異色作。インスト中心で、彼のトレードマークであるヴォーカルは無く、ゲストに歌わせています。コンセプトアルバムのような風格がありながら、サウンドのバラエティは支離滅裂寸前。美しいオーケストラからラーガロックと南部サウンドを結びつけたヒップなインストまで。圧巻は1分11秒でオペラ「蝶々夫人」を再構成した「The Complete Madame Butterfly」! 降参です!.
The Complete Madame Butterfly.
Eastward The Buffalo.
The Way It Was Before.50年代から詩人、シンガー、プロデューサーとしてアメリカのレコードビジネスで影響力を持ち続けたマキューン。決して派手さがなく、耽美的な陰影を放つこの人がどうしてアメリカで支持されてきたのでしょう。もしかしたらそれがアメリカ的なわびさびなのかも。79年の本作は円熟期といえる作風。「ウェストサイド物語」の「Somewhere」以外すべて自作。その「Somewhere」もすばらしいです。.
Every Highway Is My Friend.
Somewhere.
Shadows.自身のレーベルであるStanyan設立直後のリリース。まだメジャーの配給を受けておらず自主販売に近い状況だった時期のレコードはレア。63年にHorizonレーベルにもフォークアルバムはありますがf、こちらは68年の作品。キングストン・トリオが取り上げた「Two-Ten, Six-Eighteen」「Ally-Ally Oxen Free」などの自作曲に加えて、ディランやジョン・D・ラウダーミルクの曲も。実在のシンガーたちをやり玉に挙げた「Advice To Folk Singers」がヒップ。フォークシーンに交わらない視点が印象的です。.
Two-Ten, Six-Eighteen.
Advice To Folk Singers.
Maybe Tomorrow.彼がDeccaレコードと契約していたのは50年代末。なので約10年ぶりに同社からのリリースということになります。ですが、音源を聴く限り、おそらくこれは50年代の音源をまとめたもの。当時のシングル音源を中心に選曲されています。思いがけずロックな「Lonesome Traveller」がかっこいいですね。「Scarlet Ribbons」のような寂しさとロマンティックさの共存は、彼の得意中の得意。若い頃から寂寥感の持ち主。やっぱり、やられます。.
Lonesome Traveller.
Scarlet Ribbons.
Sure.