マーティン・デニー楽団から脱退し、自分のリーダーコンボでわが道を歩み始めたアーサー・ライマン。エコー感たっぷりのヴィブラフォンを中心にしたドリーミーな世界は、ラウンジ化、ポップ化するデニーとは一線を画していました。このアルバムでもラヴェルの「ボレロ」を取り上げていますが、エコー感、異常な遅いテンポなど凄みすら感じます。.
Ravel’s Bolero.
Yellow Bird.
Bamboo Tamboo.マーティン・デニー・グループの初代ヴィブラフォン/マリンバ奏者。独立後はデニーのライバルとして数多くの作品をリリース。エキゾチカのブームが過ぎ去っても、自らのトレードマークを下ろさずに活動を続けました。本作はハワイと中南米をつなぐ試み。ラテンの名曲をハワイ流エキゾに塗り替えていきます。.
Bim Bam Boom.
La Paloma.
La Cumparsa.アーサー・ライマンの今聴くべきアルバムはこれかもしれません。安易な企画物と見間違えそうなアートワークや、選曲のポップさ=チープさという偏見が、この傑作を素通りさせていたんだと思います。A-1「The Windmills Of Your Mind」でのソリッドなリズムに驚くヒマもなく、続く「Talk To The Animals」「Mrs. Robinson」のかっこよさに常識をくつがえされます。ジャズアレンジの「With A Little Help From My Friends」にも口あんぐりです!.
風のささやき.
With A Little Help From My Friends .
Mrs. Robinson.マーティン・デニー・グループの初代マリンバ奏者。早々にグループを抜け、自身のリーダーバンドで着実にキャリアを築きました。ハリウッド的なラウンジ路線に進んだデニーとは対照的に、彼はプレイヤーとしての快感にこだわってスモールコンボ作品をどんどん作っていたのです。このアルバムでもハリウッド産の絢爛豪華なパーカッションというより、身近にあるものを鳴らしているDIY感があって、それがとてもいいです。.
Never On Sunday.
Geisha Waltz.
Moanin’.詩人、作曲家、シンガーであり、アメリカのビートニク・シーンのもっともポップなアイコンのひとりでもあり。彼が朗読する自作詩をジャジーで静謐なアレンジでバックアップしたアルバムです。のちにアニタ・カーとのコラボでこの路線で大成功をおさめますが、ここでの彼はより若く孤独でインモラルな空気をまとっています。B面には「Tokyo」というエキゾチックなピースもあり。しんとした夜にどうぞ。.
Desire.
The Young.
Tokyo.ハワイの男性コーラスカルテット。同レーベルより発表したデビュー作「On The Rocks」がハワイのトラッド系作品の代表作だとすると、このセカンドはエキゾ色強めながら正統派ジャズコーラスに。「Breeze And I」「Prefidia」などではハワイアンラウンジ感満点+ジャズハーモニー。緩急の変化を見せるリズムの処理、意表を突いたストリングスなど、アレンジャーアイデアが抜群なのです!.
Breeze And I.
Prefidia.
Canadian Sunset.ジェラルド・ウィギンスの名でも知られるピアニストが、全編オルガンで通したアルバムです。ウィギンスとドラムス、サックス(ハロルド・ランド)という編成。ハモンドの響きも気持ちいいし、オルガントリオ(ベースレスの場合)はドラマーの自由度も楽しめるのですよね。「Night In Tunisia」など構成の緩急も楽しいです!.
Wiggin’ Out.
Night In Tunisia.
Without A Song.ハワイの男性コーラス・カルテット。同レーベルより発表したデビュー作「On The Rocks」がハワイのトラッド系作品の代表作だとすると、エキゾ系コーラスの代表作がこちら。「Breeze And I」「Prefidia」などをハワイアンラウンジ感満点にハモリます。緩急の変化を見せるリズムの処理、意表を突いたストリングスなど、アレンジのホール・ダニエルスのアイデアが抜群なのです! ファーストよりもずっとレアなセカンドアルバム。.
The Breeze And I.
Prefidia.
Jungle Drums.