70年代、キャリアハイを迎えていた彼らの大ヒット・アルバムです。ニューソウル的なテーマを引き受け、フィリーソウルの表現の幅を広げた一枚。まさにすべてのソウル・ファン、音楽ファンに届くフレーズを掲げたシングル「I Love Music」は全米5位(R&Bチャートでは1位)を記録。アルバムも最高7位を記録しました。.
全米ナンバーワン・ヒットにして不倫ソウルの決定版バラード「Me And Mrs. Jones」を収録した、彼の代表作。もちろんそれが聴き所なのですが、そこばかりに気を取られると、もともとジャズ・ソウル的なセンスに長けたこの人の本質を見失いかねません。キャロル・キング「It’s Too Late」エルトン・ジョン「Your Song」のカヴァーなど、この人ならではのセンスの良さを感じます。.
1972年の大ヒット「Me And Mrs. Jones」の大ヒットでよくもわるくもバラード歌手のイメージがありますが、実際の彼はジャズのセンスもあり、ファンクナンバーも自在にこなします。彼の魅力をフィリーソウルのフォーマットでもっともよく体現しているのは、じつはこのあたりのアルバムではないでしょうか。ギャンブル&ハフのプロデュース。.
R&B/ジャズの両面で60年代からのキャリアを誇るベテランシンガーのルー・ロウルズのフィリー詣。ギャンブル&ハフ作の「You’ll Never Find Another Love Like Mine」が全米2位の大ヒットとなり、見事にこの路線は成功しました。踊りまくるファンキーさとはまた違った大人の表現がたまりません。.
「Tighten Up」のアーチー・ベル&ザ・ドレルズも、すっかり成熟した70sフィリーソウルに。A-1「Let's Groove」のイントロでは、懐かしの「Tighten Up」調の煽りMCが登場。気分を盛り上げてくれます。サヴァンナ・バンド風のメロウ・ノスタルジアが効いた「I Could Dance All Night」が火照った体に染み渡ります。.
Philadelphia International所属時代のリリースとしてはもっともブルージーな方向に向かった1枚ですが、ポール・デイヴィス「I Go Crazy」の良カヴァーが入っています。これはAORファンも要注意。「ふられた気持ち」のドラマチックなカヴァーもあり。全編を通じて夜更に聴きたいムードです。.
フィリーソウルの屋台骨を半世紀以上にわたって支え続け、2019年にキャリアを終了したオージェイズ。70年代は彼らの絶頂期。フィリーのしゃれたサウンドに身を任せていても歌から気骨が伝わってくるのが彼らのよさです。盟友ギャンブル&ハフ、新世代の才能マクファーデン&ホワイトヘッド、そして彼ら自身のプロデュース。「We’re All In This Thing Together」はサヴァンナ・バンドのフィールもあってすごくいいです。.