アメリカでは、マイケル・フランクスやケニー・ランキンは、ほぼ確実にジャズのコーナーに入っています。そんなジャズSSWとしての方法論、たたずまいをこの時代の彼らの作品は、何の説明もなく音だけで教えてくれるのです。「Antonio’s Song」収録。まごうことなき傑作ソフィスティケイティドAORジャズアルバム。裏ジャケのWBセーター欲しいなあ。.
Antonio’s Song.
Don’t Be Blue.
Down In Brazil.記念すべきファースト。彼の初期の3枚はその辺のSSW名盤など裸足で逃げ出す素晴らしさ。落ちついた佇まいに深い孤独感がにじみます。孤高という言葉がふさわしい音楽内容です。レオ・コッケ、クリス・デドリック(フリー・デザイン)、ピーター・ヤーロウらゲストも豪華。SSW名盤「Riversong」のマーク・ヘンリーとの関係性など、ミネソタの豊かな音楽事情もにじみでる傑作です。同年レリジャスレーベル、Sanskritからもリリースがありますが、こちらがオリジナルリリースです。.
Carefully Taught.
In Your Eyes.
Happier Days.イタリア映画「野生の眼」のサウンドトラック。アメリカ公開用に英語の主題歌「Two Lovers」が付け加えられているのですが、それがじつに良質のソフトポップで(作曲はジャンニ・マルケッティですが、この曲のみアレンジはマーティ・マニング)。他のインスト・スコアも、じつに洗練されたラウンジ・テイスト&エキゾ・フレイヴァー。.
Two Lovers.
The Letter.
Night In Saigon.ニール・サイモンの舞台劇を映画に翻案した67年の洒落たコメディ「裸足で散歩」。サウンドトラックを担当したのはニール・ヘフティ。裏ジャケにもヘフティの写真を大きく扱うなど、サントラ作品を超えた一枚の音楽作品としての制作サイドの意気込みが伝わります。ワルツのテーマ曲を基本にしたヴァリエーションの数々、そのお洒落マジックの素敵さにくらくらしそう!.
Main Title.
Barefoot Stumbler.
Mom Arrives For Dinner .チャールズ・ウォリネン、シュテファン・ヴォルペ、ユーディ・ワイナー、ジョージ・パールという、いずれも1974年当時の気鋭現代作曲家たちのピアノ曲をとりあげたアルバムです。チャールズ・ウォリネンの「Sonata, 1969」はA面全体を使っての演奏。予見できない展開や即興性などもとりいれつつ、あくまで静謐な演奏で、現代の夏にはぴったりかもしれません。.
Sonata, 1969.
Form And Form IV: Broken Sequences.
Toccata.スラム・スチュワートとコンビ解消後の相棒にベーシストのバム・ブラウン(彼もやっぱりスキャットが得意)との録音を集めた英Hep編集盤。Hepはジャイヴ/R&Bファンのツボを突いたナイスな仕事で知られています。本作は45〜46年の放送録音などを集めたもの。スキャット怪人レオ・ワトソンやハリー・ヒップスター・ギブソンも登場するゴキゲン盤。.
Voutoreene.
Avocado Seed Soup Symphony Pt 2.
Yep Roc Heresay.東海岸R&Bの名門Sueに一枚限りのアルバム「I Can’t Stand It」を残す豪快なソウル・シスターズ。まさに名は体を表すタイプの痛快ソウルです。前半、ゴスペルのプリーチのようにたっぷりとタメを作ってからの盛り上がりが最高!.
Loop De Loop.
Long Gone.スティーヴ・ローレンス・シングス・ヤング・ラスカルズ! シングルオンリーの逸品です。柔らかくて鷹揚とした彼の歌には、こういうソフトタッチのポップスを歌わせるとバッチリなんですよ。ちょっとグルーヴィーなセンス抜群のアレンジはステージII・プロダクション。.
Groovin’.
Being Alive.シャカシャカときらびやかに響くマラカスの調べに誘われて、豪華絢爛な「Tico Tico」からスタート。メレンゲ、チャ・チャ、マンボ、サンバと容赦のないラテンリズムの饗宴です。パーカッション群に負けないブラス隊の迫力も最高です。ウィリー・ロドリゲスはこの時代のラテンジャズに欠かせない逸材のひとりでした。ステレオ!.
Tico Tico.
Mambo Loco.
Take It Easy.1940年代の「ボタンとリボン」などで日本でも愛されている美女シンガー、ダイナ・ショア。40代を迎える直前にジャズ・スタンダードを歌ったアルバムです。といっても「Do-Re-Mi」や「I Can’t Stop Loving You」が選ばれているなど選曲は多彩。ジャック・エリオットのアレンジも「Cry Me A River」にボサノヴァのリズムを用いるなどニクい仕掛けになっています。彼女流のハツラツさが効いてます。.
Do-Re-Mi.
I Can’t Stop Loving You.
Cry Me A River.1991年、イギリスから登場し、この1枚だけアルバムを残して解散したバンドです。ブリティッシュビートの香りをギターポップと絶妙に融合させつつ、マッドチェスター的な要素も漂わせていたサウンドには多くの可能性があったと思います。ストーン・ローゼスやラーズのような伝説になりそこねたバンド。でも曲は今聴いてもキャッチーだし、アートワークも含めて愛すべきアルバムです。.
Psycho Cupid.
Strange Kind Of Urgency.
You.50年代から活動している割にアルバムの数は少なく、しかし、いずれもその時代ごとの空気を読んだ傑作というジャッキー・パリス。円熟期となる本作では、アップテンポなピアノトリオをバックに疾走する「Summer Soft」(スティーヴィー・ワンダーのあの名曲!)が素晴らしい!.
Summer Soft.
What I See In You.
I Have Dreamed.大ヒット曲という以上にジェームス・テイラーの生き方そのものを表しているドラマチックな重要曲。全米3位まで上昇。きわめて控えめなプレイながら、この曲でのラス・カンケルのドラミングは高く評価されています。.
Fire And Rain.
Anywhere Like Heaven.どことなく懐かしいドゥーワップな香りのイントロからバブルガムな展開になるのがぐっときます。スクールハウスな気分が全米にアピールしてワンヒットワンダーに。いい曲です。B面は「君の地元バンドを応援しよう!」メッセージソング!.
Take Your Love (And Shove It) .
Support Your Local Bands.父ジョン・ヘンドリックスから受け継いだ天性で、80年代にソロデビューを果たした彼女。すでに父のレコーディングやライブをサポートしてきた実績は十分で、ここでも抜群のフレージング&スキャットを披露します。キャロル・キング「I Feel The Earth Move」のカヴァーがクール! 「Old Devil Moon」にはスタン・ゲッツが客演してます。.
I Feel The Earth Move.
Old Devil Moon.
O Pato.J.R.ベイリーがプロデュースに参加という要素だけでなく、70年代から一貫してソウルファンに人気の高いCapitol盤からのシングルカット。晴れやかなダンスビートのA面、スウィーーートなB面(こちらのアレンジはポール・グリフィン)、ともに彼らの魅力をよく表しています。.
How Could We Let The Love Get Away.
Three Steps From True Love.「Studio One」といっても、あの有名なジャマイカのレーベルではなく、こちらはイギリスに短期間だけ存在したライブラリー専門レーベル。しかも音源は基本的にドイツのコンポーザーたちが制作したものです。匿名的ですが耳になじむファッショナブルなラウンジサウンド。60年代後半以降のロックの流行もうまくとらえています。.
Motodrome.
Goody Days.
Blue Mauritius.トムといえば「よくあることさ」と「思い出のグリーングラス」。後者は日本でも人気で洋楽カラオケには必ずと言っていいほどに収録されてますね。同時期に発売されたアメリカ盤とは選曲がかなり違うオーストラリア盤(ジャケットもオリジナルのイギリス盤の選曲に準拠しています)。ポップさよりも男の色気を意識した渋くてかっこいい内容です。タイトル曲もこの流れで聴くと、イギリスの田園の景色が目に浮かびます。.
He’ll Have To Go.
Green, Green Grass Of Home.
Detroit City.「Sukiyaki」ならぬ「Ueo Muite」とクレジットされた「上を向いて歩こう」のエキゾチックな雰囲気をご堪能下さい。うるわしい奥様のクウレイと一緒にカウアイ島のカウアイ・サーフ・ホテルでポリネシアン・ショーを開催していたヴィック・プヌア。息の合うレギュラーメンバーたちと、おそらくショーの物販用に制作されたアルバムでしょう。「Sukiyaki」ならぬ「Ueo Muite」とクレジットされた「上を向いて歩こう」のエキゾチックな雰囲気をご堪能下さい。.
Beautiful Kauai.
Ueo Muite (Sukiyaki).
Little Grass Shach.スキャフォルドがヒットさせた「Thank U Very Much」をもうちょっとブリティッシュビート風に寄せてカヴァーしたシングルです。奇しくもビートルズのレーベルと同じ名前だったせいか、これ1枚でキャリアを終えたグループでした。B面なんてナイスなソフトポップなのに。.
Thank U Very Much.
Your Heart Is Free Just Like The Wind.元ポインター・シスターズ。ソロキャリアを求めてモータウンと契約しての2作目です。1曲を除いてすべてモータウンクラシックを軽やかにリアレンジ。春っぽいディスコタッチ主体で名曲をよみがえらせた快作です。原曲のイメージが強くても工夫を利かせたアイデアで。.
I Can’t Help Myself.
Jimmy Mack.
When The Lovelight Starts Shining Through His Eyes.クールジャズ派のトロンボーンプレイヤー。サイドマンとしての活動が中心で、リーダー作は多くありませんが、リリカルでふくよかな音色は確実に耳に残ります。ハンク・ジョーンズ、バリー・ガルブレイス、オシー・ジョンソンらNYの実力派とのレコーディング。1955年のオリジナルリリースでは「Let's Dig Bert」というタイトルでしたが、クールジャズ的なサウンドの様相をとらえ、この再発ではタイトルもアートワークも改められています。まさにクール。.
I'm Through With Love.
Blue Beetle...Original.
Cool School Days.アーシーなブロウを身上とし、時流の変化にもしなやかに対応していったセンスの持ち主。70年代に入ってのソウルジャズ盤です。ロン・カーターとアイドリス・ムハマッドのリズムセクションが最高なうえに、ジョージ・フリーマンのギター、曲によってエレピを弾くハロルド・メイバーンもかっこいい。お膳立てがすっかり揃った名曲「Jug Eyes」で踊り続けられます! 「Something」カヴァーも良し!.
Jug Eyes.
Something.
Hi Ruth!.寝苦しい夜にはヴィブラフォンの音色がよく似合います。ミルト・ジャクソン率いるジャズ界のスーパーグループ、75年のモントルー・ジャズフェスでのライブ録音です。オスカー・ピーターソンがピアノ、ニルス・ヘニング・オルステッドがベース、ミッキー・ローカーがドラムス。ぐいぐいとドライブ感満点の演奏主体!.
Funji Mama.
Speed Ball.
Stella By Starlight.コメディエンヌ、ルース・ウォリスは1940年代末のアメリカに登場し、完成度の高い自作コミックソングで大人気に。ついに自身のレーベルを立ち上げ、傑作を発表している才人なのです。ジャジーでギャグも(下ネタも)効いてて曲もいい。相棒ジミー・キャロルのシンプルでジャジーなアレンジで歌う彼女のハイセンス小唄。是非ご賞味を!.
He Wants A Little Pizza.
Bring The Boys To The House.
He’d Rather Be A Girl.国も人種も違うジャズ・ヴァイオリニスト4人が勢揃い! ぎろっと黒いグルーヴをたたえた音色が大変魅力的なスタッフ・スミスをリーダーに、大御所ステファン・グラッペリ、デンマーク出身のスヴェンド・アスムッセン、当時20代半ばのジャン・リュック・ポンティという興味深い顔ぶれ。バックを担当するのはケニー・ドリュー、ニルス・ヘニング・オルステッド・ペデルセンらのピアノトリオ。ヨーロッパでのライヴ・レコーディングで、メンバー同士のやりとりも生々しく感じ取れます。.
Summit Soul.
It Don’t Mean A Thing.
Pennies From Heaven.ニュージャージー州で活動したと思しき青年ピアニスト。自主制作でリリースした生涯唯一のアルバムです。当時27歳で音楽が大好き。これからキャリアを築いていこうとしてる様子が裏ジャケの解説からはうかがえます。リズム隊のメンバーは不明。しかりリリカルなプレイと音色には魅力を感じます。叶わなかった夢とわかっていてもここには青春の香りがありますね。完全マイナー盤。レア!.
The Boy Next Door.
Green Dolphin Street.
My Reverie.1965年全米4位に大ヒット曲! もともとは63年にアヴァンティスというグループがマイナー・ヒットさせた曲でしたが、それをメンフィスの若い白人R&Bグループだった彼らがカヴァー。全国区の名曲に仕立てることに成功しました。いたいけなカクカクビートがかっこいい!.
Keep On Dancing.
Make Up Your Mind.ウッディ・アレンの小品の中ではこれが一番好きという人も少なくないでしょう。ミア・ファローがかわいく演じた主人公と、全篇に流れる映画への愛が印象に残っています。そしてスコアはディック・ハイマンが手掛け、架空の戦前映画の雰囲気を醸し出すのに一役も二役も買っています。タップダンスの靴音が最高の「Night Club Montage」やウクレレ弾き語り「Alabamy Bound」は要チェック!.
Night Club Montage.
Alabamy Bound.
Theme From “The Purple Rose Of Cairo”.50年代に残した2枚のアルバムがジャズヴォーカルファンの聖典と呼べるほどの内容かつ超コレクターズアイテム。それから約30年を経ての復帰作です。ルー・レヴィ、モンティ・バドウィグのふたりがサポートでドラムレス。それゆえの親密さが生まれているという面もありますが、年齢を重ねて味わい深くなった彼女の歌がやはりいいですね。このJacquelineというレーベル、カタログはこれ1枚きりで、彼女の復帰のために用意されただけなのかもしれません。.
Along With Me.
Everything I Love.
Let’s Be Buddies.