ワシントンDCローカルの黒人おばあちゃんシンガーの歌う我流ゴスペル・ブルースと好きなR&B。ザックリとした感触でありながら、おおらかな器を感じさせる歌声。器用ではないんですが、心の深いところに届く歌です。ビートルズ「Can’t Buy Me Love」のカヴァーは、たぶん彼女が史上最長寿。エヴァリー・ブラザースが名盤「Roots」で採り上げた「T For Texas」も、もう一度戦前に戻したようなざらつき。今を生きるバイタリティにすごみがあります。レア!.
Can't Buy Me Love.
T For Texas.
I’m Walkin’.海外でも非常に人気が高いソフトでミスティックなレリジャスフォークロック。牧歌的なフルートやオルガンの音色が心地よい酩酊感を誘います。信仰心の強さゆえか、無意識のうちに異世界に足を踏み入れてしまったうっすらとアシッドな世界観が、名盤といわれる所以です。ふわりと空へ消えいく二人のハーモニーは、ここではないどこかから聞こえているよう。.
Weary And Worn.
Jesus Was A Pretty Good Guy.
Wake Up One Morning.カナダのケベックを拠点に活動するシンガー・ソングライター/詩人のデビュー・アルバム。「ケベックのロバート・ワイアット」とたとえたくなるような不思議な魅力の歌声とサウンドの使い手です。フランス語圏での活動のため、本国以外ではあまり知られていないよう。とても気になる才能です。.
Alllo Toulmond.
Touttt Eto Bouttt.
Le Voyage.イスラエル出身の夫婦デュオで、ヨーロッパを中心に大変な人気を誇った彼ら。アートワークも含めてもっともソフトロック的な世界に接近した一枚です。とはいえ、彼らの出自であるアラビアンかつエスニックなフレイヴァーも盛り込まれていて、そのスリリングな折衷感覚が逆に今こそ有効と思えます。英語、ドイツ語、ヘブライ語が飛び交うヨーロッパの移民文化が生んだ最良のプログレッシヴ・ポップス!.
Never Grow Old.
7 A.
Purple Eyes.ネルソン・アマラルは、1913年サンパウロに生まれ、ボサノヴァ以前にアメリカにわたって活動していたシンガーでバンドリーダー。1950年代半ばに彼がレコーディングしたブラジル名曲集です。シンプルな編成のラテンコンボをバックに心地よい歌声を聴かせてくれます。いろんなジャケットやタイトルで何度か再発された盤で、こちらはおそらく擬似ステレオ加工盤。.
Brazil.
Currupaco.
Ba Tu Ca Da.ナッシュヴィルが誇る5人の歌姫のオムニバス。パッツィ・クラインのみこの時点ですでに故人ですが、他は60年代にとても人気があったシンガーです。そのパッツィはフェアーグラウンド・アトラクション、カウボーイ・ジャンキーズもカヴァーした名曲「Walking After Midnight」などを収録。甘さだけでなくリズム感もバッチリで、しっかり芯の強さのある歌姫たちです。.
Walking After Midnight.
Walking In The Dark.
I Wish I Could Fall In Love Today.エヴァリー・ブラザースが一時的に分裂してSSW的な作風に向かった時期。フィル・エヴァリーのソロ作はハイファイでもひそかに売れ続けている人気なんですが、ドンのほうには今ひとつ脚光が当たり損ねている気がします。本作は3年ぶりにリリースされたセカンド・ソロ。スワンプ色の濃かったファーストもよいですが、こちらはそこにぐっと漂泊的な気分を加えたレイジーな魅力があります。自作「Evelyn Swing」よくて悶絶しました。.
Evelyn Swing.
Warmin’ Up The Band.
Helpless When You’re Gone.ジョン・ウェインとロバート・ミッチャムが共演した西部劇映画「エル・ドラド」(ハワード・ホークス監督)のサウンドトラック。ネルソン・リドルの数あるサントラ盤でもかなりレアです。西部劇とリドルの組み合わせからしてすでに興味津々。ソフト・コーラスをあしらったタイトル曲も斬新で美しい仕上り。ハーブ・アルパートにも通じるメキシコ的叙情と洗練性の融合が素晴らしいですね。.
El Dorado.
Free Frijoles.
La Noche Y Las Estrellas.イギリス出身ながらLAでデビューしたAOR系SSW。実は彼のファースト「Do You Wanna Tonight」は実際に発売されたのかも疑わしいほど残存枚数が少ない幻のアルバム。このセカンドが、あらためてのお披露目作品でした。ハスキーな地声とファルセットも駆使するブルーアイドソウル感覚と、切れ味のいいサウンドが魅力です。プロデューサーにはフリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーの名前も。アレンジも日本人AORファン好み。.
When Love Disappears.
Last Night.
One On One.Vanguardに妻ミミとのデュオでわずか二枚のアルバムを残しただけで夭折した天才リチャード・ファリーニャ。自身の小説の出版記念パーティの帰り道の交通事故によるものでした。代表曲「Pack Up Your Sorrow」をはじめ、60sフォークがいかに多くの明日を夢見る才能を引き込んでいた魅力的な潮流であったのか、その証拠のような逸品。古い民俗楽器ダルシマーの新たな可能性を引き出した作品でもあります。.
Pack Up Your Sorrow.
Reno Nevada.
Celebration For A Grey Day.UKジャズ/ライブラリーの両方で知られる名ドラマー、トニー・キンゼイ。活動の場をイギリス以外にはほとんど広げなかった人です。作曲家としてもすぐれた才の持ち主で、このアルバムはテムズ川をテーマにしたオリジナル曲を自身がリーダーのビッグバンドでレコーディングしています。B面はライブレコーディング。ロニー・ロスらが参加しています。.
Kingston Reach.
Cookham Bridge.
Girl Friday.もともとタップダンサーとしてサミー・デイヴィス・ジュニアに将来を嘱望されたほどの才能。しかし歌声の魅力と甘いルックスを買われてシンガーに。なるほど、だからリズム感も抜群なんですね。彼のチャートでの初期のヒットがこのアルバムのタイトル曲です。50年代から続く正統派ポピュラーと60年代の新しいポップスの要素が交錯しているスタイル。「The Shelter Of Your Arms」は擬似バカラック楽曲として秀逸。.
Good News.
Shangri-La.
The Shelter Of Your Arms.80年代のワールド・ミュージック・ブームに先駆けて、南アフリカの黒人たちのサウンドを紹介したオムニバス盤。オリジナル盤がリリースされた79年は、まだ南アフリカ共和国はアパルトヘイト政策が強固に続いていたということも重要です。その圧政のもと、これほど力強く明るい音楽が生まれていたことを実感できます。ここからレディスミス・ブラック・マンバーゾやマホテラ・クイーンズなどスター的な存在も生まれました。今きくとまたあらたな発見のある音が多いです。.
Igula Lamasi.
Umthombowase Golgota.
U Mama Uyajabula.1964年にトリニダード・トバゴで結成された名門スティールバンド。レコードデビューは71年、これが6年ぶりのセカンド。レコードを売って生計を立てるのではなく、現地での演奏で腕を磨いているタイプのグループでしょう。なので演奏もあくまでシンプルなパンのアンサンブル。でもレパートリーにはディスコを取り入れたり自由さがあります。「Summertime」を聴いて、去りゆく夏を送りましょう。.
Summertime.
El Bimbo.
Segregation.50年代のハワイコールズ出演時の音源をまとめたアルバムはこれが初めてだと、ジャケットに記されています。アパカは50年代後半はDecca専属だったので、Capitolでリリースされていたハワイコールズ関連のアルバムに音源を収録することが難しかったのでしょう。ステージでの全盛期のアパカの美声を聞くことが出来ます。バックはアル・ケアロハ・ペリーのコンボです。60年に亡くなったアパカ。その音源がこうして時を超えて聴き継がれていったのが素晴らしいです。.
I Want To Learn To Speak Hawaiian.
There’s No Place Like Hawaii.
Blue Hawaii.このアルバム、裏面も彼女のカラー写真を使った表ジャケ仕様(つまり両面ジャケ)になってます。この時代にしては相当に珍しいこと。で、本題ですが、ベニー・カーターによるゴージャスなアレンジに身を任せた余裕の内容。普通にアレンジするならボサノヴァになる「The Sweetest Sounds」を意外なアレンジでやっていたり、ジャジーなスイング感がかなり強いのも特色ですね。.
Ain't That Love.
Teach Me Tonight.
The Sweetest Sounds.Limelightに残したアシッド・フィメール・ソフトロックの大傑作「Spleen」でも知られる美人双子姉妹をフィーチャリングした作品。ソフトロックの極北と言いますか、ロフトジャズ的なグルーヴとアヴァンギャルドと繊細を行き来する女性コーラスの作り出す未踏の境地。「My Favorite Things」の混沌としつつミスティックなグルーヴ感にやられました。B面はクリード・テイラー・プロデュースの構築的なジャズサウンド。その対比もまた興味深いものです。.
My Favorite Things.
Who Knows What Love Is?.
Ricardo’s Dilemma.モダン・ゴスペル界で長く活動し、洗練された音楽スタイルと総合的なプロデュース力がクインシー・ジョーンズにも例えられたアンドレ・クラウチ。自身のグループを率いてリリースしたデビュー作です。フィフス・ディメンション的なコーラスも印象的なソフトソウルを展開しています。一聴しただけでわかるハイレベルなサウンド。圧倒され、うっとりします。.
He Never Sleeps.
Everywhere.
Wade In The Water.スリー・ドッグ・ナイトのリードシンガーとして著名な人ですが、ヴァン・ダイク・パークスとは若い頃から大の親友。加入以前、1965〜66年のHBR〜MGMレーベルの7インチを中心としたソロ音源集。MGM時代の楽曲にはヴァン・ダイクがノンクレジットですが深くかかわっています。そのうちの一曲が、ハーパース・ビザールも演った名曲「Funny How Love Can Be」。このアヴァンギャルドなアレンジには時代を超えて仰天! バーバンクサウンドのファンはマストアイテム。.
Funny How Love Can Be.
Big Bright Eyes.
Why Don’t You Love Me Anymore.ウディ・アレンが日本映画「国際秘密警察 火薬の樽」「国際秘密警察 鍵の鍵」をメチャクチャにリミックス、でたらめな吹き替えを付けてでっち上げたナンセンスコメディ。ただしその中でラヴィン・スプーンフルのワイルドな演奏シーン多数。確か、地下で日本人たちのドラマが進行していて、地上では彼らがライヴしているという設定だったはず。インスト中心ですが「You Are What You Eat」にも通じるハチャメチャなムードあり。.
Pow.
Respoken.
Speakin’ Of Spoken.ハーブ・フェイムとフランシーヌ・ピーチズの黒人男女デュオ。まず60年代にこのアルバムのタイトル曲「For Your Love」などをポップチャートでもヒットさせ、最初の成功を果たします。親しみやすくて屈託のないハッピー・ソウルがいっぱい! 70年代にディスコ・デュオでリバイバルしたときはピーチズは三代目のシンガーになっていました。.
For Your Love.
The Things I Want To Hear.
Answer Me My Love.素晴らしいアートワークに、素晴らしいサウンド! デヴィッド・ローズのMGM作品はすべて買ってもいいぐらいです! ミュージカル「GIGI」の楽曲(アラン・ジェイ・ラーナー&フレデリック・ロウのコンビ)を、彼らしいドリーミーなストリングスと、ユニークな着想のアレンジで料理しました。ぜいたくな時間を与えてくれます。.
The Night They Invented Champagne.
GIGI.
Waltz At Maxim’s.60年代はシカゴソウル・シーンから登場したコケティッシュなヤングソウルレディ。70年代はアルバムが出せなかったんですが、ぽつぽつと良質なシングルを残した彼女。せつせつとしたレディソウルです。Capitolでのリリースはこれ1枚のみ。.
I Can’t Stand To See You Go.完全にぶっとんだ「Norwegian Wood」で一発KO! ジャン・ベリーが再起不能に近い大事故に遭った直後のリリース。彼がいかに才人だったのか(あるいは、その可能性を持っていたか)、察しがつきます。ブライアン・ウィルソンと共作した「Gonna Hustle You」もそう。いみじくも事故の予言のような歌になってしまった「Dead Man’s Curve」も本作に収録。他は、いかんせん曲が足りず、屈託のない擬似ライヴなどで埋め合わされています。惜しい。.
Norwegian Wood.
Gonna Hustle You.
Dead Man’s Curve.LAの大物プロデューサー、スティーヴ・バリがマイケル・オマーティアンと組んだディスコフュージョンプロジェクト。計4枚のアルバムを作りました。これは2作目。メンバーはLAの腕利き達。後のAORシーンで素晴らしい働きを見せるミュージシャンが勢揃いし、ファンキーないい音を出しています。「ロッキーのテーマ」もぐっとくるメロウアレンジ。ジェイ・グレイドンはここから参加。.
Theme From Rocky.
Dance The Night Away.
Part.1 Angry World.ボストン/ケンブリッジにあった名門フォーククラブ「Club 47」の名前を冠した自主レーベルからリリースされたデビュー作。ボストンのヒップで自由きわまりないフォーク/ブルーグラス・シーン、その歴史がはじける瞬間が鮮烈に記録されています。想いの果てること無い60年代初頭の息吹の固まりのよう。その勢いは今なお感じ取ることができるはずです。今回入荷はそのアルバムを買い取ったPrestige Internationalからのリイシューで、盤は再プレスですが、ジャケはオリジナルを使用しています。.
Leavin' Home.
Ain't Nobody Gonna Miss Me.
Short Life Of Trouble.チャス・ホッジズ&デイヴ・ピーコック。またの名をチャス&デイヴ。彼らがオイリー・ラグスという名義で制作した唯一のアルバム。まるでイギリスのザ・バンド! しかし、ザ・バンドに憧れつつも、独特の軽みがあって。このアルバムの発売はアメリカのみで、本国イギリスでは発売されないというねじれ現象に。本作発表後、彼らは名義をチャス&デイヴに変更し、屈託のない愛すべき酒飲みロックを繰広げます。もちろん、そっちだって良いのですが、本作は特別。オリジナル・リリース(1974年)から10年後の再発盤です。.
Mailman Bring No More Blues.
Holy Cow.
Barefoot Days.昼間は警察官。夜になると自ら経営していたワイキキの超一等地のバー「Barefoot Bar」でショーをしていたというシンギング・フラ・コップ。もちろん聴衆を前にした彼のクラブでのライヴ・レコーディングで、粋でハッピーなハワイアンを聴かせます。50年代末頃のカリビアンなトレンドを取り入れた「Hawaiian Calypso」なんて曲も登場したりして。.
There's No Place Like Hawaii.
Hawaiian Calypso.
Monologue.どことなくニューオリンズっぽさいリズムとユーモアを感じる、ルーディなノリのR&B。ソロキャリアはもとより、モーリス・ホワイトと共作をよくしていたこともあり、あのアース・ウィンド&ファイヤーのオリジナル・メンバーにもなった人です。.
Ain’t That Lovin’ You Baby.
I’ll Come Runnin’.ピーター・ムーンと共に組んでいたバンド、サンディ・マノアから派生した兄弟ユニット。今やハワイでは押しも押されぬ大御所のふたりですね。トラディショナルサウンドに片足を置きながら、リズムやアンサンブルにも気軽にアクセスしやすい要素を散りばめます。英語詞の曲もあります。ジェントルでおおらかな空気感がすばらしいです。.
Kapilimehana.
Hawaiian Spirits Live Again.
Mahina Hoku.