ブルー・スターズから独立したクリスチャンヌ・ルグラン、ウォード・スウィングルら6名の男女コーラス。神業かと思うほどテクニカルなのに、隣りに住むアベックを訪ねるほどに気さく。それがフランスらしいエスプリなんでしょう。フランス語のエロキューションと言葉を持たないスキャットが交錯する美しさ、モダンジャズとコーラスの楽しみを存分にどうぞ。ホレス・シルヴァー作の「Doodlin’」を除き、8曲中7曲がクインシー・ジョーンズの提供なのは、制作時に彼がエディ・バークレーのもとで音楽を学ぶために渡仏していたから。それもまた時代と偶然の描き出す奇跡です。
(LP)Incredible Jazz Vocals By Europe's Coolest Combo (early60s press)