ジャズ、ポピュラー、ソウルのジャンルを超えて若々しい魅力を放っていた60年代のナンシー・ウィルソン。彼女の魅力を、有名スタンダードソングにこだわらず、当時の公民権問題で揺れるアメリカの人々の社会意識に触れる曲でまとめたアルバムです。ファンクともいえるほどかっこいい「Peace Of Mind」をぜひ! ベースが暴れまくる「Out Of This World」も!.
アップデートなナンバーとスタンダーとを織り交ぜながら、晴れやかなポップス路線で作品を制作していたCapitol時代の一枚。スタンダードの間に挟まれたテクニカルなジャズポップ「It’s Time To Go」(最高!)など、知られざるアッパ−な作品に、食指が伸びます。バカラック風の「Never Less Than Yesterday」も聞き物。.
ぐっとソウルっぽさを増した69年のアルバム。「By The Time I Get To Phoenix」などではシルキーなストリングスでバラードに仕立てるなど、ジャズシンガーらしいムーディーなアプローチも共存。それがまた現代の耳にはスリルにもなってます。ファンキーな「Got It Together」を提供しているチャールズ・W・レイニーって、あの名ベーシスト、チャック・レイニーのことなんですよ。.
収録曲・データ
【曲目】Son Of A Preacher man / By The I Get To Phoenix / Mr.Walker It’s All Over / I made You This Way / Almost Persuaded // Got It Together / Make The World Go Away / Husbands And Wives / Little Green Apples / Trouble In Mind /
彼女にとっては2枚目のブロードウェイ名曲集。60年代半ばのヒット・ミュージカルからの楽曲を多く収めています。レーベルメイト(?)のビートルズを意識したようなビート・アレンジの「He Loves Me」など、この時代ならではのかっこいいアレンジ多数。さっそうとスイングする「This Dream」「I Had A Ball」など、かっこいいだけでなく歌の上手さが際立ってます。.
収録曲・データ
【曲目】Hey There / This Dream / I’ll Only Miss Him When I Think Of Him / He Loves Me / Here’s That Rainy Day / I Had A Ball // Hello, Dolly / Makin’ Whoopee! / Somewhere / I’ve Got Your Number / Young And Foolish / You’d Better Love Me
かっこよくグルーヴするサンバ・アレンジの「Gentle On My Mind」が最高です! ナンシー・ウィルソンの時代への対応力を見せつけたナンバーですね。洒落たワルツ・アレンジの「Love Is Blue」では、艶やかにしっとりと。ボッサな「The Look Of Love」や、ドラマティックな展開が素晴らしい「Face It Girl, It’s Over」など、多作のせいもあって、彼女には見落とされているアルバムがまだまだ多いなと痛感しました。プロデュースはデイヴ・キャヴァナー。.
収録曲・データ
【曲目】Wave / Make Me A Present Of You / Gentle On My Mind / When I Look In Your Eyes / Love Is Blue / Walk Away // Face It Girl, It’s Over / The Look Of Love / One Like You / Make Me Rainbows / How Insensitive