「ふられた気持ち」以前。黒人たちが彼らのあまりのソウルフルな迫力に「お前たちのことを認めたぜ、ブラザー!」(すなわちライチャス・ブラザーズの語源)と叫んでいた時代のアルバムです。これがセカンド・アルバム。レイ・チャールズがふたりいるような「This Little Girl Of Mine」のモーレツさにぶったまげますね! こんな時代の彼らこそ、今体験されるべき!.
収録曲・データ
【曲目】Baby, What You Want Me To Do / My Tears Will Go Away / Fannie Mae / I Just Want To Make Love To You / Something's Got A Hold On Me // This Little Girl Of Mine / Try To Find Another Man / Night Owl / Bring Your Love To Me / For Your Love
かつてロックミュージカル「ヘアー」の黒人キャストとして脚光を浴びたシンガーです。歌唱力はお墨付きですので、あとは良いスタッフに恵まれれば。このアルバムはボビー・イーライがプロデュースしたフィリー流で心地よいです。「Expressway To Your Heart」の80sなアレンジのリメイクもあり。.
イギリスの新世代ロカビリアン。若くてさわやかなプレスリーみたい。本国での大ヒット曲「You Drive Me Crazy」は最近日本でもCMで使われてましたね。現代版プレスリーみたいな感じ(歌声はだいぶ線が細いですが)で、プレスリーに歌わせてみたかったカヴァーとか、いいんですよね。アーマ・トーマスの「It’s Raining」とか、NRBQの「Don’t She Look Good」とかね。.
フランスのライブラリージャズ。ユニークなアレンジのビッグバンドによる小気味良いナンバーの連発で、レイモンド・スコット、ディーン・エリオットなどのファンにはバッチリくる内容です。軽くスカなリズムを刻む「Le Dernier Scotch」や、スピーディーな「Le Grand Huit」をおすすめしておきますね。ステレオミックスなのも、この手のサウンド好きにはうれしいです。.
カリプソを進化させたダンスビート、ソカの旗手として80年代のワールドミュージックブームでブレイクするアロウの初期作。このダンサブルなカリプソがすなわちソカの原型なのです。マイティ・スパロウなど先輩たちのメッセージ性や語り口をうまく受け継ぎ、新しいサウンドと融合させる道筋を探します。この時期のアルバムは、トーキング・ヘッズ「Remain In Light」好きにも聴いてほしいですね。.
ケニー・ランキンの、あの名曲「Haven't We Met?」をカヴァーしています。ときは65年。同じ年のメル・トーメのヴァージョン(こちらが初演)に負けず劣らずの胸躍る出来です。あちらはマーティ・ペイチ、こちらはドン・セベスキー。60年代屈指のアレンジャー対決でもありますね。ヴァースから鮮やかに転換し、ダイナミックな展開を見せる「Limehouse Blues」も衝撃的!.
収録曲・データ
【曲目】Life Is Just A Bowl Of Cherries / Who Can I Turn To? / He Loves Me / Sweet Georgia Brown / Don't Ever Leave Me / Gentleman Friend // Haven't We Met? / It Shouldn't Happen To A Dream / Limehouse Blues / I'm Foolin' Myself / Love Is A Night-Time Thing / Fools And Lovers
ジョージ・シアリングのピアノと、ブライアン・トルフという若いジャズ・ベーシストが、ふたりだけで行ったコンサートの実況録音。透明感と緊張感のあるすばらしい演奏です。アルバムを買ったのは、ひとえに「Have You Met Miss Jones?」で聴けるシアリングの歌声があまりに素晴らしいから。この人、どうしてもっと歌わなかったんだろう?.
このアルバムはマッカートニー・フォロワーによるシティポップ傑作の一枚だと断言できます。シングルヒット「Get Down」だけでなく、とにかく一曲も捨て曲が無い。ダンサブルな展開を垣間見せるB-2「I Have Never Loved You As Musch As I Love You Today」からのメロウ/ブルーアイドソウルな流れなんかマジで最高ですよ。見過ごさないで!.
I Have Never Loved You As Musch As I Love You Today.
アメリカのシアトルで活動したブラジル音楽グループが残した奇跡の一枚。アコーディオン、サックス、ギターなどリード楽器+リズム隊の7人編成。腕前抜群の緻密なアンサンブル、知的なヒッピー感覚、そしてピカイチのさりげなさが同居している心優しきオトコたち。親しみ深いメロディが、彼らの演奏を耳にすると、なんと心躍ることか。この得難い清涼感の素敵なこと! A-1「Lapinha」イントロ一瞬でKO。さらに、ハワイ産ブラジリアンみたいなコーラスがとりわけステキな組曲のA-2「A Tonga Da Mironga Do Kabulete」から、怒濤のグルーヴA-3「Poinciana」に流れ込むその瞬間、音楽を聴いてきてよかったと神様に感謝します! おっとB面には「St. Thomas」もありますね。.
収録曲・データ
【曲目】Lapinha / Medley:Samba de Orfeu〜Manaha de Carnaval〜A Tonga da Mironga do Kabulete / Poinciana / Norske Tango / Triste // Song Of The Hills / St. Thomas / Sounds Of Bells / Favela / Girl From Ipanema / A Little Quest
メキシコ出身、英国で録音したレコードによって知名度上げたピアニスト、ペペ・ハラミジョが、マニュエルこと英国のアレンジャー、ジェフ・ラヴ率いるスタジオオーケストラと初共演した作品。広がりのあるソフトラテン/ポピュラーに交えて、「Up-Up And Away」などポップヒットも含む心憎い編曲が施されています。静かでなめらかな響きが、印象的です。4チャンネル盤。.
収録曲・データ
【曲目】High Noon / Maybe / Papaya / To Be The One You Love / Look Around / Madrid // Cumana / Canadian Sunset / Johnny Guitar / Santa Gallura / Soledad / Up-Up And Away
【曲目】Deliver Me / Davy McVie / In My Own Small Way / Sail Away // Two Lovely Women / In A Dream / Drunk And Dirty / Pick Me Up On Your Way Down / Jenny's Blues
針を落とした瞬間からファンクのリズムがあふれ出すコールド・ブラッドの74年盤。紅一点の女性シンガー、リディア・ペンスを前面に出し、スティーヴ・クロッパーのプロデュースでスタジオミュージシャンを大幅に導入。ある意味、バンドとしてのアイデンティティの危機なのですが、作品としては従来にない聴きやすさとメロウさ。フリーソウルの定番としてフロアで重宝されました。「Simple Love Life」「Come Back Into My Life Again」もいい曲!.
フォー・フレッシュメンが70年代に残した知られざるライヴ盤! バックは完璧に70'sファンキー・マナーを取り入れたスタン・ケントン楽団。レパートリーはおなじみのスタンダードだけでなく「It's Not Unusual」「Byrd Avenue」、客席とのやりとりも含めたMCでは、なんとフォー・フレッシュメン版「Surfer Girl」も飛び出して! 歌いながら楽器もどんどんこなす彼らのモダンでクリエイティヴなステージが目に浮かぶ2LPです。92年、シングル・ジャケでのリイシュー(オリジナル・リリースは1972年)。.
収録曲・データ
【曲目】There Will Never Be Another You / After You / Byrd Avenue / Surfer Girl / Girl Talk When The Feeling Hits You // Walk On By / What Are You Doing The Rest Of Your Life? / Brand New Key / A Beautiful Friendship // Teach Me Tonight / Summer Has Gone / Hymn To Her / Come Back To Me // It's Not Unusual / She'll Be Coming Around The Mountain / Walk Softly / Artistry In Rhythm
ものすごく乱暴な言い方をすれば、ビートルズの「Penny Lane」一曲から多大な影響を受けて発展したバンドがあるとしたら……。スタックリッジはそんな愛すべきバンドでした。10ccやセイラーといった同時代のUKポップ・バンドよりも、もう少し都市の郊外に暮らしているような雰囲気と言えばいいでしょうか。本作は彼らのサード。つつましくもキャッチーで絶妙にひねくれたポップソングが並んでいることでは、他の作品に引けは取りません。変拍子インスト「Rufus T. Firefly」も最高なんです。UK盤とは曲順違い。.
1986年の第一弾は当時日本盤LPも発売され、ネオアコ少年少女たちのバイブル的アルバムになってました。こちらはその翌年にリリースされた第二弾。elレコードの年次報告的なコンピレーション。新しい才能を迎え入れつつ、気骨のあるサウンドが展開されています。キング・オブ・ルクセンブルグのデヴィッド・ボウイやキンクスへのオマージュあふれる「Trial of Dr. Fancy」最高ですね。.
ラテン、ブガルーの要素を存分に吸い込んで、黒人クラブに還元したかのような、得体の知れないパワーに満ちあふれたパーティー・ジャズの決定版です! 「Hey Leroy, Your Mama's Callin' You」から「Bang! Bang!」になだれこむ冒頭だけで、もう降参。長く語り継がれている一枚ですが、今も色あせていません。なんたってアレンジはニューヨーク・ノーザンソウルの重鎮ジェリー・ロス! 迫力のあるモノラル!.
収録曲・データ
【曲目】 Hey Leroy, Your Mama’s Callin’ You / Bang ! Bang ! / Music To Watch Girls By / Watermelon Man / La Brea // All / Red Top / Yesterday / Boo - Go - Loo / Bucket O’ Grease / Fake Out
モーメンツ名義でのラスト・アルバム。当時の最新ヒット「I Could Have Loved You」を軸にしつつ、1970年代半ばのシングルなども盛り込んだ一枚。次作から彼らはレイ・グッドマン&ブラウンと改名するので、モーメンツ時代の在庫一掃的な意味合いもあったのかも。とはいえ内容はハイクオリティ。ディスコ時代を横目に見ながら、彼らのスウィートな持ち味をダンサブルに展開した名曲多し。.