なんでしょう、この神秘的というかへたうまなアートワークのジャケットは。アメリカのシアトルでのレコーディングという珍しいスティールバンド。カリブ海のスティールバンドとは違い、コンテストで勝ち抜くようなすごい技術は感じませんが、そのかわりアレンジは新鮮。ドビュッシー「月の光」も、あまりないタイプの仕上がりです。いわばインディー・スティールバンドなんですね! シアトルの名エンジニア、カーニー・バートンが録音を手掛けています。レア!.
Confusions.
Clair DeLune.
Syncopation In F.ノースウェストガレージパンクの産みの親的な存在といえば彼ら。ボブ・マーリーのウェイラーズが世界的な人気になるまでは、「ウェイラーズ」といえば彼らのことでした。初期のゴツゴツとしたR&Bインストから歌ものに移行し、ビートルズなどからの影響も消化しつつ激しさを前面に出した傑作アルバム。「Dirty Robber」など初期のレパートリーのセルフカヴァーもかっこいい! 彼らに続いたソニックスなどのお手本になったのがよくわかります。.
Out Of Our Tree.
Mercy Mercy.
Dirty Robber.ミスター・トゥワンギー・ギター! 通称「一億ドルの男」! 代表曲「Rebel Rouser」をはじめ、彼の名演をまとめたベストアルバムです。プレイのかっこよさもさることながら、さまざまなサウンドを用意した才人リー・ヘイズルウッドの功績も大きいのだとわかります。そして、このJamie盤、ギターの音がめちゃめちゃ深いんです!.
Rebel Rouser.
Cannonball.
Moovin’ ‘N Groovin’.70年代末にデビュー。大人の女性ならではの落着きとクールな佇まいで熱心なファンを持つシンガーです。ピアノも得意なのですが、ハンク・ジョーンズという大ベテランを迎えて2曲を除いてシンガーに徹しています。フィル・ウッズがサックス、マニー・アルバムが弦楽カルテットをアレンジとメンバーは豪華。彼女の主張なのか、どのアルバムもヴォーカルのエコーは極端に控えめです。歌がうまいから出来ることですけど。一般的なヴォーカル・アルバムでほとんど歌われることのない、大作家たちのマイナーな名曲ばかりを拾い上げているのもポイント。.
Cliches.
I’ll Only Miss Him When I Think Of Him.
Self Defence Waltz.ローレンス・ウェルク楽団の第一ヴァイオリンとして長く活躍した人です。長年にわたってウェルクのテレビ・ショーに出演し、お茶の間向けに艶やかな音色を響かせました。こちらは彼がハワイをテーマにした名曲を取り上げたアルバム。チャールズ・バット・ダントによるアレンジも南洋的な雰囲気を汲み取っていて聴き心地満点。.
Blue Hawaii.
Beyond The Reef.
Sayonara.70年代に入り、ガールポップ的な雰囲気を完全に脱ぎ去り、スワンプ気分のシンガー・ソングライターに転じた彼女。このシングルも彼女のソウルフルな魅力を伝えます。両面「Soul」つながりなのも面白いカップリング。モノラルミックスです。.
Chains On My Soul .
Peaceful In My Soul.ウィリアム・ゴールディングの無人島を舞台にした子供ディストピア小説「蝿の王」、1963年の初映画化時のテーマ曲(子供コーラスとインスト)を収録した変速サントラ盤です。サントラとしてはその2曲のみで、あとは当時のヒット映画や話題作からの楽曲をエリオット・ローレンス、エルマー・バーンスタインらのアレンジで収録。「博士の異常な愛情」のサントラと似たパターンですね。.
Theme From ‘Lord Of The Flies’.
Love Theme From ‘Period Of Adjustment’.
Way Down East From ‘The Great Chase’.実力派ベーシスト、ハリー・ババシンがここでリード楽器に選んでいるのはチェロ。ベーシストはもうひとりちゃんとベン・タッカーがいます。そして、もうひとりリードで付き合うのがヴィブラフォンのテリー・ギブス。そのアンサンブルをギター、ベース、ドラムスが支えます。アイデアにあふれたユニークなアンサンブルだけでなく、豊かなジャズマインドがもたらすドライヴ感が最高です!.
Thou Swell.
Basin Street Blues.
These Foolish Things.タイトル曲はスティーヴィー・ワンダー作。あの曲を彼女がスモーキーな声とジャズアレンジで歌うとこんなふうになります。いわゆるメロウなジャズファンクではなく、隙間を活かした絶妙なグルーヴによるディープな解釈。アルバム全体にも彼女だからこそ持ち得た世界観があふれかえっています。.
Higher Ground.
Feel Like Flying.
What Is This Thing Called Love.ジョージ・ハリソンが自らのレーベルDark Horseで送り出した男性デュオ。ジョージがプロデュースし、全面的にバックアップしているのでバックアップメンバーはやたら豪華ですが、内容はギャラガー&ライルなどが好きな人に最適の秋色サウンド。ポップさとスワンプ色の入り交じってほろ酔いです。.
Gravy Train.
China Light.
Elly-May.NonesuchレーベルのExplorerシリーズから出ていたスティールパンもの。内容は実に素朴な演奏で、電化楽器が一切使われていないため、スティールパンそのものの響きが堪能できます。欧米向けではない、地元民のための大衆音楽。これはかなり酩酊感を誘います!.
Sixty-Nine.
Erica.
Mambo Lake.東海岸からサンフランシスコに移住し、街の北方にある片田舎でマイペースに作品を制作していた彼ら。この6作目でも、型にとらわれず自分たちの好きなR&B〜ブルースを奔放にカヴァー。そんな中にあってBラスの自作曲「Light Shine」を、一番輝やかせる構成は見事。才人バナナらのフリーキーなセンスが発揮されたふざけたナンバーも、もちろん楽しめます。.
Stagger Lee.
Light Shine.
With The Circle Be Unbroken.デトロイトのR&B怪人アンドレ・ウィリアムスに見いだされたシカゴの高校生グループ。コーラスよりもダンスが得意だったと言われていますから、アーチー・ベル&ザ・ドレルズの先駆けみたいな感じですかね。全米ポップチャートでも上昇した「Twine Time」のヒットの勢いに乗じてのアルバム・リリース。小気味のいいダンス・ナンバーが揃っています。モコモコな音質なんですが、シーン全体の若さ、いなせなかっこよさはビンビンに伝わってきます!.
Twine Time.
Barracuda.
Do It One More Time.メキシコでのライヴ。おおぜいのオーディエンスの拍手を浴びながらの演奏で、いつものカルテットにコンガとギターを加えたブルーベックは、かつてないほどノリノリの演奏を聞かせてくれます。「Celito Lindo」や「La Bamba」でのパワーの溢れ方には、今までこの人に抱いていたイメージがひっくりかえるほど! ゲストのギタリストがかっとばす「Alla En El Rancho Grande」、もすごい!.
Celito Lindo.
Alla En El Rancho Grande.
La Bamba.もともとシカゴでサウンズ・アンリミテッドというガレージバンドを組んでいた若者たちが、おそらくザ・バンドなどの影響を強く受けてスタイルチェンジ。バンド名もルックスもがらりと変わってのデビューアルバムです。特に大きな成功はなかったのですが質の高い音楽性に支えられて70年代前半に5枚のアルバムを残しました。ソフトな持ち味の曲もとてもよいです。.
A Rectangle Picture.
You Finally Found Your Love.
Till The Sun’s Gone.ジェームス・コバーンの意外な一面を後世に伝えた人気映画「電撃フリント」のサントラ。アメリカからの「007」への返答でもあったような、いやもっとちゃらんぽらんではちゃめちゃで、しかし超人的な色男スパイを主役に据えたこのシリーズ。ラウンジーでヒップな雰囲気を巧みに音楽化したジェリー・ゴールドスミスの手腕もさすがです。「Galaxy A Go-Go! -Or- Leave It To Flint」はゴールドスミスとランディ・ニューマンの共作だって知ってました?.
Our Man Flint.
Galaxy A Go-Go! -Or- Leave It To Flint.
You’re A Foolish Man, Mr. Flint.アメリカを代表するおしどり夫婦。アルバムが多すぎるのでどれから買うか? 60年代ビッグバンド風なら、「The Honeymoon Is Over」はどうですか? ジャッキー・パリス&アン・マリー・モスのキラーなヴァージョンもおなじみ「I Believe In You」や、「Come Back To Me」など、ビッグバンドの醍醐味を活かしたきらびやかなナンバーが多いのでオススメです。.
The Honeymoon Is Over.
Come Back To Me.
I Believe In You.TV「ディーン・マーティン・ショウ」のアシスタントだった女の子たち。3枚のアルバムはどれもガールズ・ソフトロックの名盤で、このRCA盤がラスト作。ジャケット通り、太陽みたいな溌剌とした気分があって素晴らしいです。ローラ・ニーロ「Save The Country」のカヴァーの高揚感。まさにサンシャインポップ・ガールズ! やられました。.
Save The Country.
Light Sings.
Last Summer.ミネアポリス産レリジャスフォーク・アルバム。作曲家のリチャード・S・ウィルソンのプロジェクトで、彼がさまざまなシンガーを起用し、ビル・バーバーのアレンジャーで自作曲を歌ってもらっています。ジャズ、ロック、カントリー、フォークロックを自らジャンルに掲げているように、楽曲にはほどよくバラエティが。歌詞はキリスト教に準じた敬虔な内容ですが、ブリージーな「Noah Knew」やシンセ使いが印象的な「Simon The Magician」など聴きどころ多数。.
Noah Knew.
Jubal.
Simon The Magician.アイオワで結成され、サイケデリック文化華やかな時代のサンフランシスコに進出してレコードデビューをつかんだバンドです。これがファースト。オルガンとギターを軸としたファンキーでストレートなロック。B面には14分の曲もあるなど、音響効果に加えてジャム的な展開でサイケデリアを追求していくスタイルだったんでしょうね。A-1「Think」はジェームス・ブラウンのカヴァー!.
Think.
Cave Song.
Fast Days.70年代にはヴォードリス&カーンというデュオで活動していましたが、AOR全盛時にソロに転身。美青年ルックを活かして成功します。しかし、持ち前のメロウネスがいいんですよ。しかもこのアルバムはチャーリー・カレロのプロデュースで、ジェフ・ポーカロらTOTOのバックアップ。デヴィッド・ラスリーなどにも通じる好内容のブルーアイドソウルです!.
Heels Of Love.
When Two Divide.
Let Her Get Away.70年代後半以降、アメリカのレーベルとの契約が切れ、フランス、ドイツなどヨーロッパを拠点に細々とリリースを続けていたドノヴァン。このアルバムもレコーディングはウェストコーストですが、発売元はイギリス。アメリカでは翌年のリリースでした。ジェリー・ウェクスラーのプロデュース。ジェフ・ポーカロが一曲ドラムで参加するなどメンバーはとても豪華。「Sunshine Superman」などのセルフカヴァーも不思議なムード。.
I Love You Baby.
Local Boy Chops Wood.
Sunshine Superman.50年代のウェストコースト・クールジャズのシーンにあって、フレンチホルンの音色とストレンジな発想、緻密な作編曲で独自の世界を作り出したジョン・グラース。ジャズ・ラブ(ジャズ実験室)を名乗るコミュニティの主導的存在でした。彼のファースト10インチ。ショーティ・ロジャース、ボブ・クーパー、シェリー・マン、ジミー・ジュフリー、バド・シャンクらが参加したオクテット編成。エキゾチックな着想の曲もあって、どんどん引き込まれます。のちにKappから拡大版が出ますが、これがオリジナルです。.
Egypt.
Pyramid.
6/4 Trend.出ました! テディ・タナカ! 現地ハワイでは日系の大スターですが、この初期のアルバムは、あの「さくらさくら」を高速ビッグバンドスイングにしてしまい、誰もが度肝を抜かれます! 「Eso Beso」も洒落てるし「Old MacDonald Had A Farm」を「ハワイのスズキさん」に置き換えた「Suzuki-San’s Farm」の盆踊り感も最高! これぞ60年代のハワイアン和製ヴォーカル・アルバムの最高峰でしょう! こちらは70年代にルックスをリニューアルし、自分のレーベルからリイシューした盤。.
Sakura.
Eso Beso.
Suzuki - San’s Farm.「架空の部族の奏でる音楽を空想する」というコンセプトの元に結成されたアルゼンチンの五重奏団、クラン・カイマン(和名:カイマン族)のサード・アルバム完成。本作ではその有機的な室内部族音楽に現代エレクトロニクス技術を持ち込み、初のヴォーカル曲も導入して跳躍。おなじみの催眠中毒度は最強に。.
50年代に活躍したアルゼンチンとメキシコのピアニスト/ラテンジャズ・バンドのカップリング盤。音源は50年代のものでしょう。ジェリ・ガリアン面のすさまじいビートと鍵盤さばきよ! チューイ・レイズ面では女の子のキュートな声(ご本人?)入り「Jack Jack Jack」のヒップ&オシャレな感覚には悶絶! パリッとしたラテンビート/エキゾチカ感覚濃厚です。.
Jack Jack Jack.
Take Your Girlie To The Movie.
Jungle Rumba.正体不明と思われてきたこのアルバム。実は主役のレス・クレインは60年代の黒人人気DJ。何らかの啓示を受けた彼が宗教的な意志のもと制作したレリジャス・アルバムだったのです。特殊な性質のレコードですが、時にアブストラクトなファンキーさを醸し出すリズムや、女性コーラスは気持ちよいもの。中でも嬉しいサプライズはAラス「Happiness」。これが最高の子供ソフトロックなんです! ミス・エイブラムスやブレイディ・バンチのファンは即死かも。シルキーなボッサ「Beauty」もおすすめ。.
Happiness.
Beauty.
Independence.ストレートアヘッドで遠慮のないジャズコンボと拮抗して舞い上がる奇跡のヴォーカリーズ。 20年代からエレピも流麗なモダン4ビートまで、メリハリばっちり幅広いスタイルを聴かせます。これぞ、てらいのない格好良さというもの! 女性シンガーにはのちに独立するカレン・ヤングの名も。演奏も自分たちでやってしまうのがかっこいいし、バンド感あるのです! 70年代以降に現れた幾多のスインガーズの中でもきっぷの良さとセンス最高峰!.
Art's Oregano.
Milestones.
Sancho Suite.「Easier Said Than Done」の大ヒットを持つエセックス。ガール・グループというより、女性リード+男性コーラスのワントップ・スタイル。タイトル曲の「A Walkin’ Miracle」をはじめ、「Easier Said Than Done」の二匹目のどじょうみたいな曲が多いですがチャーミングでにくめないのです。アニタ・ヒュームスの歌声が最高にキュート。ルビー&ロマンティックス好きはお聴き逃しなく! ファースト・アルバムよりレアかも!.
A Walkin’ Miracle.
Why Do Fools Fall In Love.
I Want The Real True Thing.もともとTVの人気ドラマだった「巨象マヤ」の映画版サントラ。いわゆる動物と少年の冒険活劇でも、もっともスケールの大きな作品ではないでしょうか(想像上の怪獣や怪物を除けば)。リズ・オルトラニのスコアはエキゾ感を前面に出さず、劇的で美しいもの。.
Main Theme From “Maya”.
The Pursuit.
Terry’s Jungle Experience.