天才ベーシスト、ジミー・ブラントンが短期間在籍した1940年前後、エリントンのビッグバンドジャズは画期的に進化しました。その時期に残された音源を中心に、自身の音楽を見極めていく過程が感じられる編集盤です。「Jack The Bear」冒頭のブラントンのベース、誰も先駆者がいなかったなかで彼が試した自由なベースライン、今聴いてもゾクゾクします。.
United Artists Jazzシリーズのアルバムは内容、アートワーク共に全部持っておきたいハイクオリティ! 黒人オルガン奏者とオリバー・ネルソンのビッグバンドによる、黒くて構築的でアイデア豊かな“ソウル・ジャズ”です。オープニングを飾る「A Taste Of Honey」から目が覚める思い。レイ・バレットのコンガが全体を力強く鼓舞しています。ジャケットに描かれた少女は、のちに「The Knack」に主演するリタ・トゥシンハムがモデル(映画「A Taste Of Honey」で英国アカデミー新人賞を受賞)。.
イギリスのコンポーザー/アレンジャー、ジョニー・スコットがロンドンをテーマに構成したビッグバンド・スイング・アルバム。実力者スタジオ・ジャズマンたちの豊かな演奏に、上品かつモダンなアレンジでお送りするサウンドスケープ。ロンドンのウェストエンドにある劇場街の名門パレス・シアターで「Sound Of Music」を見て来たカップルを写したジャケットが、また気分をいっそう盛り立ててくれます。ラストの「London Bridge Is Falling Down」でビックリ!.
収録曲・データ
【曲目】Let’s All Go Down The Strand / They’re Changing Guard At Buckingham Palace / Chelsea Bridge / Knocked ‘Em In The Old Kent Rod / The Trees In Grosvenor Square / Limehouse Blues // London By Night / Greek Street, Soho / A Nightingale Sang In Berkeley Square / Covent Garden Starts Early / Springtime In Piccadilly Circus / London Bridge Is Falling Down
トランペッター、メイナード・ファーガソンのドイツMPS録音。ビッグバンドのアレンジはロルフ・ハンス・ミュラー。すでに同時代のアメリカでは聴くことが難しくなっているストレートなビッグバンド・サウンド+ヨーロッパ的なシャープネスで構築された作品です。「It's Almost Like Being In Love」がシャープ!.
収録曲・データ
【曲目】It's Almost Like Being In Love / Knarf / Ole / Dancing Nitely // Tenderly / Whisper Not / Got The Spirit
グレン・ミラーに並々ならぬ恩恵を受けて育ったヴォーカリストたちとサックス奏者が一同に介し、モダンなポップ・ヒットをグレン・ミラー・ビッグバンドのスタイルで解釈したナイス・アルバム。テックス・ベネキーとモダネアーズが歌う「Long Tall Texan」レイ・エバールが歌うバカラック・ナンバー「Wives And Lovers」も良いし、インストでは小気味よくスイングする「Java」を推薦!.
“ノスタルジアでは無いアクティブなビッグバンドを!”というコンセプトのもの制作されたチャーリー・バーネットの67年式ビッグバンド・アルバム。アレンジは伝統的なものながら、リズムのアタックなど、高速ナンバーでの冴えは確かに気合い入ってます。「Rabble Rouser」「Bali Bali Buck Dance」などいかしたオリジナル中心の選曲!.
“From The Creative World Of”の名義を用いるようになった60年代のケントンは、自らの門下生たちにテーマを与え、彼らが用意した楽曲及びアレンジを使って作品をリリースしていきます。本作で指名されたのはジーン・ローランド。”Blues”といっても、いわゆる黒人のブルースだけではなく、情感の表現、黒人ルーツの探求など様々な視点が試みられています。死ぬまで自分が動き続けたエリントンとは違うアプローチで、自身の音楽を追究したケントン。ちゃんと研究するとすごい人だと思います。.
スタン・ケントンが1943年にCapitolと専属契約を交わす直前の数年に在籍したDeccaでのレコーディングをまとめた一枚です。この時期のレコーディングは、おそらくこのかたちでしかアナログLPになっていないのでは? 「発達期」というタイトルが示す通り、快活な30年代風ダンスバンド作品に混じって「Reed Rapture」「Concerto For Doghouse」といった野心的なオリジナルがチラホラ。「Tabu」のアレンジも斬新です。.
収録曲・データ
【曲目】El Choclo / Gambler’s Blues / Lamento Gitano / The Nango // Tabu / This Love Of Mine / Reed Rapture / Concerto For Doghouse / Adios
もちろんグレン・ミラーはとっくに亡くなっているわけでして、この時期はクラリネット奏者バディ・デフランコがリーダーを務めています。さて、こちらはPANAM社とタイアップした世界周遊モダンサウンド。複数のアレンジャーが参加していますが、中でもビリー・ヴァー・プランクが手がけたトラック「Spanish Bell Ringer」「On The Bridge」が秀逸です。とくに後者(アヴィニヨン橋の上で)は「えー? これがグレン・ミラー?」と驚きの声があがるはず。.
収録曲・データ
【曲目】I Hear A Rhapsody / Spanish Bell Ringer / Once Upon A Time / On The Bridge / Things Ain't What They Used To Be // Goin' Great / Try To Remember / Holiday For Strings / I Remember When / Stranger In Paradise
巨人エリントンが生前に書き遺し、その一部しか陽の目を見ていなかった組曲「Symphony In Black」完全版をライヴで再現しようというスミソニアン博物館主導のプロジェクト。ガンサー・シュラーの指揮のもと、ルー・ソロフ、トム・ハレル、サル・ニスティコら歴戦のミュージシャンがその名誉ある仕事に挑みました。.