アーサー・ライマンの今一番聴くべきアルバムは、これかもしれません。安易な企画物と見間違えそうなアートワークや、選曲のポップさ=チープさという偏見が、この傑作を素通りさせていたんだと思います。A-1「The Windmills Of Your Mind」でのソリッドなリズムに驚くヒマもなく、続く「Talk To The Animals」「Mrs. Robinson」のかっこよさに常識をくつがえされます。まるでWorld Pacificから出ているジャズ・アルバムに入ってそうなアレンジの「With A Little Help From My Friends」にも口あんぐりです!.
収録曲・データ
【曲目】The Windmills Of Your Mind / Talk To The Animals / Mrs. Robinson / Love Is Blue / Those Were The Days / With A Little Help From My Friends // Camelot / Sunrise Sunset / The Look Of Love / Honey / The Sound Of Silence
【曲目】One Note Samba / Blue Prelude / Desafinado / Nevermore / Samba Da Borboleta / Pensativa // On Green Dolphin Street / Come Rain Or Come Shine / Mahna De Carnaval / Algo Novo / Black satin / Amazona’s Legend
70年代に入ってどんどんコンテンポラリーなサウンドにアップデートしてゆくジョニー・マティス。このアルバムでもメロウソウルの巨匠ジーン・ペイジをアレンジャーに迎え、芳醇なグルーヴに身を任せています。なにしろこのシルキーな歌声は天からの授かりもの! 「Begin The Beguine」はフリオ・イグレシアスのカヴァーの元になったヴァージョン! 「As Time Goes By」のようなスタンダードもすごく気持ちよい仕上がりです。.
【曲目】Ultimo Tango A Parigi (Last Tango in Paris) / Lei, Lei (Rain Rain Rain) / My Love / Venezuela Suya / Tu Te Reconnaitras / Forever And Ever // La Revolution Francaise / The World Is A Circle / Les Gondoles A Venise / Killing Me Softly With His Song / Quand Vient Le Soir On Se Retrouve / Le Temps De Ma Chanson
ミュージシャン志望のプレイヤーが本物のジャズマンたちの演奏をバックに練習をするためのレコード。そのテキスト用にリード楽器が抜いてアレンジされているので“Music Minus One”なのです。こちらはガーシュインを歌いたいシンガーのための伴奏集。リーダーはジョー・ワイルダーに、ハンク・ジョーンズ、マンデル・ロウ、ジョージ・デュヴィヴィエ、マックス・ローチというメンツで超一流!.
タイトル曲の「Playgirl」がスマッシュヒット。ソフトロック時代のワンヒットワンダーなグループです。出身はウィスコンシン州のミルウォーキー。ガレージ・ロックが盛んな土地柄ですから、彼らももともとはそういうグループだったのではないかと。この唯一のアルバムはストリングス、ブラスなどに彩られたポップ・サウンド。元気の良さだけでなく、「It Isn’t So Easy」みたいなセンチメンタルでドリーミーなナンバーも良し! 90年代にたくさん輸入され、初期ソフトロック・ブームを担った盤です。.
オフビートなファンクセンスがいかすノーウェイブヒット「I Know What Boys Like」で知られるウェイトレス。彼らのもう一曲のヒットは、82年にリリースされたクリスマスソング「Christmas Wrapping」! チャートではそれほど上昇しなかったものの、ラジオで繰り返しエアプレイされ、のちにはスパイス・ガールズもカヴァーしたんですよね。そのリリースに合わせて発売された5曲入りミニLPです。.
カンツォーネをイタリア語で歌ったアルバム「Ti Voglio Bene... I Love You」の成功を受けて制作された作品で、親しみ深いを収めています。一番と二番をフランス語と英語、または英語とフランス語で歌い分けます。シャンソンになじみの深い日本では断然こちらが人気!耳馴染みのあるメロディが流れてきます。 美女がフランス語で甘やかに歌う愛の歌です。.
収録曲・データ
【曲目】I'll Be Yours (J' Attendrai) / The River Seine (La Seine) / April In Paris (Avril 'a Paris) / The Song From Moulin Rouge (Where Is My Heart) (Chanson Du Film "Moulin Rouge") / Under Paris Skies (Sous Le Ciel De Paris) / Speak To Me Of Love (Parlez-Moi D'Amour) // I Love Paris / Autumn Leaves (Les Feuilles Mortes) / Under The Bridges Of Paris (Sous Les Ponts De Paris) / La Vie En Rose / Maidemoiselle De Paris / The Last Time I Saw Paris
ドイツのイージーリスニングで長いキャリアを誇るサウンドマスター。70年代的なセンスにも敏感に反応します。なんたって「朝日の当たる家」をスキャット入りのビッグバンドディスコにしてしまうんですから! 全編おおらかなユーロディスコ仕様で最高な1枚です。「Night And Day」なんてゴージャス&メロウで、すごい仕事!.
My Life As A Girl (Based on: The House Of The Rising Sun).
「ふられた気持ち」以前。黒人たちが彼らのあまりのソウルフルな迫力に「お前たちのことを認めたぜ、ブラザー!」(すなわちライチャス・ブラザーズの語源)と叫んでいた時代のアルバムです。これがセカンド・アルバム。レイ・チャールズがふたりいるような「This Little Girl Of Mine」のモーレツさにぶったまげますね! こんな時代の彼らこそ、今体験されるべき!.
収録曲・データ
【曲目】Baby, What You Want Me To Do / My Tears Will Go Away / Fannie Mae / I Just Want To Make Love To You / Something's Got A Hold On Me // This Little Girl Of Mine / Try To Find Another Man / Night Owl / Bring Your Love To Me / For Your Love
かつてロックミュージカル「ヘアー」の黒人キャストとして脚光を浴びたシンガーです。歌唱力はお墨付きですので、あとは良いスタッフに恵まれれば。このアルバムはボビー・イーライがプロデュースしたフィリー流で心地よいです。「Expressway To Your Heart」の80sなアレンジのリメイクもあり。.
イギリスの新世代ロカビリアン。若くてさわやかなプレスリーみたい。本国での大ヒット曲「You Drive Me Crazy」は最近日本でもCMで使われてましたね。現代版プレスリーみたいな感じ(歌声はだいぶ線が細いですが)で、プレスリーに歌わせてみたかったカヴァーとか、いいんですよね。アーマ・トーマスの「It’s Raining」とか、NRBQの「Don’t She Look Good」とかね。.
フランスのライブラリージャズ。ユニークなアレンジのビッグバンドによる小気味良いナンバーの連発で、レイモンド・スコット、ディーン・エリオットなどのファンにはバッチリくる内容です。軽くスカなリズムを刻む「Le Dernier Scotch」や、スピーディーな「Le Grand Huit」をおすすめしておきますね。ステレオミックスなのも、この手のサウンド好きにはうれしいです。.
カリプソを進化させたダンスビート、ソカの旗手として80年代のワールドミュージックブームでブレイクするアロウの初期作。このダンサブルなカリプソがすなわちソカの原型なのです。マイティ・スパロウなど先輩たちのメッセージ性や語り口をうまく受け継ぎ、新しいサウンドと融合させる道筋を探します。この時期のアルバムは、トーキング・ヘッズ「Remain In Light」好きにも聴いてほしいですね。.