タイトル曲でもある「野生のエルザ」のジャズヴァージョンが最高です。この曲ではホーンは参加せず、透明なアンサンブルが楽曲のスマートさを際立たせています。全体にソウルジャズ色が濃い(この人にしては)のも特徴。マイルス・デイヴィス「So What」のカヴァーは意表を突いてかっこいいです。.
Born Free.
So What.
A Time And A Place.ジャズギタリストとしては寡作な部類といっていいでしょうね。とはいえ50年代からスパンは広めながらも途切れることなくマイペースに発表し続けている職人気質を感じます。ジェイ・レオンハルト(b)ウォーレン・チアソン(vib)ロニー・ベッドフォード(ds)という布陣で1976年の暮れに吹き込んでいた作品をデヴィッド・ストーンマーチンのアートワークでリリース。さわやかな風を吹かせます。.
I Concentrate On You.
Traveling.
Have You Met Miss Jones.ヨーロッパではMPSと契約してリリースを重ねる一方で、アメリカでは自主レーベルShebaからマイペースに作品を発表していた時期の作品。その分、商業性にとらわれず自由に演奏を記録していて、このレーベルからのアルバムにはひそかな人気があります。ここではオルガンを加えたカルテット編成。ドラムスがハーヴィー・メイソンということで、リズム面もすごくソウルフル。ビートルズ「Yesterday」のファンキーなアレンジでびっくりしてもらえるはず。ブロッサム・ディアリーの佳曲「Sweet Georgie Fame」も素敵すぎます。.
Sweet Georgie Fame.
Yesterday.
Message.ルイ・プリマのバックバンドを率い、プリマ亡き後は師匠直伝のいぶし銀&ヒップな喉でホテルを股にかけたジャイヴエンターティナー。80年代初めにリリースした最高にグルーヴィーなスタジオ盤です。なんたって「More Today Than Yesterday」! さらに仰天ジョージ・ベンソンのカヴァー「Turn Your Love Around」! それにしても格好良すぎ!.
More Today Than Yesterday.
Turn Your Love Around.
Love is in the Air.1940〜50年代に活躍したスイング/リズム&ブルース系のジャズマンたちをフランスに招き、その伝統芸とセンスの真髄を記録したレーベルがBlack&Blue。モノクロのポートレートを基調としたジャケットにも「この人たちを忘れちゃいけませんよ」というメッセージがこもっていたと思います。名トランペッター、ハリー・エディスンが当時を知る同僚たちとニースで繰り広げたセッションです。.
Just Friends.
Sunday.
Gimme Some.職人気質のジャズギタリスト、ハーブ・エリス。Epicレーベルに移籍しての第一弾です。セプテット(7人で3管)編成で気取りのないジャズを聴かせてくれる一枚。レイ・ブライアントのピアノとロイ・エルドリッジのトランペットが好フォロー。真夜中のパンって、いいイメージですね。音で隙間を埋め尽くすことなく、夜の時間にゆったりと忍び込む洒落たコンボジャズです。.
It Don't Mean A Thing.
Symphony.
Broadway.ジャズ・ヴィブラフォンの表現できる世界を革新的に変えたプレイヤーのひとり。彼がAtlantic所属期(1969〜 72年)に残したレコーディングからのセレクト。その直後のECM期とは違う印象で、ソウルジャズ/ジャズロック的なテイストの強い曲だけでなく、ヴィブラフォンソロによるジョビンの曲があったり、静と動のコントラストも鮮烈。まさに「時代の変わり目」を記録した2枚組コンピレーションです。.
Vibrafinger.
Grow Your Own.
Chega De Saudade.豊かな肺活量を物語る狂おしいほどのロングトーン。ジョン・クレマーの持ち味を、ブラジリアンテイストと絶妙に噛み合わせた「Paradise」「Arabesque」。冒頭のこの2曲だけでも最高なんですが、その後もメロウな演奏が続々。エイブラハム・ラボリエル&レニー・ホワイトのリズムセクションが硬軟織り交ぜてすばらしいです(アルバム全曲同じセクションなのも勝因)。.
Paradise.
Arabesque.
Mardi Gras.スタイリッシュな白人ピアニストが、ウェストコーストジャズ界きっての才人でありスタープレイヤーだったジェリー・マリガンの作曲した楽曲を取り上げた1枚。ハワード・ロバーツ(g)レッド・ミッチェル(b)スタン・レヴィ(ds)と演奏した曲に加え、自身のピアノをオーヴァーダブした楽曲を収録。インテリジェンスにあふれた構成ながらジャズとしての楽しみを持つ豊かな音楽です。.
Walkin’ Shoes.
Utter Chaos.
Simbah.チャイライツの名曲「Stoned Out Of My Mind」を、そのままズバリ、カラオケとして使用し、スーパーメロウなヴィブラフォンをたなびかせてしまってます! こんな夢みたいなヴァージョンがあるのですねえ。これもユージン・レコードが制作に協力したから出来たこと。全編メロウファンク〜ソウルジャズ路線。70年代の彼からは目も耳も離せません。.
Stoned Out Of My Mind.
Pretty Little Angel Eye.
Beautiful Day.聞き慣れない名前のミュージシャンと思いきや、ジャズアレンジャー、パット・ウィリアムスのことです。70年代を迎え、新しい時代のジャズを探し求める過程で産み落とされたジャズ/ロック融合盤。ジェームス・テイラー「Country Road」ポール・マッカートニー「Junk」ザ・バンド「Long Black Veil」などなどの選曲! タイトル曲はCS&Nでお馴染みのあの曲を大胆にジャズファンク化。.
Country Road.
Silent Spring.
Carry On.50年代ウェストコーストジャズ界の大スターでありながら麻薬で完全に身を持ち崩してしまうチェット・ベイカー。彼にとっては完全に不遇時代のティファナ・ブラス人気便乗企画とされる作品ですが、それでもリードを取るときの音色には独特の色気がありますね。いくつかこの名義でのアルバムはありますが、本作はスタンダードのカヴァー中心。チェットが参加した「In The Mood」を聴けるなんてね。.
In The Mood.
Chattanooga Choo Choo.
Moonlight Serenade.「チキチキバンバン」でおなじみウィリー・レスタム! Tシャツに半ズボンのスタイルで、バリトンサックスをぶりぶり吹きまくりながら、ルイ・プリマばりの歌声も聴かせてくれるかっこよさ! このGone盤が彼のファーストアルバムなんですね。ライヴ盤みたいなタイトルですがスタジオ盤。トレードマークの「Here We Go」のかけ声もすでに健在。「Mack The Knife」も「Quiet Village」(怪鳥音最高!)もなんでもこい! 湯加減極上のジャイヴ野郎なんです! レア!.
Mack The Knife.
Quiet Village.
Almost Like Being In Love.ドン・セベスキーのアレンジによる史上最強のビッグバンド版「Wack Wack」収録。大音量で聴くとホントに腰が折れるかと思うくらいの怒濤の盛り上がりです。トム・ダウトがエンジニアリングを担当したサウンドは、ストイックなジャズセンスをロック時代のフィルターで通過させた強烈なもの! レアなモノラル盤!.
Wack-Wack.
Light Green.
Sunny.1930年代のベニー・グッドマン楽団在籍時に頭角を現し、独立後は自身の楽団名義で多数の録音を発表。のびやかで哀愁も兼ね備えた音色で日本にもファンの多かった名手です。すでに大ベテランの貫禄あふれるアルバムですが、まだ41歳でした! ビッグバンドの勢いは比較的控えめで、彼の鮮烈かつメロディアスなトランペットを聴かせる構成です、.
Kinda Like The Blues.
Countin’.
Cotton Pickin.ウェストコースト・ジャズ界の多忙男バド・シャンクが、モダンフォークのレパートリーを自身のフルートとジョー・パスのギター&ブラジリアンなバックでスリリングにジャズ化した異色作。ディランの「Don't Think Twice」や「Blowin' In The Wind」、果ては「This Land Is Your Land」みたいなナンバーまで大胆に洒落させました。「Fleight Train」もスリリング! こういう実験的な試みがジャズ界で60年代に精力的に行われていたことって、今までほとんど紹介されていないですねえ。.
Quit Your Low Down Ways.
Don’t Think Twice.
Freight Train.60年代後半、東洋的な神秘主義に魅了されていったマルチリード奏者ポール・ホーン。あのマハリシ・ヨギに師事し、カシミール地方のミュージシャンと制作した静かなる野心作です。もはやジャズ的な要素はほぼ皆無となり、ラーガ/エキゾ的な楽曲がひたすら続きますが、タブラのソロにフルートを加えた構成など、むしろいまの耳で聴くほうが発見があるかと思います。.
Arti.
Tabla Solo In Teental.
Raga Puira Dhanashri.1955年にハービー・ハーパー・クインテット名義でリリースされたウェストコーストジャズ逸品を、2年後の57年にレッド・ミッチェルらメンバーも同列で併記した新アートワークでリイシュー。それぞれのミュージシャンたちの演奏も随所でわかりやすくフィーチャリングされているし、アンサンブルも絶妙。これは「誰かのクインテット」ではなく「5人でひとつのグループ」と言いたくなったのわかる気がします!.
King Porter Stomp.
Don’t Buck It.
Juan Don.マーサー・エリントンはあの巨匠デューク・エリントンの息子。自身はトランペッターとしてジャズの道に進み、やがて父同様にユニークな個性のビッグバンドリーダーへと育っていきます。父ほどジャズ史に名を残したわけではないですが、しっかりと知性と実験心を受け継いでいることがわかります。自作曲に交えて「Mood Indigo」など父の曲も演奏。アートワーク素敵です。粋!.
Coral Rock.
Dawn Of A Greenhorn.
Mood Indigo.スリム・ゲイラードとのコンビで戦前、一世を風靡。その後も、ハミングするベーシストとしてオフビートな音楽生活を送ったスラム・スチュワートが渡仏。フランスの好事家レーベルBlack & Blueに残した一作目です。スリム&スラム時代の名曲「Flat Foot Flewzy」のスラムだけヴァージョンも聴けます。ダン・ヒックスの心の父! ジョン・ピザレリの心の祖父!.
The Flat Foot Floogee.
On The Sunny Side Of The Street.
Slam-Bam.ジャズ・ピアニスト、作曲家、そして現在はクラシック界の大御所コンダクターとして健在なプレヴィン。20世紀の偉大なポピュラー作曲家の楽曲とソロで向かい合うことで、自分のタッチを確認するという意味合いがあったのでしょうか。作家シリーズとしては同年のヴァーノン・デューク楽曲集に続く2作目となります。音の配置を巧みに考えたプレイに随所でうならされます。.
Long Ago (And Far Away).
A Fine Romance.
Ol' Man River.まるで安易なリイシューみたいなジャケですが、れっきとしたオリジナル。しかも中身は最高! さすがLimelightレコードですね。酔っぱらいみたいなゴキゲンヴォーカルを聴かせる「ウインチェスターの鐘」でいきなりノック・アウト。遊び心とクールなダンス感覚を発揮した快調なアルバムです。ロックにサンバ、ブガルー、テキーラ、もちろん、ジャズも! なんでもアリの快作。.
ウインチェスターの鐘.
Bang! Bang!.
Summer Samba.ディスコフュージョンにアレンジされた「Aquarius」カヴァーでびっくり! 時代の変化を見逃さない男ラムゼイ・ルイスの70年代ラスト・アルバムです。洗練されたディスコファンクを中心にしつつ、リリカルな美しさを持つメロウナンバーも効果的に配置。アース・ウィンド&ファイヤーの大成功に刺激されていたんでしょうね。.
Aquarius.
Dancin’.
I’ll Always Dream About You.まさにジャズの黎明。1913年録音(!)のヨーロッパズ・ソサエティ・オーケストラから、ジャズの誕生を音源で追っていったコンピレーション。20世紀音楽の起源と成立、そして多様性を丹念に編集していったNew World Recordsの好企画盤です。音質も演奏のグルーヴもどんどん上がってゆくさまを、連続ドラマを見るように楽しんでください。解説も詳細。.
Castle House Rag.
Down Home Rag.
Bogulousa Strut.スタン・ケントン楽団のコンポーザーとして自らの特異な資質を伸ばし、ジューン・クリスティやパティ・ペイジのバックも担当。モダンビッグバンドとストレンジミュージックの両方を行き来した才人です。バド・シャンク、ジミー・ジュフリー、デイヴ・ペルらウェストコーストの英才たちを集めてレコーディングした本作は、彼の魅力をコンパクトに伝える充実作。ぎりぎりのバランスでジャズに踏みとどまる、脱線しながら構築していく音楽力の高さに脱帽! なお、木の幹に絡まる管楽器をあしらったこのジャケ、よく見ると顔に見えませんか?.
Don’t Play The Melody.
Sunday, Monday Or Always.
Cha-Lito Lindo.レアな4チャンネル盤! CTIでの第1作目。冒頭「ツァラトゥストラはかく語りき」が世界的に大ヒットし、ブラジル出身のミュージシャンが作る音楽という括りをはるかに越えた有名盤になりました。「Baubles, Bangles And Beads」の大胆な解釈、ローズのうねるファンク「September 13」、カーリー・サイモンとキャロル・キングに捧げた「Carly & Carole」など、先鋭的なセンスがポップ化した瞬間が刻まれた作品です!.
Also Sprach Zarathustra (2001).
Carly & Carole.
Baubles, Bangles And Beads.「Recorded Live At Jimmy’s」の続編。メンバーはおなじくジョー・ベック、ランディ・ブレッカー、グラディ・テイト、ロン・カーター、フィル・ウッズと。お店は「St. Regis Maisonette」というクラブに変わっています。ジャズピアニスト、バンドリーダーとしてのルグランの胆力と、メンバーたちの力強いソロプレイに聴き惚れる盤です。.
The Friday Fugue.
J & B.
Splittons.フランスの気鋭ジャズピアニスト、モーリス・ヴァンデールが、スティーヴ・アンダーソンという変名で吹き込んだラウンジピアノ盤。「Hello, Pussycat (What’s New Pussycats?)」や「You Don’t Have To Say You Love Me」などをクールなピアノトリオで演奏しています。両面あわせて16曲とコンパクトな演奏が続きますが、どの曲からもフレンチならではの洒落たエスプリが香ります。レア。.
Hello, Pussycat.
Quand Revient La Nuit (Mister Lonely).
Jamais Je Ne Vivrai Sans Toi (You Don’t Have To Say You Love Me).ウェストコーストの名アレンジャー。さっそうとしたウェストコーストジャズの気分をビッグバンドで表現する名人でした。そのシーンの寵児だったジェリー・マリガンが作曲/アレンジした曲をエレガント&スインギーに演奏した快調盤。マリガンは演奏には参加してませんが、アル・コーンら俊英たちのプレイが聴けます。.
The Rocker.
Bye Bye Blackbird.
Strike Up The Band.ハープシコードを弾きまくる「That Mellow Feeling」がもう最高にかっこいいです。全曲トリオ・スタイルでのレコーディングですが、音色だけでなくリズム面に工夫が凝らしてあって、才気がほとばしるアンサンブルです。隙間の多いシンコペーションに合いの手を入れるウッドベース、そしてブルージーでグルーヴィーなピアノ。遊びじゃできない、だけど遊び心満載のかっこいいジャズ盤!.
That Mellow Feeling.
The Uptown.
Harlem Lullaby.