”Walker”とは、ウォーキング・ベースを弾かせたら一番という、ジャズ・ベーシストにとっては名誉あるあだ名だと思います。ウェストコーストの名手リロイ・ヴィネガーがリーダーで吹込まれたトリオ・アルバム。ピアノはマイク・メルヴォイン、ドラムスはビル・グッドウィン。シンプルで風通しのよいピアノトリオ演奏ですが、ちょっとしたプレイのふしぶしにベースの主張が現れています。「Kick, Laugh, Crawl」で突っ走るベースの気持ち良さはベーシスト冥利に尽きるでしょうね。.
Kick, Laugh, Crawl.
The Love Nest.
Doing That Thing.西海岸のジャズ・アレンジャー、ショーティ・ロジャースのプレイヤー(トランペット)としての代表作。ウェストコーストジャズならではの洗練とバップのアドリブ感覚をまとめあげています。コンボの演奏で随所にヒップなキメを作ってゆくのも、アレンジャーの仕事。その力量を痛感させる傑作。宇宙飛行士(潜水夫風?)ジャケットも最高です。カナダ盤。.
Martians Come Back.
Planetarium.
Chant Of The Cosmos.名手同士の快活なセッション・アルバム。フリューゲルホルンとトロンボーンのダブルリード。どちらもまっすぐ音が伸び、かつ、ふくよかな感触があるので、ストレートアヘッドな演奏でも自然と親しみが湧きます。ロジャー・ケラウェイ、ビル・クロウ、デイブ・ベイリーというバックもまた通好み!.
Tete A Tete.
Pretty Girl.
Blue China.ライオネル・ハンプトンがこの時期のColumbiaに残したアルバムはストリングスとの「Soft Vibes」、トロンボーン・セクションとの「Cool Vibes」と、コンセプトを重視した作品が多いのです。本作もそのシリーズのひとつで、お相手は木管。抑制の効いた演奏がひんやりとしたムードを与えてくれるのは、このシリーズの共通項でもあります。.
My Prayer.
Satin Doll.
Smoke Gets In Your Eyes.西海岸ジャズシーンで活動した白人ピアニスト。ピーター・ネロやロジャー・ウィリアムスを意識したポピュラー・タッチのアルバムも残していますが、カリフォルニアのクラブ、PJ’sでのライヴ演奏を収録した本作は、しっかり本気のジャズモード。歯切れのいいパッセージで駆け抜けるだけでなく、ヴィブラフォンまで聴かせてくれて驚かされます!.
I Could Write A Book.
My Heart Stood Still.
You’d Be So Nice To Come Home To.ジャズ・ピアニストとしても優れた才能を持ち、将来を嘱望されながら32歳の若さで自動車事故により急逝した天才プレイヤー。彼の数すくないリーダー作であるだけでなく、ピアノにビル・エヴァンスが参加していることで知られる人気作です。楽曲はミュージカル「Guys And Dolls」からのものですが、端正でクールな雰囲気は唯一無二。.
Guys And Dolls.
Adelaide.
Luck Be A Lady.インテリ眼鏡、かっこつけてるクセにどこかとぼけたジャケ。やばそうな匂いがします。しかも澄ました顔してヘンなジャズが多いDeccaのリリース。はたしてその実体は?フランス出身のしゃれたピアノトリオでございました。ただではすまさない才気煥発。「バードランドの子守歌」をクラシックにアレンジしたり。 エスプリの効いたナイス・ジャズ!.
Yesterdays.
Prelude, Fugue And Trio On “Lullaby Of Birdland”.
Soon.クラリネットの名手とアコーディオンのデュオ。このコンビ尾では数枚ありますが、中でも本作は、ユニゾンしたり離れたり、ふたりの遊び心が顕著に現れた一枚。不安定な美しさが、やみつきになりそう。リズムセクションを置いてゆくほどのマッドな高速プレイ「Bus Driver In The Sky」に目が点、いや、耳が点。「Nica's Dream」にはエキゾ感も。.
Bus Driver In The Sky.
Nica's Dream.
The Monkey.1962年イギリス制作の映画のサウンドトラック。ところが、これがブリティッシュシネ・ジャズ史上に残る力作。テオ・マセロがプロデューサーに立ち、アメリカからデイヴ・ブルーベックとチャールズ・ミンガスを招聘。受けて立つイギリス勢はサックスとヴィブラフォンの両方で才を見せるタビー・ヘイズ、アレンジャーとしてのちに名をなすジョニー・ダンクワース、他にもロニー・ロスら気鋭のイギリス人たち。レアなステレオ盤!.
Overture.
It’s A Raggy Waltz.
Skin Fever.ドン・エリオットのリーダー作扱いですが、事実上はドンとラスティ・デドリック(フリー・デザインのデドリック兄妹たちのおじ)のトランペット2本がリード楽器を務めるコンボ作品。ディック・ハイマンがピアノとアレンジで全体の演奏を引き締めます。ギターも(アレンジも得意な)マンデル・ロウですし、才人たちの集合体みたいな盤です。.
Mine.
Vampire Till Ready.
Dominick Seventh.50年代から活動するサム・モスト、新世代のジョー・ファレル。ふたりのジャズフルート奏者によるデュオアルバムです。清涼感ある70年代型モダンジャズを展開。マイク・ウォフォードのエレピも印象的な「Samba To Remember You By」をぜひ。.
Kim.
When You Wish Upon A Star.
Samba To Remember You By.フルートのダブル・リードはとても素敵な組み合わせ。そして、ハービー・マンとサム・モストの個性の違いも面白いです。ジョー・ピューマのギターもナイス助演。スタンダード中心の選曲で、二匹の鳥がさえずるようにスイングします。春ジャズ! 1955年リリースのオリジナル盤はなかなか良盤に巡り合わないので、こういうリイシューは重宝しますね!.
Fascinating Rhythm.
I’ll Remember April.
It Might As Well Be Spring.西海岸オールディーズの重要レーベルDel-Fi。その社主ボブ・キーンは、もともとジャズ志向のクラリネット奏者で、Del-Fi設立前後にもこうしたジャズアルバムを数枚残しています。その中でも、コンボで演奏した本作は本格派の一枚。シェリー・マン(ds)レッド・ミッチェル(b)ポール・モアー(p)レッド・ノーヴォ(vib)ら実力者が参加。自らのクラリネットとトロンボーン、バリトン・サックスという三管編成もユニークです。.
I Won’t Dance.
There’ll Never Be Another You.
I Hear Music.メンフィス出身の白人サックスマン。23歳でリリースした初リーダー作です。ロイ・ヘインズ、ドン・エリスらと共演してその後も長く活動を続けますが、60年代のリーダー作はこれと翌年の2枚しかないのです。ブッカー・リトル、ポール・チェンバース、ウィントン・ケリー、ジミー・コブとメンバーは超豪華。才能が期待されていたことがわかります。.
W.K. Blues.
A Starling’s Theme.
Waltz Of The Demons.プロデューサーのハリー・リムが設立したFamous Doorは、ジャズの概念や流行が激変していった1970年代に、ストレートな味わいの演奏を残すべくレコーディングを行なっていた良質レーベル。本作は、名ピアニスト、デイヴ・マッケンナがリーダーとなり、スコット・ハミルトン、アル・コーン、ウォーレン・ヴァシュら新旧の名手たちとくつろいだセッションを繰り広げたグループの録音です。.
Avalon.
Look For The Silver Lining.
Idaho.リリースは1984年ですが、レコーディングは1977年。ガル・コリンズ(g)ジョージ・ムラーツ(b)とのドラムレス・トリオで臨んでいます。この編成というと初期のオスカー・ピーターソン・トリオのような音を想像しますが、こちらはギターとベースがエレクトリックなのが新鮮です。「Jubilee」のような歯切れの良いスピード感は編成のたまものでしょう。.
Jubilee.
Emily.
Dream Dancing.1990年代を中心に登場したイタリアのジャズ・ルネッサンスともいうべきニューカマーたち。それから十数年を経て、あらためてそのかっこよさ、クールさを問うたオムニバス2LPです。ストレートアヘッドなコンボジャズですが、クラブ世代が踊るためのモードもちゃんと意識されています。.
Impulse.
Calypso.
Proof Of The Pudding.もともとは1957年にModeから、コンテ・カンドリ・カルテット名義でリリースされたアルバムでした。ピアノで参加していたヴィンス・ガラルディが60年代に「スヌーピー」のサントラを手掛けてブレイクしたこともあり、あらためて双頭カルテットとして再リリースされた盤。57年の録音ですが、きれいに分離されたステレオミックスです。.
Something For Liza.
Mediolistic.
Tara Ferma.粋を絵に描いたようなトランペッターと、確かな腕のトロンボーン奏者が手を組んで、快活快調にストレート・バップしたナイス・アルバム。ボブ・クランショウのウォーキングベースがかっこいい冒頭の「Haig And Haig」から、ジャズを聴く喜びにまみれられます。おっと、ゲイリー・マクファーランド作「Milo's Other Samba」もオツですね〜。「I Want A Little Girl」「My Gal」ではクラーク・テリーのブルージーな歌も。.
Haig And Haig.
Milo's Other Samba.
My Gal.1908年生まれのレッド・ノーヴォは、この時点(1957年)ですでに50歳間近。ジャズの流行と発展を目撃してきた人物でありながら、モダンなセンスを失わず、気取りのない洒落たアルバムをまだまだリリースします。自身のヴィブラフォンをリードに、ドラムス、ベース、ギター、フルート(サックス、クラリネット、オーボエも兼務)というチェンバー的なアンサンブルでの作品。何故か6人目のメンバーとしてショーティ・ロジャースがクレジットされていますが、彼の役目はスーパーヴィジョン。つまり音楽面のプロデューサーですね。こういう表記も、こっそりかなり目新しいものだったと思います。.
First Things First.
Punkin’ Head.
Soft Wind.フリー・デザインのデドリック兄弟姉妹を音楽の道に誘う大きな要因の一つが、おじであるラスティ・デドリックがニューヨークのジャズ・シーンで活動していたことでした。ラスティはスター・プレイヤーではありませんが、トランペッターとしてのみならず知的な構造を持つ楽曲の作曲/アレンジにも多才を発揮した人物。この71年のソロでもソーンヒル的なビッグバンド、女性シンガー起用曲、小気味好いコンボ、知的なボッサなど、才能の奥深さを慎ましく示しています。.
Discussion.
How About Me?.
Umbrella Man.東ヨーロッパはブルガリアのジャズに焦点を当てたコンピレーション。まだ情報の少ない当時に宝石のようなレア・グルーヴを集めるのは至難の技。本作にも入手困難な秘宝が惜しげもなく収録。東欧でのブラジル音楽の流行から生まれたであろう Focus 65「Sombrero」Jazz Quartet「Samba」や、フュージョン・ファンク Simeon Shterev Quartet「Sunset-Sunrise」など、クラブ・ジャズの視点で幅広く選曲されています。「Sunrise Sunset」を逆にした曲名(本作のタイトルにもなっています)からしてクールです。.
Sombrero.
Hallelujah.
Sunset-Sunrise.フランスのレーベルBlack & Blueに吹き込んだクインテット・セッション盤のUSリリースです。録音場所はニース。メンバーはハリー・エディスン、メジャー・ホリー、ジェラルド・ウィギンス、オシー・ジョンソンと旧友たちばかり。そりゃ気心が知れた演奏になるはずです。ベテランたちの若々しいスイングをどうぞ。.
Jim Dawg.
Meditation.
Light And Lovely.1960年代に入ってのち「A Taste Of Honey」の作者としてグラミーを授賞し、作曲家、ピアニスト、アレンジャー、プロデューサーとして名を成す彼の初期キャリア作品。この時点では、まったくストレートな4ジャズの世界に身を置いていることがわかります。MJQやジョージ・シアリングにも似た世界を、もう少し自分の身に寄せてプライベート感を増したような音楽。ギターにディック・ガルシア、ベースにテディ・コティック。ヴァイヴはボビー自身です。自作を2曲収録。知的で穏やかな響きに惹かれます。当時まだ22歳!.
Serenata.
The Poddler.
Lover Man.もっとも親密な。そのタイトルに偽りはありません。東海岸ジャズシーンの名トランペター、チャーリー・シェイヴァースのウィズ・ストリングス盤。ゆったりとふくよかな音色を大仰にならずにストリングスがエスコート。両面ともに曲間をほとんど空けずに編集されているので、心地よいムードがずっと続きます。至高の愉楽です。日本語解説付。.
Ill Wind.
Stormy Weather.
I Cover The Waterfront.クレオ・レーンのアレンジャーとして知られ、ブリティッシュ・ジャズやサントラでも才能を遺憾なく発揮した奇才が、イギリスの国民的文豪チャールズ・ディケンスの小説からのインスパイアを作品化した異色のビッグバンド・ジャズ。独創的かつ立体的な作風、ここに極まれり。タビー・ヘイス、ロニー・スコットら英ジャズ界の俊英がゲスト参加。.
The Prologue.
Demdest Little Fascinator.
Waiting For Something To Turn Up.フルート、テナーサックス奏者としてスタイリッシュな演奏に定評があったサム・モストの50年代10インチ。この時期の彼のカルテットでピアノを弾いているのはボブ・ドロウ。ここではそこにトランペットとトロンボーンも加えてカラフルなサウンドにしています。ドロウは「Scroobydoo」「Eullalila」といった言葉遊びみたいなタイトルのオリジナル曲も提供。作品に知的な遊び心を加えています。.
Scroobydoo.
A Cuss Called Coss.
There’ll Never Be Another You.ビッグバンド時代に若さと才能で頭角を現し、1950年代に到来したLPレコード時代にジャズスターとなったジョージー・オールド。時代の変化を味方にするタイミングをとらえていた人とも言えますね。これが彼が自身のリーダー名義でリリースした初のアルバム。旧来のスイングから抜け出そうとする瞬間もあちこちにあります。.
They Don’t Believe Me.
Vox Bop.
Settin’ The Place.1906年生まれで戦前スイング世代のサックスマンが1955年にBethlehemに残した10インチです。サイドマンとしての活動が長く、50代を迎えようという時期に吹き込んだ本作が初のリーダー作。スタイルはすでにバップになっていて、彼より年若のプレイヤーたちと快調にセッションしています。エンジニアで若きトム・ダウドがクレジットされていますね。ジャケット・デザインはバート・ゴールドブラット。日本語解説付。.
There Will Never Be Another You.
I Can’t Believe You’re In Love.
The World Is Waiting For The Sunrise.頭脳派ジャズ・ギタリスト、サル・サルヴァドール率いるビッグバンドジャズ。事実上のプロデュースをのちにボブ・ディランとコンビを組むトム・ウィルソンが担当。何が変わっているというと、この音色。ほとんどノンエコーなんです。ビッグバンド独特のやかましさが無く、緊張感と洒落っ気に満ちた雰囲気。ボッサな「Baoto」はキラー! シェリル・イースリーという女性ヴォーカリストの参加が意表を突くチャームポイント!.
Baoto.
Another Page.
All The Things You Are.