ラウンジ・ビッグバンドでもいくつも名作を残す人だけに、ここでも極端なアレンジがお好きと見えて。緩急や音量の大小はとにかくメリハリ重視。喜々として指揮棒を振りながらミュージシャンが「マジかよ、おい」とおののいている姿が目に浮かびます。一気に駆け抜ける「Runnin' Wild」のかっこいいこと! アルバムタイトルは、直訳すれば“白熱”。アンリ・ルネはベルリンに生まれ、30年代にアメリカに帰化した編曲指揮者。トリッキーなアレンジに長けているかと思うと、ものすごくロマンチックなアレンジをしたり。アーサ・キットのあのサウンドも彼の手によるもの。才人です。
(LP)White Heat!