの温かみある歌やコーラスをいかした曲に魅力があります。「Dancin’ In The Light」いいですね。エイブラハム・ラボリエル、カルロス・ヴェガ、エド・グリーンら堅実なミュージシャンたちの演奏も○。.
【曲目】Breakaway / They Don't Know / Bobby’s Girl / Oh, What A Night / Move Over Darling // I Close My Eyes And Count To Ten / Long Live Love / ( I’m Always Touched By Your ) Presence Dear / Shattered / You Broke My Heart In 17 Places / ( Life Is A Rock ) But The Radio Rolled Me
ボサノヴァをガットギターで弾き、60年代に大きな人気を博したジャズギタリスト、チャーリー・バード。彼がポップスをレパートリーにしていたColumbia時代は、ポップメロディと斬新なリズムを融合させて面白いこと結構やってました。シンプルでパーカッシヴなアレンジの「Up, Up And Away」や、ニール・ヘフティ「Barefoot In The Park」をぜひ。プロデュースはテオ・マセロです。.
収録曲・データ
【曲目】Love Is Blue / Wait Until Dark / Talk To The Animals / Live For Life / The Look Of Love / Shiny Stockings // Up, Up And Away / A Man And A Woman / Sunny / Barefoot In The Park / If I Were A Rich Man