ヤング・ホルト・トリオからヤング・ホルト・アンリミテッドに改名して最初の作品で、通算ではライヴも含め3枚目。ラウンジーなファンキーさにあふれた一枚。「Dig Her Walk」「Yon Gimme Thum」などの男気溢れるかっこよさがたまりません! モッド! 「Ain’t No Mountain High Enough」はかっこいい! ソニー&シェールのヒット曲を黒々としたジャズファンクに塗り替えたタイトル曲もヨロシク!.
Dig Her Walk.
Ain’t No Mountain High Enough.
The Beat Goes On.パット・マルティーノやローランド・カークとの共演で知られる女流オルガン奏者。マニアックな存在だった彼女が、いつの間にかソウルジャズ・クイーンのひとりになっているんだから時代って不思議です。本作が2作目のリーダー・アルバム。パット・マルティーノ(g)ビル・カーニー(ds)とのトリオ編成であることが信じられないほど濃密! 「What The World Needs Now」のかっこよさ! 歌もディープ! オルガンを弾くゴッドねえちゃん!.
Organology.
The House Of The Rising Sun.
What The World Needs Now.聞き慣れない名前のミュージシャンと思いきや、ジャズアレンジャー、パット・ウィリアムスのことです。70年代を迎え、新しい時代のジャズを探し求める過程で産み落とされたジャズ/ロック融合盤。ジェームス・テイラー「Country Road」ポール・マッカートニー「Junk」ザ・バンド「Long Black Veil」などなどの選曲! タイトル曲はCS&Nでお馴染みのあの曲を大胆にジャズファンク化。.
Country Road.
Silent Spring.
Carry On.オランダのバーニー・ケッセルとも言われる職人肌のギタリスト。70年代ポップな選曲もツボな1枚。エルトン・ジョンの「Your Song」アン・マレー「Snowbird」、そしてジャズ・ギタリストのチョイスとしては珍しいランディ・ニューマン「I Think It’s Going To Rain Today」など。とろんとした音色で奏でるギターが醸し出す穏やかな世界観が、どのアルバムでも素晴らしいです。日本人リスナーに好まれる個性なんです。.
Your Song.
Snowbird.
I Think It’s Going To Rain Today.全曲を自作曲で固めたアルバム。オランダを代表する音楽家との共演アルバムにおいて、静かに伴奏を添える控えめな編曲家との印象を持っていましたが、ここではいつになくソウルフルなリズムが躍動し、派手にブラスを響かせています。ダイナミックに汗をかいた後には、涼風のようなサウンドを配するなど、”動”と”静”のスリリングなドラマが見事でサウンドトラックのよう。クインシー・ジョーンズやクラウス・オガーマン好きならぜひ!.
Go On Forever (We Zullen Doorgaan).
My Dearest Fluffie.
The Eternal Triangle.なんとなくイカさないジャケですが、聴いてビックリ。ヴィブラフォンをメインにしたジャズ・コンボ。全曲クルト・ワイルで統一というコンセプトが新鮮です。ハイスピードでグルーヴする「Speak Low」に仰天。「This Is New」や「A Rhyme For Angela」にはブラジリアン・テイストが。ラストの「September Song」はフュージョン風味のリズムの刻みすら。掘り出し物だと宣言します。.
Speak Low.
This Is New.
A Rhyme For Angela.67年のモンタレージャズフェスで全米デビューを飾ったヨーロッパ出身の天才ジャズヴァイオリニスト。ザッパと交流し、70年代にはフュージョン界のスターになります。ジョージ・グランツ、ドラマー、ダニエル・ユメールらヨーロッパ組と録音した本作の。ブレントン・ウッド「Gimme Little Sign」では、あのグッドタイミーなソウルナンバーを異種格闘技ばりの手腕でポップジャズ化。「With A Little Help From My Friends」のアレンジも凄い!.
Gimme Little Sign.
Pata Pata.
With A Little Help From My Friends.ブラジリアン・フィーリングにあふれた高速フュージョン・ジャズや、ジャジィでファンキーなヴォーカル・ナンバーを身上とする女性グループ。パーカッシヴな演奏力はやはり圧倒的。ギル・スコット・ヘロン作のA-1「Willing」から一気に煽られます。続くタイトル曲のクールな4ビートも爽快! メロウなボッサ・チューン「Heaven Is In Your Mind」で感動的にフィナーレを迎えるライヴ・アルバム。.
Willing.
Call It Jazz.
Heaven Is In Your Mind.ナッシュヴィルの黒人オルガン奏者。ちょっと想像しにくいですが、ちゃんと実在するのです。レイ・スティーヴンスやブーツ・ランドルフのバックでキャリアを積んだ彼が挑戦した、カントリーとソウルジャズの融合! たとえば「Big Daddy」でが、バンジョーの早弾きリックとハモンドのスリリングなせめぎ合い(2拍子のダンスビート!)へ昇華! からの、メロウにワルツする「With Pen In Hand」への流れも最高。拍手です。.
Big Daddy.
With Pen In Hand.
Fancy.ウエストコーストの売れっ子黒人セッションドラマー。Blue Thumbに残したセカンドリーダー作です。名匠トミー・リピューマのプロデュースとアル・シュミットのエンジニアリングという黄金コンビ。ベトナム戦争末期の状況やニクソン汚職など、混迷を深めるアメリカに「目を覚ませ」と呼びかけるニューソウル的なジャズファンク作。レギュラーバンドでの録音にジョー・サンプルらがゲスト参加しています。.
Uncle Willie’s Dream.
I’d Walk A Mile For A While.
That’s Deep.ジャズ/ソウル・シーンにあって優美かつ革新的なストリングス・アレンジを手掛けてきた黒人アレンジャー、ジョニー・ペイトを起用した意欲作。フィル・ウッズのなめらかでよく歌うサックスも快調ですが、とにかくペイトのアレンジがすさまじい! ヤング・ラスカルズの「How Can I Be Sure」で爆発をしてみせるストリングス、これはありえない! 綿密に計算されているはずなのに、どこまでもスリリング。.
How Can I Be Sure.
I’m All Smiles.
Round Trip.彼こそオランダのクラウス・オガーマンだったと思い知らされる74年の傑作ソロ・アルバムです。リタ・ライス、ルイス・ヴァン・ダイクなど同国の数々のミュージシャンに彩りとクールな美学を与えてきた彼のオーケストレーションと、CTI/MPSへの憧憬を感じさせるスタイリッシュでグルーヴィーなサウンド。その相克と融合をスリリングに記録したアルバムです。ジャケットで譜面台を見つめる彼のまなざしには未来が見えていたんだと思います。トゥーツ・シールマンスも参加。.
Help.
Green In Between.
Munchi ‘74.1990年代のレアグルーヴの文脈でようやくシカゴの名門Chessの分家であるArgo、Cadetの個性はわかったのかも。60年代末、これらのレーベルに残されたソウル、ファンク、ジャズ、ブルースが融合したサウンドの多彩さ、かっこよさが認められていったのだと思います。このコンピレーションはその認識の第一歩を作った重要な作品。.
Voodoo Chile.
I’m High Again.
Les Fleurs.「Memphis Underground」直前のハービー・マン。ストリングスを交え、ポップかつリズミカルなジャズを披露しています。ルルの「To Sir With Love」のあしらいや、思い切ってカリプソにしたドノヴァン「There Is A Mountain」もお見事。素晴らしいのはプロデューサーも務めるトリー・ズィトーの提供した「Flight Of The Bluebird」! この飛翔感、さからえません!.
To Sir, With Love.
Flight Of The Bluebird.
There Is A Mountain.1950年代からベイシー楽団のサイドマンとしてのキャリアを積んできたサックスプレイヤー。ソロに転じ、60年代に入ってからはソウルフルでモダンなスタイルに転身。Blue Noteに残した唯一のアルバムである本作でも、かっこよく吹きまくっています。ぶりぶりとした熱さではなく、クールさも兼ね備えてます。A-1「Little Miss No Noise」のミッキー・ローカーのドラムとの絡みのかっこよさ! 三管のセクステット編成で、6曲中5曲はフォスターの自作。.
Little Miss No Noise.
Manhattan Fever.
You Gotta Be Kiddin’.ジェラルド・ウィギンスの名でも知られるピアニストが、全編オルガンで通したアルバムです。ウィギンスとドラムス、サックス(ハロルド・ランド)という編成。ハモンドの響きも気持ちいいし、オルガントリオ(ベースレスの場合)はドラマーの自由度も楽しめるのですよね。「Night In Tunisia」など構成の緩急も楽しいです!.
Wiggin’ Out.
Night In Tunisia.
Without A Song.クインテット名義ですが、全体をオリヴァー・ネルソンのビッグバンドがバックアップ。タイトル曲をはじめ「Norwegian Wood」「Satisfaction」などポップスやロックのヒットを選曲しているのでポップすぎるのでは? という危惧もあるでしょう。しかし、それは杞憂。ダイナミックでミスティックかつインテリジェント。どの曲にも気になるリフやフックが満載です。「Elusive Butterfly」の美しさはインスト・ソフトロックの領域! 自身でアレンジした「Acapulco Gold」ではシタールも爆発!.
Acapulco Gold.
Elusive Butterfly.
マンデイ、マンデイ.LAロックの中心地的存在だったライブハウス「ウィスキー・ア・ゴーゴー」でのライブ盤。片面1曲ずつの長いインプロヴィゼーション主体ですが、リフはファンク/ソウル仕様なのがとにかくかっこいいです。この時期の彼のバンドはロイ・エアーズ、ソニー・シャーロック、スティーヴ・マーカス、ミロスラフ・ヴィトゥスが参加したすごいメンバー!.
Ooh baby.
Philly Dog.
Philly Dog.古くは50年代から器用なマリンバ・プレイヤーとしてイージー・リスニングやラウンジ作品に重用されてきた人ですが、故国カナダに戻ってから発表した70年代の作品は、メロウ・ジャズ/フュージョンとしてひそかに注目を浴びています。本作はヴィクター・フェルドマンら欧米のいぶし銀ミュージシャンを迎えて録音した1977年作。女性ハーピスト、ドロシー・ホワイトの存在が効いています。本作ももちろんカナダ・オンリー。.
Pavanne Pour Une Infante Defunte.
You put The Shine On Me.
A Face Like Yours.ドイツのMPSはアメリカのCTI同様に70年代以降のフュージョンの先駆けともいえるクールなサウンドを作り出していた名レーベル。ジャズミュージシャンたちの意欲的なマインドに良質な音響、美的パッケージ、新しいリスナー層を与えていました。そこに残された音源をDJたちが再発見する流れは90年代にはすでにありました。この2枚組コンピレーションでも、MPSの意欲と足跡をスリリングな楽曲とともに味わえます。.
Bulgarian Beans.
A Grand Nite For Swinging.
The World Is A Ghetto.カナダの女流フルート/サックス奏者のセカンド・アルバム。シンガーでもある彼女のスキャットを活かした素晴らしいブラジリアン・ナンバー「Music In My Heart」でレアグルーヴDJたちに知られた一枚です。ジャズファンク的なインストとシンガー・ソングライター的な楽曲が同居。彼女の歌は同じカナダのジョニ・ミッチェルに通じる気配です。.
Music In My Heart.
Katrina.
More Than Ever.Blue Noteの常連というイメージの彼らがLimelightに残したファンキーなライヴアルバム。シカゴにあるロンドンハウスというクラブでのライヴです。ラムゼイ・ルイスほどポップス寄りではないですが、ファンキーでブルージーな演奏がたっぷり。バックビートもイカした「Downtown」で幕開けするコンサート。それほど大きくなさそうなクラブの雰囲気で、お客さんもサビを大合唱したり。こんな演奏に立ち会えたら、幸せでしょうね。.
Downtown.
Mohair Sam.
Simple Simon.若いメンバー4人を迎えて、歴戦のドラマー、シェリー・マンが挑んだ新境地。作曲も彼らにまかせ、エレクトリック・マイルス周辺の動きにも影響されたような、ジャズロックサウンドに向かっています。「Outside(外側)」というタイトルが示すのはまさに、これまでのジャズのルーティンから飛び出す意識でした。.
River Running.
Steve.
Don’t Know.スティール・ドラムと流麗フィリー・ディスコが溶接されたジョン・ギブスの名盤『スティール・ファンク』(1977年)世界初CD化! 今回のリリースはルイス・デリスがマスターテープからリマスター(一部再ミックス)を施した「2014年版」。1977年オリジナル版と別物の質感に変貌。CD版には同「J'Ouvert」ともうひとつのアルバム未収曲「Trinidad (Disco Mix)」をボーナス収録。「J'Ouvert」はDJハーヴェイもプレイする人気チューン。先行発売の12インチ2種と完全ヴァージョン違い&ダブりなし!.
この時期のソニー・スティットはアンプを外付けした電化サックスを使用していたためジャズファンからの評価が低いんですよね。時流を見極めてモダンなサウンドを求めていたトライは再検討に値します。バックはエリック・ゲイル、ポール・グリフィンなど良いメンツ。選曲もよいです。.
Little Green Apples.
I Say A Little Prayer.
Girl Watcher.アメリカ東部の音楽都市ピッツバーグを根城に伸び伸びと活動するジャズ・トロンボーン奏者。R&Bもジャイヴも手の内に収め、小難しい理屈など屁とも思わぬ気持ちよさですいすいと演奏しています。トロンボーンによる、ほぼワンホーンのコンボというのも珍しい編成。ちょっと緩んだぐらいのグルーヴが、いい感じ。人肌程度に“燗”したような踊れるジャズです。.
Little Liza Jane.
After You’ve Gone.
Bill Bailey Won’t You Please.ニューオリンズで自ら経営するラウンジを拠点として活動したため、全国的な評価は得られず。しかし、常識にとらわれないでポップスなどをとりあげていくセンスに信頼があります。このアルバムではホーンセクションも加えたグルーヴィーなサウンドを展開。シカゴ「いったい現実を把握している者はいるだろうか」カヴァーがいいですね。「Going Out Of My Head」や「You’ve Got A Friend」もナイスアレンジ!.
Does Anybody Really Know What Time Is.
Goin' Out Of My Head.
You’ve Got A Friend.70年代にソウルジャズ名門レーベルの屋号に転用されたタイトルを持つことで、内容以上に存在が有名になってしまったアルバム。リーダーのジェローム・リチャードソンはサックス、フルートを各種使い分けるマルチリード奏者で、サイドマン、スタジオミュージシャンとしても有用多忙な人物。ポップスやソウルをとりあげたこのアルバムは「グルーヴィーなものならなんでもござれ」な名刺代わりでもあったのかも。.
Gimme Little Sign.
Knock On Wood.
Sunny.アメリカが公民権運動や人種問題、長引くベトナム戦争で揺れていた時代。黒人たちの奴隷からの自立を強いメッセージとして突きつけた問題作。ハーバート・バイバーマンの詩にボビー・スコットがメロディをつけ、ゲイリー・マクファーランドがアレンジ、そしてグラディ・テイトが歌い、ドラムをプレイ。非常に重たい内容をしっかりとしたジャズファンク/R&Bとして成立させています。.
Slaves.
Meetin’ House.
Nightwind.ロックオペラ「ジーザス・クライスト・スーパースター」の楽曲をパワフルにリメイク。パーシー・フェイスのダイナミックなリズム感覚が如実に現れています。もうほとんどこれはブラスロック! それでいてストリングスへの細やかな配慮は失われていません。大きな音で味わってください。.
Superstar.
What's The Buzz.
The Temple.