夫のアイアートとともに70年代に入ってからはアメリカでの活動を続け、とりわけリターン・トゥ・フォーエヴァーでの彼女の存在はジャズ/フュージョンとブラジルをつなぐミューズのようなものでした。この77年作ではエヌドゥーグー・チャンドラーのプロデュースで、ポップさにも接近。彼女だからできる音楽性の振り幅と自由なグルーヴが最高です。ミルトン・ナシメントを歌った「Bridges」も素晴らしいです。.
You Love Me Only.
Angels.
Bridges.90年代にフランスでリリースされたブラジル産のレアグルーヴコンピレーション。ジョアン・ドナートから始まる選曲です。ボサノヴァ、MPB、ブラジリアンフュージョンと徐々に変化しながらも根底を流れるサンバフィーリングの豊かさと奥深さを楽しめます。90年代はこういうコンピがレコードを探す参考書の役割でした。.
Noa Se Acabou.
Un Sabor Latino.
Figa De Guine.リオのサンバ・カーニバルに長年参加し続ける名門チームによる、熱狂を音で写しとったバトゥカーダ・アルバムです。絶え間なく続くパーカッション、ギター、笛のアンサンブル。目の前にダンサーたちの姿が浮かび上がるような生々しい録音です。.
Ourico.
E Isto Ai!.
Samba No Pe.ハービー・ハンコックがプロデュースした「Identity」などを経て、本人プロデュースに回帰後の77年作。奥さんのフローラ・プリムの参加はもちろん、今回はジャコ・パストリアスや、トム・スコット、ラウル・ジ・ソーサら気鋭のプレーヤーをフィーチャリング。「The Road Is Hard」などズバリなブラジリアン・フュージョンもあれば、ブラジル音楽の精神に根ざすサンバ「I'm Fine How Are You?」も。トム・スコットのフルートとサックスがトラックの疾走感を引き立てています。.
The Road Is Hard.
I'm Fine How Are You?.
The Happy People.ダンサブルなサンバアルバム。カーニバル向けにカスタマイズされた内容といっていいでしょうね。サンバ/バトゥカーダな力強いリズムとにぎやかなブラスでとことんまで踊れます。「Mas Que Nada」はセルメン版とはまた違ったおおらかなグルーヴ。このダンス精神にはあらがえません!.
Mas, Que Nada.
Madureira Chorou.
Praca Onze.オランダで活動したブラジリアンフュージョングループ。84年のファースト「Batida」が人気ですが、このセカンドもすごくいいのです。80年代的なデジタルエコーが若い耳にもOKになった昨今なら、しゃきっとしたAOR/ジャズコーラス感覚も増したこっちも聴いてほしいです。.
Terra Do Sul.
Crepusculo.
Meu Amor.ブラジルのコーラス・グループから独立し、デュオとして自由で多彩な音楽を求めたテカ&リカルド。76年リリースのサードアルバムです(今回入荷は2002年のリイシュー)。ジャケットからも伝わるふたりの自由なスタンスは音楽にもそのまま反映されています。人気の高い4作目「Desafio De Viola」よりは落ち着いた内容ですが、そのしっとりとした味わいがまたいいのです。.
Saranda.
Pra Que Tanta Explicao.
Estrela Da Cancao.ブラジルのミナスを拠点に世界中に自身の音楽を発信し続けた才人。85年の本作はデジタル録音でゲイトリヴァーヴの効いたサウンドに対応しつつ、しっかりと時代にあわせて自分をアップデートしています。パット・メセニー、ヒューバート・ロウズが客演。とりわけメセニー参加の「Vidro e Corte」の透明度は格別。.
Encontros e Despedidas.
Vidro e Corte.
Mar Do Nosso Amor.アイアートの公私にわたるパートナーとして渡米し、70年代にソロアーティストとして大きく飛躍した彼女。ジャコ・パストリアス、ジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスターなどまさにクロスオーバーな才能が彼女の仕事に馳せ参じています。AOR、ブラジリアン・フュージョン、サンバがごちゃまぜになって疾走。グルーヴィーなスキャット・チューン「Overture」がかっこいい!.
Everyday, Everynight.
Samba Michel.
Overture.ブラジルのバイーアで結成された女性4人姉妹コーラスグループ。メンバーチェンジをしながら長く活動を続けますが、やはり姉妹ならではの見事なハーモニーが際立つ60年代の作品に人気が集まります。60年代後半、アメリカ進出を期して「ガールズ・フロム・バイーア」を名乗った英語中心のアルバムです。アメリカでの名義をブラジルではアルバムタイトルにしていたんですね。卓越した技術と英語発音のみずみずしさが相まって、彼女たちの魅力をさらに愛らしくしています。.
Pardon My English.
Oh, Susannah.
Surfin’ In Rio.彼女が歌うだけでパッと世界が晴れ渡る。そんな魅力をそのままデザインしたようなジャケットも、とても魅力的。まだアメリカに渡る前、1930年代のブラジル時代の録音集と思われます。笠置シズ子あたりにも似た雰囲気。歌声もとても陽気でおおらかで。没後20年を記念してブラジルで出されたアルバムです。.
Ao Voltar Do Samba.
Yaya Yoyo.
Alo Alo.フローラ・プリムの妹さん。姉が拠点とするLAに居を移したのは1977年。アメリカでも姉やアイアートらの協力を得ながら、ミシェル・コロンビエの作品に起用されるなど自分のキャリアを築きました。本作はセカンドアルバム。アイアート、ルイス・ボンファらの助力を特別にクレジットしています。姉譲りの歌声と自在な音楽性が素晴らしいです。チック・コリア「Spain」カヴァーも。.
Bebe.
Manha De Carnival.
Spain.戦前ブラジルに咲いた大輪の花。彼女の歌声を聴けば、めちゃくちゃに華やかな気分になります。1930年代にブラジルで確固たる人気を築いた後、渡米して活躍した時期のラジオ録音を中心にした私家盤LPです。ジャケの作りは粗い感じですが、音質はかなり良いものが多いですし、彼女の生の表情がうかがえるやりとりや珍しいアレンジに録音が多数。.
South American Way.
I’m Cooking With Gas.
Medley.ネルソン・アマラルは、1913年サンパウロに生まれ、ボサノヴァ以前にアメリカにわたって活動していたシンガーでバンドリーダー。1950年代半ばに彼がレコーディングしたブラジル名曲集です。シンプルな編成のラテンコンボをバックに心地よい歌声を聴かせてくれます。いろんなジャケットやタイトルで何度か再発された盤で、こちらはおそらく擬似ステレオ加工盤。.
Brazil.
Currupaco.
Ba Tu Ca Da.デオダートのパートナーとして共に渡米。そこから彼女自身もリターン・トゥ・フォーエヴァーへの参加を経て、70年代のブラジリアンフュージョンのアイコンとしてソロキャリアをアメリカで築くことに成功しました。そんな実り多い時代のカタログからセレクトしたベストアルバム。英BGPによるレアグルーヴ視点での発掘でした。.
Moon Dreams.
What Can I Say?.
Samba Michel.ブラジルから登場した女性シンガーのなかで、アメリカのマーケットでもっとも成功したのはこの人でしょう。伴侶であるアイアート・モレイラ、ロン・カーターらと、スペシャル・ゲストにミルトン・ナシメントを迎えたモントルー・ジャズフェスでのライヴです(1974年7月6日収録)。スリリングな演奏が続き、彼女のポテンシャルも最高。ナシメントとデュエットした「Cravo E Canela」の芳醇さ!.
500 Miles High.
Bridge.
Cravo E Canela.