ウッディ・アレンが脚本を担当し、彼が映画界に転出するきっかけとなった作品です。映画はドタバタなコメディですが、このサントラはバカラックの映画音楽家としてのキャリアを前に推し進める役割を果たしました。スコアも素敵ですが、歌ものが充実。トム・ジョーンズが豪快に歌うタイトル曲、ディオンヌ・ワーウィックの名唱「Here I Am」。そして、マンフレッド・マンの「My Little Red Book」!.
今のリスナーにはケニー・ヴァンスが在籍したグループと説明したほうがわかりいいかもしれません。ニューヨークのオールディーズを60年代ポップスに橋渡しした重要な存在。初期のホワイト・ドゥーワップ的な魅力から、よりビート感、ソフトロック感を増したサウンドへと移行してきた名作です。メンバー自作のタイトル曲や「Over The Mountain」などソフトロックのファンにも聴いてほしい曲もいっぱい!.
1963年のアメリカ映画「ひとりぼっちのギャング」のサウンドトラック盤です。パルプノワール的なムード満点の映画を音楽面で支えたのがビリー・メイのスコア。快活なビッグバンドで知られる人ですが、ここではかなりクールでストイックなアレンジに徹しています。ゲスト出演のサミー・デイヴィスが歌う2曲「Bee Boom」「The Ballad Of Johnny Cool」もかっこいい! 特に前者はモッドジャズテイスト!.
ビング・クロスビー72歳の年にイギリスでレコーディングした一枚。軽やかにスイングした「I Love To Dance Like They Used To Dance」、ジョニー・マーサーとのデュエットが楽しい「Good Companions」など、ヒップな洒落っ気満点の傑作。丁寧で気品あるオケはイギリスのアレンジャー、ピート・ムーアによるもの。この時代のアメリカではすでに作られる機会のなかった上品でヒップなアルバムです。見開きジャケには人生を振り返る写真がたくさん!.
70年代に入ってからも、生まれ持ったオールディーズ愛をうまく時代のサウンドにアップデートして活動を続けたジョニー・リヴァース。73年の本作はネッド・ドヒニーの「Get It Up For Love」をいち早く取り上げたことでも知られています。のちのネッドの自作自演版とは違ったファンキー&ソリッドなカヴァーですが、実はネッド自身のデモが最初はこういうテンポだったとのちに判明しました。しかも、このヴァージョン、ファンキーロックで最高にかっこいい!.
リチャード・アルトマン監督の傑作「ナッシュヴィル」で助監督を務めたアラン・ルドルフが、LAを舞台に監督した音楽群像劇映画「Welcome To L.A.」。日本未公開な上にソフト化もされていない幻の作品ですが、これはキャスト的にも「ナッシュヴィル」のファンならどうしても見たい作品。サントラも「ナッシュビル」の作曲の中心だったリチャード・バスキンと、「I’m Easy」を自作してヒットさせたキース・キャラダインが担当した歌もの。都会人たちの陰影を描き出した名曲が多くて、あーこの映画見たい〜!.
【曲目】Theme From The Unforgiven / An Affair To Remember / Invitation / The Song From Moulin Rouge / Laura / The 3rd Man Theme // Smile / Lonely Room / From Here To Eternity / Picnic / Stella By Starlight / Return To Paradise
【曲目】Here We Go 'Round The Mulberry Bush(Traffic) / Taking Out Time(The Spencer Davis Group) / Every Little Thing(The Spencer Davis Group) / Virginals Dream(The Spencer Davis Group) / Utterly Simple(Traffic) / It's Been A Long Time(Andy Ellison) // Looking Back(The Spencer Davis Group) / Picture Of Her(The Spencer Davis Group) / Just Like Me(The Spencer Davis Group) / Waltz For Caroline(The Spencer Davis Group) / Possession(The Spencer Davis Group) / Am I What I Was Or Was I What I Am(Traffic)
大ヒット曲「This Magic Moment」収録。NYのホワイト・ドゥワップ・シーンから出てきた彼らが、自分たちのルーツに立ち返って、ポップスをコーラスする楽しさを追求したアルバムです。内ジャケに書かれた数々のデディケーションに、彼らの愛情の深さがにじみ出ています。「Goodnight My Love」「So Much In Love」が素晴らしい仕上がり。Beach Boysも採り上げている「Hushabye」もいいアレンジです。じつはこれ、69年リリースのアルバム「Sands Of Time」と同内容です。.
United Artists Jazzシリーズのアルバムは内容、アートワーク共に全部持っておきたいハイクオリティ! 黒人オルガン奏者とオリバー・ネルソンのビッグバンドによる、構築的でアイデア豊かな“ソウル・ジャズ”です。オープニングを飾る「A Taste Of Honey」から目が覚める思い。レイ・バレットのコンガが全体を力強く鼓舞しています。ジャケットに描かれた少女は、のちに「The Knack」に主演するリタ・トゥシンハムがモデル(映画「A Taste Of Honey」で英国アカデミー新人賞を受賞)。.
主題歌「The Best That I Know How」を作曲し、歌っているのはバリー・マン。もちろん作詞はシンシア・ワイル。ここにしか収録されていません。残りはELOの既発曲と、ジミー・ハスケルによるインスト曲という構成。日本でのタイトルは「メラニー・グリフィスのセクシー・ジョイライド」というものだったそうです。.
収録曲・データ
【曲目】The Best That I Know How / Tightrope / Dancin' In Alaska / Can't Get It Out Of My Head / Boy Blue / Eatin' Dog Food // The Best That I Know How (Instrumental) / So Fine / The Getaway / Telephone Line / Rockaria! / Train Stuff / The Best That I Know How (Reprise)
「Soulful Strut」の続編みたいな、素晴らしいシャッフル・ピアノ・インストになった「Let’s Get It On」だけでもう最高。ピアノ二台を使った連弾をアレンジしながら息の長い活動を続けたデュオの74年リリース作品。当時のヒット曲を安易にカヴァーしたというような内容ではありません。リリカルさも、オーケストラの壮大さもきちんと知り尽くした意匠の秀作です。.
収録曲・データ
【曲目】Touch Me In The Morning / Caine’s Theme From “Kung Fu” / Harmony / I Want to Spend My Life with You / Live And Let Die / Spring Is Coming // Let’s Get It On / Jeremy / Tie A Yellow Ribbon Round The Old Oak Tree / Yesterday Once More / The Morning After / When Heaven Smiles
ケニー・ローゼンバーグこと、のちのケニー・ヴァンスが在籍。ホワイト・ドゥワップからスタートし、後期には甘さを湛えたポップス・グループへと成長。ロネッツ「Do I Love You」「Walking In The Rain」の素晴らしいカヴァーをはじめ、60年代のポップスをモダンなアレンジで再生させようという“Oldies But Goodies”な試みの一枚。ポップス・ファンにはたまらない名解釈連発です。.
1964年に7歳でレコードデビューしたマーク・ラディス。天才少年としてキャリアを積み、19歳の年にリリースしたのがこの完全無欠のディスコ・アルバムでした。若いながらも自身を含め10人編成のバンドを率い、黒人ミュージシャンたちとも堂々わたりあっています。ノーティなディスコダンス・ナンバー中心に徹した構成はすがすがしいですが、1曲あるバラード「The Answer Is You」も才能の塊と思います。.
【曲目】Lost Indian / Keep On Pushin' / I Wish You Knew / Hot Burrito Breakdown / I Might Take You Back Again / Forget Me Not // Tried So Hard / Anna / If You're Ever Gonna Leave Me / Aggravation / Sound Of Goodbye / Swing Low Sweet Chariot
60年代は各レコード会社から、音質にこだわったシリーズが出ていました。本作はシャープでアップテンポなビッグバンド・ブラス。目まぐるしくもかわいらしい「Buzy Bizet」は「カルメン」をアレンジしたもの。「April In Portugal」「Donkey Serenade」などパーカッシヴなトラックがオススメです。.