リリース30周年記念エディション。ダン自身による秀逸な解説を日本語訳で掲載し、オカルトと混沌が渦をまくこの傑作をアーカイブ。ポスト・ケージ世代のアメリカの作曲家/サウンドアーティストのデヴィッド・ダンは、音響生態学・生物音響学の第一人者で、ICCでの展覧会「サイレント・ダイアローグ」(2007)でもレクチャーを行ったその筋の最先端。デビュー作『天使と昆虫』(1992)は、超自然的な天界の天使の名前と、自然界の水中に棲む昆虫という、二つの極端な世界とのコミュニケーションに焦点を当てた驚くべき包括的なアルバムである。.
MGMでのラスト・アルバム。彼のような立場のアイドルシンガーにとっては新作を発表しにくい時代(ロックの台頭)にあって、フォークロック /ソフトロック的なセンスを採り入れた意欲作でした。P・F・スローンが提供した「Cling To Me」やアーティ・シュロック作の「Make This Train」あたりは、埋もれさせておくには惜しい凛とした魅力があります。.
Make This Train.
Cling To Me.
Round In Circles.ビッグバンド時代に若さと才能で頭角を現し、1950年代に到来したLPレコード時代にジャズスターとなったジョージー・オールド。時代の変化を味方にするタイミングをとらえていた人とも言えますね。これが彼が自身のリーダー名義でリリースした初のアルバム。旧来のスイングから抜け出そうとする瞬間もあちこちにあります。.
They Don’t Believe Me.
Vox Bop.
Settin’ The Place.1920年代から活躍していたトロンボーン奏者ウィルバー・デ・パリスが戦後に復活。積極的な活動とデキシーランドの流行で1950年代後半から再び全盛期を作りました。ボストンのシンフォニー・ホールでの実況録音盤。いわゆる楽しいデキシーとは一線を画したアプローチも聴ける興味深い1枚です。カリブやワールドっぽい曲もあるのです。.
Majorca.
Juba Dance.
Piano Blues.スタジオ<ICECREAM MUSIC>を稼働、世界が待っているバンド、ゴート(goat)や「GEIST(ガイスト)」「Virginal Variations」といったプロジェクトを抱え、このところ本当に多忙な音楽作家、日野浩志郎のソロ・プロジェクト。emでの第二弾リリースが本作『Be A Little More Selfish』です。ヨーロッパのDJに歓迎されそうなYPYらしいハードな曲、新境地アフロでアンビエントなパーカッシブ・チューン、ホームリスニングBGMっぽい曲からイマイチよく分からん曲まで諸テイストが混在するが、YPY最大の魅力である地下ライブ感はそのまま!.
よく知られる「ローレライ」「リリー・マルレーン」「マック・ザ・ナイフ」からウェーバーやワーグナーのクラシック楽曲まで含め、ドイツの素晴らしさを明らかにしようとする音楽紀行もの。ストリングスやブラス、コーラスなどをとりまぜてウェルナー・ミューラーが自国の紹介をしています。固すぎずロマンチックにドイツの姿が音楽を用いて表現されています。.
Mack The Knife.
Lorelei.
Lili Marlene.1906年生まれで戦前スイング世代のサックスマンが1955年にBethlehemに残した10インチです。サイドマンとしての活動が長く、50代を迎えようという時期に吹き込んだ本作が初のリーダー作。スタイルはすでにバップになっていて、彼より年若のプレイヤーたちと快調にセッションしています。エンジニアで若きトム・ダウドがクレジットされていますね。ジャケット・デザインはバート・ゴールドブラット。日本語解説付。.
There Will Never Be Another You.
I Can’t Believe You’re In Love.
The World Is Waiting For The Sunrise.1957年公開のMGM映画「This Could Be The Night」(未公開)のサウンドトラック。トランペッターとしても活躍していたアレンジャーのレイ・アンソニーが、50年代の洒脱なナイトライフを想像させるような、ジャズ、ラテンが交錯するスコアと演奏を提供しています。女優でシンガーでもあったジュリー・ウィルソンの美声もいいものです。.
This Culd Be The Night.
Mambo Cambo.
This Culd Be The Night.1940年代末から80年代末にかけて、数多くの映画に出演したドイツの大女優。同時に数多くのレコードも発表し、自ら作詞作曲したことからドイツ人シャンソン歌手と言われることも。彼女の人気とカリスマ的な存在感がどれほどの大きさだったかわかるライブ盤です。硬派、しかし、じっくりと歌を聴きたくなります。.
In Dieser Stadt.
All Of You.
Ich Brauch’ Kein Venedig.オペラ歌手の下積みを経てテレビタレントに転身した女性シンガーだそうです。なるほど伸びやかな歌唱力には、ひとかたならぬものがあります。その彼女の歌をユニークなアレンジで輝かせているのが鬼才フィル・ムーア。「Come On-A My House」「Ill Wind」のアレンジなど、随所にその奇想で挑みかかってきます。そのチャレンジに答える歌唱力あっての技なんでしょうね。.
Come On-A My House.
Ill Wind.
Ain’t That Love.「Sixteen Tons」の大ヒットで知られる朗々ヴォイスのカントリー・シンガー、テネシー・アーニー・フォード。その堂々とした歌声と、ひょうきんで憎めない人柄を感じさせるたたずまいは、当時のアメリカの「愛されるおやじさん」だったんでしょうね。そんなアーニーおじさんが歌うおとなのラブソング集。この声で歌われる「知りたくないの」、お父さんに恋の説教されてるみたいな気持ちになります。.
Molly Darling.
I Really Don’t Want Know.
Half As Much.ルーターズは、ハリウッド産ロック・インストゥルメンタル・プロジェクト。ハル・ブレイン、スティーヴ・ダグラスをはじめとしたレッキング・クルー面々の演奏であることは、今となっては誰もが知っている事実ですね。今回のテーマはアメフトの応援ソング。ハンドクラップを効果的に使ったリズミックなダンス・インストが盛りだくさん!シャーリー・エリスやニューオリンズR&B好きにも通じる、アッパーで陽気なセカンドラインやマーチ風のグラインドが気持ちいい!.
Charge!.
Illinois Loyalty.
Anchors Aweigh.美しいハーモニーの魅力を60年代後半からどんどん追求していったヴォーグス。この時期はアルバムリリースには恵まれていませんが、Bellにこの素晴らしいレコーディングを残しています。両面ともにテディ・ランダッツォの作曲&プロデュース。時代が変わっても自分たちの道を行くとソフトに、しかし力強く宣言しています。.
Love Song.
We’re On Our Way.ローリング・ストーンズのあの名曲より10年早く存在した東海岸のiイタリア系白人ロックンロール・グループ。いわゆる「操り人形」から転じて、ちょこまか動く若者(ちんぴら)みたいな意味に使われることが多いです。このシングルもひょうひょうとノリがよく、ロックンロールが生まれたてだった時代の匂いをぷんぷんさせています。.
Tried And Tested .
My Girl, My Girl.NYのドゥーワップ/ブルーアイドソウルと60年代ポップスを力強く結びつけた名グループ。1964年に11位まで上昇したヒット曲です。ちょっとラテンな風味も入るのがNY流。シンガー・ソングライターとしても人気のケニー・ヴァンスが中心人物でした。.
Let’s Lock The Door (And Throw Away The Key).
I’ll Remember You.ニューエイジ・ミュージック的な作風のDolphins Into The Futureをはじめ、複数の名義で活動しているベルギーの作家、リーヴォン・マーティンス・モアーナが本名で発表するアルバム。この『Three Amazonian Essays』は、スペインの伝説的スタジオ・プロジェクト、フィニス・アフリカエによるアマゾン探検を題材にした名盤『Amazonia』(1990 年) を丸ごと音素材として使用し、別のアマゾンを抽出しようとする試みとのこと。副題に湯浅譲二、武満徹、アイヴスへのデディケーションがあるように、これまでのクラブ寄りの視点からでなく、クラシック 現代音楽と捉えた方がしっくりくる作品といえます。.
Port Of Spain.
Music For A Clearing.
Sinfonieta Amazonia.アルゼンチンのマルチ・インストゥルメンタリスト作家、エミリオ・アロが「架空の部族の奏でる音楽を空想する」というコンセプトで結成した5人編成のバンド、クラン・カイマンのセカンド・アルバム。本作でもカリンバを改造したアロの創作楽器<カリンバフォン>がアンサンブルの要。気を引く派手な編曲や和声進行上のクライマックスを捨て去った上でのメトロエスニシティー感覚が、その演奏の音場には怪しい生暖かさと催眠性が充満する。.
独の奇才コンポーザー/プロデューサー、Don't DJ最新作。テクノ・サンラー?アングラYMO? 超空間世界をテーマにした実験エスニック・エレクトロニクス・テクノ・エキゾ・ミュージック。サン・ラーの名盤『Space Is the Place』(1973)にちなんだと思われる題名が示す、超空間世界をテーマにした両A面のミニ・アルバム!.
スペインのNEW WAVE バレアリック NEW AGE プログレッシヴ・ミュージックの奇跡、フィニス・アフリカエの最高傑作を数々のご要望にお応えして単独発売。ひたすら浸るスピリチュアルでアフロでアンビエントなオーガニック・サウンド!!! 沢山のヨーロッパやアフリカの楽器を操って大半を一人で多重録音し、風雨、鳥や虫や生き物の自然音を組み合わせて制作した本作は、ミステリアスな雰囲気と神秘的な気配を見事に表現。彼独特の有機的なグルーヴ感覚も非常に心地よい、その名にふさわしい代表作。.
Suite Amazonica.
Hassell, El Osos Hormiguero.
Adios A Puerto Espana.原点である名盤1st『アイソフォニック・ブギウギ』(1980) を制作した故郷サンフランシスコで録音したアルバム。本作でも、即興を用いた作曲法「comprovisation(コンプロヴィゼイション)」で、バレアリック/テクノ/アンビエント・ジャズのリスナーをも射抜くサウンドを生成! エレクトロニクスとアコースティックのミックス・センスと、ファラオ・サンダース、テクノ、電子音楽、クラシック音楽のセンスを併せ持った、スピリチュアルさとアンビエントさ、地に足がついた演奏が魅力だ。.
em Recordsによる「アイソフォニック・ブギウギ」の奇跡的復刻及び海外レーベルの協力による北米/ヨーロッパ配給の実現で、世界的に評価を受けたクリエイター、ローランド・P・ヤングが30年余の沈黙を破り発表した作品がこちら。新録音というよりも、この30年の間に積み重ねられ、記録されてきた膨大なフリーフォーム音源からセレクトされた音源とのこと。カオスと静寂が交錯する唯一無二の世界です。.
京都在住の音楽家、中琢爾(なか・たくじ)と神戸在住の音楽家、ティム・オリーヴによるニューミュージック/ノイズミュージック・デュオ演奏集。中琢爾のカセットデッキとTim Olive のマグネティック・ピックアップから生み出された音楽。“時代遅れ”のローテク音源により、中とオリーヴ二人の先進的な音楽性が表現されている、2013 年、京都の山の麓で録音。.
無題.
無題.
無題.カセットテープを制作に活用するロンドンのトラック・メーカー、テープス初のフル・アルバムが、エム・レコードと新進気鋭のレゲエ・レーベル、コーナーストーン・ミュージックの共同プロデュースで登場! ヒスノイズまみれの独自のローファイな質感とタフでメロディアスなベース、独特な音バランス、スプリング・リバーブで処理されたダビーなリズムボックスの響きは、まるで未発見の80sデジタル・レゲエ/ダンスホールを発掘したかのようであり、実験的ベースミュージックのよう!.
トミー・スティールは1950年代後半にイギリスでデビューしたpreビートルズ世代のヤングシンガー。クリフ・リチャードは彼のひとつ下の世代のアイドルになります。60年代のこの時期は、ビートルズの成功を見ながら大人の階段をのぼっていた時期。本作は名匠ジェフ・ラヴのオーケストラを従えてのブロードウェイ・ミュージカル名曲集です。.
If I Were A Bell.
Happy Talk.
There Once Was A Man.クレイジーホース・ド・パリのような華やかなナイト・クラブ・ミュージックを好む紳士にオススメのツイスト・アルバム。なにより混声コーラスの中に紛れ込むギャル・コーラスのキレ味が最高! ツイストをここまでラグジュアリーに加工したアルバムはなかなかありません。.
The Twist.
I Could Have Danced All Night.
Rock Around The Clock.マサチューセッツ州のウィリアムズ・カレッジの奨学生たちが結成した若きディキシーランド・バンド。なるほど、だから演奏にすごく勢いがあります。特にドラマーのやかましいほどの叩きっぷり、最高ですね。ここからジャズシーンに巣立った有名ミュージシャンは見当たりませんが、逆に、今そのときだけを生きる力強さを感じます。別デザインのジャケもありますが、こちらは美女ジャケでの再発ヴァージョン。.
No More.
South Rampart Street Parade.
China Boy.エヴァリー・ブラザーズに数々の名曲を提供したナッシュヴィルのソングライター、ブードロー・ブライアント。両面ともエヴァリーの歴史を飾った名曲をインストでセルフカヴァーしたシングルです。軽快でよく考えられたアレンジ!.
Wake Up Little Susie.
Raining In My Heart.ソウルジャズ界のおしどり夫婦であったシャーリー・スコットとスタンリー・タレンタインのアルバムです。グルーヴィーにぐいぐい行く内容ではなく、暖炉の炎のようにじわじわと熱をおびてゆくブルージーな演奏主体。シャーリーはフットペダルを使わないスタイルなので、このコンボではボブ・クランショーがベースを弾いています。ベースありのオルガン・コンボは独特のうねりがあるのです。.
The Funky Fox.
Grand Street.
Flamingo.1930年代からルイ・アームストロング、ウディ・ハーマン、レイモンド・スコット(!)らのもとでベーシストとしてビッグバンド・サウンドを支え、スタジオミュージシャンとしても嘱望された職人。彼が40歳を前にした1957年にレコーディングした初のリーダー作です。ジャケでも背中を向けているほどの裏方アピール。ですが、むしろ60年代以降は子供番組の音楽担当などで多忙な有名人だったそう。愛すべき頼れる人柄が音楽からも伝わってきます。.
Tiny’s Blues.
Raffles.
Flyin’ The Coop.日本では「フォア・ラッズ」との呼称でも親しまれるコーラス・グループ。フォー・フレッシュメンと同系の4人組男性コーラス・グループのひとつですが、彼らの出身はカナダのトロント。渡米して成功をつかみました。本作は50年代のブロードウェイ・ミュージカルから3作をチョイスして歌った作品。晴れやかなアメリカ50年代ショービズのまぶしさを感じます。.
Another Op’Nin’ Another Show.
Way Out West.
I Got The Sun In The Mornin’.