アイアートの公私にわたるパートナーとして渡米し、70年代にソロアーティストとして大きく飛躍した彼女。ジャコ・パストリアス、ジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスターなどまさにクロスオーバーな才能が彼女の仕事に馳せ参じています。AOR、ブラジリアン・フュージョン、サンバがごちゃまぜになって疾走。グルーヴィーなスキャット・チューン「Overture」がかっこいい!.
Everyday, Everynight.
Samba Michel.
Overture.子役スターのデビューアルバム。レア盤サントラとして知られる「Pufnstuf」や「小さな恋のメロディ」にも出演しているあの子です。変声期直前の歌声にはパンチがあって、しっかりと表現力もあって。「Sugar And Spice」もかっこいい! 2曲のビートルズ・ナンバー「Maxwell's Silver Hammer」「When I'm Sixty Four」は子供ものファンにはキラー。悪ガキっぽいスモール・フェイセズのカヴァー「Lazy Sunday」もよろしく!.
Sugar And Spice.
Maxwell's Silver Hammer.
Lazy Sunday.ジャズ評論家レナード・フェザーの娘さん。若くて力強いジャズヴォーカルです。レパートリーにはヴァン・モリソン「Moondance」があり、さらにデイヴ・フリッシュバーグ「I Don't Believe You」ボブ・ドロウ「I've Got Just About Everything」マイルス・デイヴィス「Four」まで。やってくれますね! 清々しく、そしてヒップ。さすがジャズ心を受け継いでいますね。なお、彼女は佐藤博「Awakening」の英語詞を作詞した人でもあります。.
I've Got Just About Everything.
Moondance.
Four.ルイジアナの地元クラブでは毎晩のようにこんな演奏が繰り広げられていたし、今もそうなんでしょうね。地元の人気者ネイサンの演奏と全国区のブーズーを片面ずつカップリングしたナイスアルバムです。R&B的な粘り気も味な前者と、勢いがすばらしい後者。もしその場に居合わせたら躍り狂っているでしょう!.
Everybody Calls Me Crazy.
Dog Hill.
Stomp Down Zydeco.ジャンゴ・ラインハルトの歩みを年代順に追うシリーズ。第14集は、第二次世界大戦の戦中から戦後に向かう録音がメインです。自身の楽団、終戦直後に結成したジャンゴ&ヒズ・アメリカン・スイングバンド、そして再編成ホット・クラブ・オブ・フランスなどを収録。戦火のなかでも多人数でレコーディングしていて、音楽の火を絶やさなかったことがわかります。.
Oubli.
I Can’t Give You Anything But Love.
Swingtime In Springtime.ドクター・ジョンやジェシ・エド・デイヴィスはともかく、デヴィッド・フォスターやジェイ・グレイドンといったLAのセッションミュージシャンを導入した都会派サウンド。アメリカ音楽史を俯瞰する彼の音楽作りにハリウッド的な要素が入ることは、決して無意味なアプローチではなかったと思います。ラストナンバーの「Hooray For Hollywood」はジェフ&マリア時代の「Brazil」から決してブレてません。タイトル曲や「What Do You Want The Girl To Do」はアラン・トゥーサンのカヴァー!.
Motion.
What Do You Want The Girl To Do.
Hooray For Hollywood.ジョニー・ガルニエリとバーニー・レイトン。スタイリッシュでアイデア豊かな(しかし本流ではない)ジャズピアニスト2人のスプリット7インチ。ガルニエリはジェントルな演奏を、レイトンはスイングジャズのフォーマットに則った軽快な演奏を2曲ずつ収録。さらにバート・ゴールドブラットのアートワークも魅力を放ってます。.
Things Are Looking Up.
Have You Met Miss Jones.
Rose Room.当時としては珍しいショートヘアの女性シンガー。ニルソン「Without Her」を「Without You」と歌詞を変えて歌っています(ややこしい)。他にもサム&デイヴ「Hold On I’m Comin’」の意外性あふれるカヴァーなど。歌声はスケールが大きなミュージカルスタイルですが、細やかな感情表現も豊かです。.
Without You.
A Dream Is A Wish Your Heart Makes.
Hold On I’m Comin’.レオン・ラッセル・ファミリーとして活躍するギタリストのファーストアルバム。いわゆるスワンプロックのアルバムとしてはトニー・ジョー・ホワイトのファーストなどと並んで早い時期のリリースです。ブルースロック調のものからR&Bのカヴァーまで、重たく泥臭くやっています。「Something You’ve Got」は白眉。ドン・ニックスが曲作りにも関わるかたちで参加。.
Baby It’s You.
Something You’ve Got.
Lookin’ For My Baby.1970年にスワンプ色豊かなSSWアルバムでデビュー。その後も作曲家として活動しつつシングルをぽつぽつとリリース。ようやくのソロセカンドである本作は、グレートなブルーアイド16ビート連発のAOR傑作に! ナッシュヴィルのボズ・スキャッグスを目指したグレイトなサウンド作りはもちろん、もともとソングライター出身なだけに駄曲無し! 本国アメリカでもヌメロからの編集盤リリースなどで評価が高くなり、かなり入手が難しくなりました。.
Just Be You.
I Majored In Jive.
Damn It All.FolkwaysのEthnicシリーズと並ぶ、世界の民俗音楽レコーディングの最重要カタログ。1968年ペルー、アンデスの高地に暮らす部族たちの音楽をデヴィッド・ルイストンが収録しました。フォルクローレ的な弦楽器と笛のアンサンブル、不意に入ってくる歌もののブリティッシュトラッドのような素朴で心に訴える感覚など発見あり。.
Lamento andino : Yaravi.
Carnival ayacuchano.
Paucartambo : Contradanza, Fiesta al Virgen del Carmen.40〜50年代にかけて、一口では言い表せないプログレッシヴなサウンドをビッグバンドで展開した異能のアレンジャーの代表作。ストラヴィンスキーノナを掲げたタイトル曲は、次に何がくるかまったく読めない意外性の連続したビッグバンドジャズ。歌モノにも異色のムードが漂っています。レイモンド・スコットやスタン・ケントンらが築いたプログレッシヴなビッグバンドの系譜に連なって数えられるべき鬼才です。.
Boyd Meets Stravinsky.
Night In Tunisia.
Temptation.タイトル通り、ソフトロックの時代に敏感に対応した「変化」を見せたふたり。瑞々しいソフトポップスを本作でも披露してくれています。ジャズ的な深みを加えたジョン・セバスチャン「Didn't Want To Have To Do It」やスキャットで押し通すビートルズ「Norwegian Wood」のカヴァーが素晴らしい。知る人ぞ知るラニー・シンクレアのカヴァーも素敵です。ちなみに、ジャケ裏にある推薦文はロジャニコのアルバムと同じ人(ジョニー・マグナス)です。.
Dedicated To Love.
Norwegian Wood.
Bye Bye.時が止まる歌。生真面目なイメージが強く、ちょっと敬遠していましたが、ボビー・スコットのアレンジで全曲をアメリカ録音した本作で、彼女の知られざる魅力がわかりました。ギター一本をバックに憂いを歌う「Half A Crown」に時が止まる思い。決してベタついていないストリングスも、彼女のクールさをいっそう引き立てています。彼女のアメリカ録音の作品では、これは最上位の完成度だと思います。.
My Kind Of Man.
Half A Crown.
If You Love Me.サンディ・リンツァー&デニー・ランデル、アレンジのチャーリー・カレロ、プロデュースのボブ・クリュー、4人の個性がよく出た最高のNY産ガールポップ! B面は「A Lover’s Concerto」同様クラシックを下敷きに。ベートーヴェンの「月光」すなわちネタはビリー・ジョエル「This Night」と一緒!.
Can’t Get Enough Of You Baby.
Silver Spoon.名作「His Band And Street Choir」からのシングルカット。全米23位まで上昇しました。しかし、このシングルのキモはむしろB面。あの「Astral Weeks」のアルバム一曲目を飾った「Sweet Thing」をモノラル・ミックスできくことができます! UK盤はB面が違う曲でリリースされていますので、このカップリングはUSのみ!.
Blue Money.
Sweet Thing.兄妹による鮮烈なフォークデュオ。スタンダードとフォークブルースをレパートリーにしています。硬派な雰囲気がするのは、シカゴ出身だからかも。ジュディはフォークだけにとどまらない活動を望んでいたと英文ライナーにあり、実際この翌年、ソフトロックグループのシカゴ・ループに参加します。印象的なドブロで客演しているのはドゥエイン・ストーリー。ジャケット写真がすごくクール!.
Babe, I’m Going To Leave You.
Lover’s Bittersweet.
In My Time Of Dying.聞き慣れない名前のミュージシャンと思いきや、ジャズアレンジャー、パット・ウィリアムスのことです。70年代を迎え、新しい時代のジャズを探し求める過程で産み落とされたジャズ/ロック融合盤。ジェームス・テイラー「Country Road」ポール・マッカートニー「Junk」ザ・バンド「Long Black Veil」などなどの選曲! タイトル曲はCS&Nでお馴染みのあの曲を大胆にジャズファンク化。.
Country Road.
Silent Spring.
Carry On.ディスコ時代のハッピーソウルといえば彼ら! どのアルバムもクオリティが落ちてません。このアルバムもオープニングの「The Ghost Of Love」からちょっとサヴァンナ・バンド風味もあって、いい感じ。ぜひお試しあれ。ブリージーなディスコソウル「Slow Train To Paradise」もビージーズのカヴァー「More Than A Woman」もいいです! いい曲ばっかり!.
The Ghost Of Love.
Slow Train To Paradise.
More Than A Woman.ニューヨークのレーベルだったBlue Noteにとっても、1950年代にウェストコーストで起きていたジャズの新しいサウンドは見逃せないものでした。そこで西海岸の若い名手たちを招集し、10インチ2枚分のセッションを行いました。こちらはそのVol.2。「The Blindfold Test No.3」は文字通り参加メンバーを伏せての収録です。検索する手をちょっと止めて誰か当ててみてくださいね。.
Van Nuys Indeed!.
Here’s Pete.
The Blindfold Test No.3.ジャンゴ・ラインハルトの歩みを年代順に追うシリーズ。1949〜50年と言う事は、だいぶ晩年に近づいています。 A面は相棒ステファン・グラッペリを含むメンバーでの録音です。B面は別編成のホットクラブ・オブ・フランス名義でのセッション。ジャンゴが珍しくエレキを弾いています。「Boggie-Woogie」など新鮮な響き。.
Stormy Weather.
Micro.
Boggie-Woogie.20世紀初頭の2大ラグタイム・バンジョー名人のコンピレーション。なんと収録されているのは1900年から、もっとも新しいものでも1923年で、電気録音開始はるか以前! 「ノイズ混じり」なんて表現がてぬるく思えるほどの歴史的記録ですが、ジャズがジャズとして確立する直前の熱気と楽しさを伝えてくれます。A面がヴェス・オスマン、B面がフレッド・ヴァン・エプスです。.
Smokey Mokes.
Red Pepper Rag.
Black Diamond Rag.アルゼンチン生まれのサックス奏者。70年代のこの時期から自身のルーツである南米音楽に開眼。自身のルーツにずぶずぶと沈み込みながら新しいグルーヴを追求したこの音楽は今こそさらに聴き直されるべきでしょう。チャプター3まで続く3部作の第2弾。リオ、LA、ブエノスアイレスでレコーディングしています。2パートに分かれて展開される冒頭の「Encontros」からもう圧倒的にかっこいい!.
Encontros.
Para Nostros.
Marissea.ファーストLP。スタンダードを軽々と60'sポップスに変えてみせる彼らの基本にして名作。大ヒット曲「Deep Purple」もいいけど、ムシ声にも似たエイプリルのキュート・ヴォイスがかわいいアップテンポ「One Dozen Roses」はじめ、実は小粋なツイスト系ダンス・ミュージック満載。シャーリー・エリスあたりのファンにも聴いて欲しいな。Bラス「I’ve Been Carrying A Torch For You So Long That I Burned A Great Big Hole In My Heart」は、確か最長曲名でギネスブックを狙った曲だったはず……。.
Deep Purple.
Baby Weemus.
Indian Love Call.101ストリングスを世界中の美少女たちのために! 60年代のヒットソング「Music To Watch Girls By」「Georgy Girl」をそれぞれの面のリードトラックに、古今の女性名のついた名曲などを集めた企画盤です。オーケストラ、ビッグバンドなど曲の個性により彩りを変えながら、優雅な時間のBGMを演出してくれます。.
Music To Watch Girls By.
Fifi.
Georgy Girl.イタリア系アメリカ人らしい陽気なアコーディオンで人気を博したディック・コンティーノと、ラウンジーなイージーリスニングの第一人者デヴィッド・キャロルが共演した南米エキゾ盤。休日気分のラテンソングでにぎやかに。お昼からきっとお酒が進むでしょう!.
Sweet And Gentle.
Brazil.
Ay, Ay, Ay.メキシコの70年代人気バンド。ロック時代の育ちですが、テックスメックス、クンビア、ポルカ的な跳ねるビートの要素が強い彼らの演奏は、ある意味、ロス・ロボスやサニー&ザ・サンライナーズにも通じるもの。中南米「ジャンバラヤ」をグルーヴィーに演奏しているのがかっこいい! フロリダのローカルレーベルからリリースされたアメリカのスペイン語コミュニティ向けの編集盤。メキシカンロックとして最高! レアです!.
Jambalaya.
Muchachita De Mi Pueblo.
Cosas.ローラ・ニーロが「Gonna Take A Miracle」で彼らの「The Wind」(12歳のときに聴いたんですって)を採り上げたことで知られるデトロイトの伝説的ドゥワップ・グループ。スモーキー・ロビンソンも若い頃のノーランのファルセットに憧れたんだとか。モータウンの源流にあったデトロイトソウル。ガソリンスタンドのガレージでレコーディングしていたという噂も!.
Harriette,It's You.
Village Of Love.
Ali Coochie.知性派アレンジャー、リチャード・モルトビーのすがすがしいくらいパキッとしたビッグバンドスイング盤。冒頭のタイトル曲から小気味よくステップ踏んで踊り出したくなるムード。ボールルームでのソシアルダンスからロックンロール世代のパーティータイムまで対応。珍楽器の音も楽しい「The Rockin’ Ghost」みたいな曲が隠れてて最高。ジャケットもとってもいい感じ。.
Manhattan Bandstand.
The Rockin’ Ghost.
Blue Moon.フェイム・スタジオ出身のサザンソウル兄弟デュオ、これがセカンドアルバム! とにかくソウルを歌うことが大好きだってことがアルバム全編から伝わってきますね。ファイヴ・デュ・トーンズのヒット曲「Shake A Tail Feather」の彼らのヴァージョン、すげえかっこいいです! 「Soul Man」ふうのリフがかっこいい「I Take What I Want」も最高! 尊敬するサム&デイヴのレパートリーも歌ってます!.
Shake A Tail Feather.
Sixteen Tons.
I Take What I Want.