映画「サマー・オブ・ソウル」での素晴らしいゴスペル・アワーを体験して、あらためてゴスペルを聴きたくなった人におすすめしたい一枚です。キャラヴァンズはシカゴの女性ゴスペル・グループ名門(デビューは1958年)。この時期はソロでも有名になるシャーリー・シーザー在籍。あのロリータ・ホロウェイも在籍していた時期もあるんだそうです。.
Soul Salvation.
I Want To See Jesus.
Hold Your Peace.クリード・テイラーのディレクションで、3人のジャズミュージシャンが神への祈りを音楽で表現したアルバム。ゴスペルをベースにした作品ですが、ニーナ・シモンがレゲエやアフロポップ風のリズムで歌っていたり、アレンジ面でも現代的な気分を巧みに消化しているのが面白いアプローチになっています。.
Balm In Gilead.
If You Pray Right.
Let It Be.ジェイ・グレイドン(“Jay Clayton”と誤表記されていますが)が全面参加した黒人男女デュオのアルバムです。アール・パーマー、エド・グリーンら曲によってメンバーは入れ替わっていますが、グレイドンとベースのジェームス・ジェマーソンは全曲に関わっているようです。同時代のMotownとしては異色のゴスペル的内容のアルバムですが、ニューソウル・ゴスペルと表現したくなるような新鮮さが全体にあります。.
Everything Is Alright Now.
Satisfied Mind (Sing).
I’ll Keep My Light In My Window.1960年代末に、モダンなゴスペルサウンドを標榜してデビューしたグループ。ゴスペル版フィフス・ディメンションといったスタイルからスタートし、70年代半ばの本作ではサウンドをさらにソウル寄りにアップデートしています。このヴォーカル&コーラスは、じつはモダンソウルと相性がすごくいいのです。それにしてもアンドレ・クラウチはドラマチックでいい曲書きます。.
Just Like He Said He Would.
You Can Depend On Me.
They Shall Be Mine.素晴らしい歌唱力を買われ、スピリット・オブ・メンフィス・カルテット、ゴールデン・エコーズ、フェアフィールド・フォーなど数々の名門ゴスペルグループでリードシンガーを担当したシンガー。リトル・アックスは愛称で、本名はウィリアム・ブロードナックス)。本国アメリカでは実現していなかった彼のキャリアを総括するコンピレーション。ほぼアカペラコーラス。濃厚です! スウェーデンのみでの発売でした。.
Glory Glory.
My Life Is In His Hands.
So Many Years (Jesus In Heaven).トーチソング(ラヴバラード)シンガーとしてのイメージの強かった彼女に、胸がすっとするほど気持ち良くゴスペルソングを歌わせたアルバム。彼女の中に敬虔な宗教心があってこその企画とは思いますが、そのコンセプト、いかにもLibertyらしいと思います。ビリー・メイのゴージャスなアレンジで歌う選曲は、レリジャスソングというよりは、フォスター歌曲なども含め、アメリカ人の心のふるさとにあるような歌の数々という解釈の方が近いかと。シルヴァーブルーに輝く美しいジャケ。.
All God’s Children Got Shoes.
Goin’ Home.
If You Want To Get To Heaven... Shout!.イリノイ州のローカルレーベルに残されたロック世代のソフィスティケーテッドゴスペル盤。あからさまなジーザスソングではなく、ローラ・ニーロ「Time And Love」ダイアナ・ロス「Reach Out And Touch」西門&ガーファンクル「明日に架ける橋」なども交えながら、若い世代のピースフルな感覚を伝えます。メンバーは人種混合。オリジナル曲にはこの時代ならではのレイジーな気分もあって、とても心身にしみます。本当にいい内容!.
Time And Love.
Reach Out And Touch.
Sunshine Lady.1968年1月ニューヨークの教会で行われたエリントンの聖句レッド・コンサートのライヴ盤2LP。広く親しまれた自身の名曲群ではなく、神(キリスト)への敬虔な想いから書かれたエリントン流ゴスペルをビッグバンド、クワイアを交えて披露しています。アンサンブルにエレピが入っていたり、ゴスペルという性質上の高揚感が随所に現れたり、ピアノ独奏があったり、とても特別な作品だと感じます。.
Something About Believing.
Almighty God.
Meditation.デューク・エリントンがNY五番街の長老派教会で行ったセイクレッド・ミュージックのコンサート。その模様を収録したライヴ盤です。リード・シンガーにブロック・ピータース、クワイアも迎えての演奏ですが、さすが生涯作曲を続けたエリントンだけあって、演奏されるのはこの日のためのオリジナル曲。壮大にして敬虔な曲想にぐいぐい引き込まれます。.
In The Beginning God.
Come Sunday.
New World A-Coming.1948年に結成されたアメリカ南部を代表する白人ゴスペルコーラスグループ。TVやラジオを通じて現地で親しまれていた彼ら。編成を変えながら現在も活動する彼らは、いわばゴスペル界のフォー・フレッシュメンのような存在でしょう。日本ではエルヴィスのバックを務めたジョーダネアーズは有名ですが、アメリカではこちらも高くリスペクトされています。50年代の素晴らしいレコーディング。.
Nicodemus.
The Sea Walker.
When My Master Walks With Me.コンテンポラリーゴスペルの名門ファミリーグループ。クインシー・ジョーンズのレーベルからリリースしていた時期は、ジーザス向けのメッセージを若干抑えて、より広い慈愛の精神として発信した良質モダンソウルになっています。アニタ・ベイカーをゲストに迎えた「Ain’t No Need To Worry」をはじめ、デジタルをとりいれながらもあくまで人間味が熱いです。.
Ain’t No Need To Worry.
Breaking Of Day.
Love Has No Color.もともとフランク・ザッパに見出されたアカペラ・ドゥーワップ・グループ。自分たちの声以外を楽器として使用しないスタイルをメジャーデビュー後も貫いて活動しました。本作は彼らにとって初のゴスペル・アルバム。ビル・ウィザース「Lean On Me」などポピュラーヒットも交えながら、ドゥーワップ的に楽しく、かつディープに祈りを捧げます。.
Lean On Me.
T. A. Thompson.
The Lord’s Prayer.1954年にコロムビアと契約して後の音源からは、キャリアの絶頂期であることは勿論、世界的評価の上昇を背景にした精神的な余裕、そして充実した製作陣のバックアップが感じられます。とにかく音楽が大きく深い。歌に全身全霊を捧げつつ、優しさや可憐さも兼ね備えていて。現在もゴスペル界最高峰の歌手として語り継がれるマヘリア、その名に相応しい仕上りの代表作でしょう。.
Little David Play On Your Hand.
Everytime I Feel The Spirit I Pray.
Have You Any Time For Jesus.ジャケットの迫力通り、マヘリア晩年の傑作! 彼女としてはかなりR&B寄りのバンドを従えてのレコーディングです。半数以上の曲では彼女自身がバンドをアレンジした作品でもあり、ゴスペル界の巨大なアイコンに安住するのではなく生涯を賭けて熱いメッセージを届けることに執心していたとわかります。.
I Want My Crown.
Thought You’re Reeling And Rocking.
Come On Up To Bright Glory.アメリカのゴスペル史上の大スターであったマヘリア。オリジナルアルバムとしては3年ぶりの本作では、オーケストラとコーラスアレンジに西海岸の才人マーティ・ペイチを迎えています。ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」から「Sunrise, Sunset」を取り上げるなど、ポピュラーソングの中にもゴスペル的な世界観を見出していますね。.
Sunrise, Sunset.
Like The Breeze Blows.
Somewhere Listening.ゴスペル界のヤングソウルグループとして60年代末にデビュー。ラブ&ピース、公民権運動、ベトナム戦争などで揺れるアメリカ社会を反映した彼らのサウンドは、ソフトロックの洗練やシンガー・ソングライター的な内省もたたえていて、60年代以前のゴスペルとは一線を画したものでした。これがセカンド・アルバム。ぜひ試聴してみてください。.
I’m Coming Here, Dear Lord.
What Ya Gonna Do?.
I’ve Got Confidence.黒人としての自覚を音楽に注入すること。紳士的なふるまいと圧倒的な多作で音楽界の巨人として君臨しながら、エリントンが生涯見失うことのなかったテーマは、そのことでした。本作は、ゴスペル界の巨星マヘリア・ジャクソンをゲストに迎えた全6楽章からなる組曲アルバム。重厚な作品です。US盤とはアートワーク違います。.
Part I.
Part IV (Come Sunday).
Part VI (23rd Psalm).陽気なトランペッター、ジョナ・ジョーンズとゴスペルコーラスの名門ジュビリー・フォーが、がっちり握手。オルガンとピアノでソウルフルな色合いを添えるのがディック・ハイマン。じわじわぐいぐいと胸に迫るゴスペル・タッチの演奏です。ゴスペルソングのみならず、「Work Song」あたりも採り上げていて、これはひとつのR&Bジャズ逸品。.
Yes Indeed!.
Work Song.
Down By The Riverside.モダン・ゴスペル界で長く活動し、洗練された音楽スタイルと総合的なプロデュース力がクインシー・ジョーンズにも例えられたアンドレ・クラウチ。自身のグループを率いてリリースしたデビュー作です。フィフス・ディメンション的なコーラスも印象的なソフトソウルを展開しています。一聴しただけでわかるハイレベルなサウンド。圧倒され、うっとりします。.
He Never Sleeps.
Everywhere.
Wade In The Water.ゴスペルというと黒人の領分というイメージがあるかもしれません。教会への忠誠は人種を超えていますので、ホワイトゴスペル・コーラスグループも数多く存在します。50年代にプレインズメン・カルテットとしてデビュー。これが短く改名しての再デビュー盤。見事なハーモニーとぐいぐいと前に進む躍動感、そしてスパイスとしてのカントリー風味。とっても素晴らしいです。.
I’m Working On A Building.
Dem Bones (Dry Bones).
Long Long Journey.ハワイのカントリーミュージック(パニオロ)を代表するシンガー、メルヴィーン。彼女は敬虔なクリスチャンでもあり、こちらは神に捧げる曲をレコーディングしたアルバム。チャールズ・バット・ダントのアレンジは彼女の持ち味を消さないよい仕事。「My Sweet Lord」や、カントリー風味の「Nobody Knows But Jesus」など、とてもよいです。.
My Sweet Lord.
Nobody Knows But Jesus.
Amazing Grace.バド・タットマークは生涯ハワイアンのレリジャス・レーベルのみから作品をリリースし続けた米本土のスチールギター奏者。ハワイのポピュラーソングや伝承曲とはまた違った、神に捧げる敬虔な曲を中心に演奏します。バックはパイプオルガンで、あとは彼のスチールのみ。しかしこれがなんとも味わい深い響きを醸し出しますし、ちゃんとハワイのムードなのです。ぜひお試しください。.
At Calvary.
That Beautiful Name.
Aloha.アメリカで1950年代から60年代にかけて残されたゴスペルコーラス・グループの、リズム&ブルースと密接につながりがある名演をあらためてイギリスのキッズたちに知ってもらうべく編集されたアルバムです。ファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマやハイウェイ・QC’s、ステイプル・シンガーズといった超名門から、女性ゴスペルグループのキャラヴァンズなどの珍しい音源までおいしいところを1枚にまとめた好オムニバス!.
Walk With Me.
My Religion.
Uncloudy Day.1930年代からナッシュヴィルで活動する白人ゴスペル・カルテット。黒人ゴスペルに比べると軽やかさがありますが、ハーモニー自体は深みがあり、耳にとても気持ちよいです。ピアノだけの伴奏で心地よくスイングしてゆくところにじわりと良さがあります。ジャズ、フォーク、ドゥーワップなど、いろんな要素を内包している面白さです。.
Press On.
Singing Keeps Me Happy.
Telling His Wonderful Love.シカゴを拠点に70年代にも力強くキャリアを積む若きプリーチャー/シンガー、アーネスト・フランクリンのデビューアルバムです。コーラスも含め若々しい! アレサ・フランクリンを輩出したフランクリン家とは関係はないようです。ノークレジットですが、バックの演奏はシカゴのミュージシャンと思われますので、ダニー・ハサウェイやフィル・アップチャーチが関与していた可能性も。.
He Lifted Me.
In My Father’s House.
Without Jesus.ローリング・サンダー・レビューや日本武道館での初来日公演を終えて、ディランはゴスペルを歌う道へと進みます。当時のファンには戸惑いも大きかったようですが、現代ではあらためて評価されていますね。バックバンドの演奏もディランの歌も真摯で素晴らしいです。.
Slow Train.
Do Right To Me Baby.ゴスペルの女王マヘリア、晩年の一枚です。なんとマーティ・ペイチをアレンジャーに迎えてのストリングス・ゴスペル! 堂々とした迫力と美しさに打たれます。映画「サマー・オブ・ソウル」でのメイヴィス・ステイプルズとの共演もすごく胸を打ちました。.
Power In The Blood.
Roll, Jordan, Roll.
It Is well With My Soul.アメリカの名門ゴスペル・グループは数あれど、このグループはアルバム・リリースにはあまり恵まれていませんでした。彼らの絶頂期と目される50年代Peacockレーベルへのレコーディングは長いことシングル盤だけでしか聴くことができませんでした。その時期の全貌をまとめた日本編集盤、全16曲。世界に誇れるPヴァインのいい仕事です。日本語解説付。.
Let’s Talk About Us.
The Lord & I.
Do Lord Remember Me.英語での発音は「マス」ですが、日本では「ミサ」と言ったほうが通じやすいでしょう。カトリック教会におけるもっとも重要な典礼儀式における聖なる神秘をもとにラロ・シフリンが書き上げ、アレンジした楽曲をジャズ・オーケストラ+クワイア形式で演奏した異色作。カトリック信仰の篤い南米出身のシフリンだからこそ出来た世界観を異才ポール・ホーンがリーダーとしてまとめあげます。事実上、ホーン+シフリンの連名として考えるべき作品。全体を覆うホーリーな雰囲気がすごいです。.
Kyrie.
Sanctus.
Gloria.アメリカのR&Bゴスペル名門グループ。アレサやメイヴィス・ステイプルズにも負けないくらいの迫力で歌う女性リードシンガーがめちゃくちゃかっこいいです。名前がわからないのが残念。B面ではリーダーのチャールズ・テイラーが歌っています。.
Break Bread.
Maybe My Last Time.